VOL5:マイペンライで冗談ではないの巻
目を覚ますと異様に腹が減っていた。とりあえずチェックアウトすることにした。到着してすぐ宿を捜すのが面倒だったので日本から予約できるホテルをとっていたのであるが、いかんせん高いしボロい。しかもフロントのおばはんはサルみたいである。飯食いついでに今日からの宿を捜さねばならない。ボーイのゴジラに、昨日はとんでもないあんまを紹介してくれてうれしかったぞこのうんこたれと日本語でお礼を言いホテルを出たのであった。
暑い。
ぬううおおおおおお。あつーい!のである。なにせ6月末である。暑いのはあたりまえで雨季のため湿気まである。そんな事は事前に分かっていただろうとか言われても暑いものは暑い。腹も減った。じゃあ早くレストランか食堂にでも入れよとか思うであろうが、一流の貧乏グルメの俺様としては店の佇まいとか従業員にかわいいお姉ちゃんがいるかとか、そういうどうでもいいことのチェックに余念がないのであり、俺様のお眼鏡にかなった店がなかなか無いのである。言っておくがビビっていたわけではない。
ここならば申し分ないという店が見つかった。素晴らしい。だが良く見ると看板から何からすべてタイ語である。日本語はもちろん英語も通じないかもしれぬ。だがそこはやはり旅行の鉄人としては堂々と入るしかないであろう。
ドアを開けたら従業員が手を合わせている。うむ、俺様は別に拝まれる覚えはないのであるが、そこまでするなら君たちの教祖になって座ったまんま飛び上がってやってもよいぞ。 だがその前に俺様は♪おなかと背中がくっつくぞ!なのである。メニューくれ。メニューを見たらちゃんと英語の名前も書いてあるではないか。
なーんだ、楽勝である。
じゃあ焼き飯とこのエッグアンドなんとかかんとか。ん?なんだ変な顔して。何かおかしいのか?ふんふんこれを頼むならばこれも一緒にたのむのであるな。よし、ではこれも頼む。おお、こんどはびっくらこいておるな。よしよし、じゃ空腹の俺様としてはも一つこれも頼むのである。おおお、目ン玉皿の様にして首を振っているな。勝った。
なにが勝ったか分からんがとりあえず良い気分なのであった。料理が運ばれてきた。これは焼き飯であるな。うむ。うまい。おお、ビールも来た…ちょ、ちょっとそれは持ち過ぎではないのかウエイター。
あ、やばい。こっち来るな。いや、ちょっと、ああ!あ〜〜〜あ。
ズボンがビールまみれである。しかもち○ちん周辺が。これではまるで俺様がおしっこちびったみたいではないか。おい、困るではないか。別に濡れるのはかまわんがおしっこちびってると思われるの
は、納得いかんと言うか不愉快と言うか不条理というか恥ずかしいではないか。
おお?なんとか言うてみい。
ん?なに、まいぺんらい?
まいぺんらいって何だよ。いままで英語で話してたのに急にタイ語ではないか。まいぺんらいまいぺんらいハッハッハッ ってどこに行くのであるか。あれ、厨房の中に入っていきおったではないか。そのまま出てこんのであるが。俺様のジーンズは濡れたままなのであるが。ぐちょぐちょして気持ち悪いのであるが。
なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ と星一徹になりかけたのであるがみんなニコニコしておるので、心の広い、そうまるでタイのちゃおぷらや川のごとく広い俺様としてはとってもおいしかったと言って店を出たのであった。
ち○ち○のあたりをぐちょぐちょいわせてまた手を合わせて祈られながら、ちょびっとだけさわやか…んなわけないだろおぉぉぉなのであった。