「理不尽なりタイ式飲酒」

 いや、まあ酒の飲み方は人それぞれ。

 なのでいろいろと言うこともないわけですが、なにせタイの人たちの飲み方には??と思うことが多すぎるわけです。

 その形式としては、
1、庶民風屋外やらおうちでイサーン料理つまみに飲んじゃう型
2、馬鹿的大音量パブで飲んで踊って喧嘩型
とに大別されるようです。

 1の場合、これはまあ分かりますね。盛り上がりだすとカラバオなどを合唱しだしたりするタイプで、イサーンなどから出稼ぎに来てる人たちが多いですね。僕も従業員とか友人たちと飲むとこういう感じに引きずり込まれます。しかも。しかも長いんです。延々朝方まで続くわけです。結構楽しいんですがね。

 理解しかねるのが2の場合なのです。この型に属する人たちは少々お金を持っているバンコクの若者たちです。ちなみにタイでは遊びの分野で棲み分けがかっちり出来上がっていて、中流以上の家庭で育った人といわゆる低所得層の人たちとは同じところで遊びません。

 例えば貴方の友人が低所得層の人であったとします。その人をオシャレな人や芸能人が集まる遊び場に連れて行くとすごく肩身の狭い思いをさせてしまいます。その逆も同じです。まあこういう暗黙の了解みたいな区分わけと言うのはタイにはいまだ厳然として存在するのです。

 さて、その本人たち曰く中流以上のオシャレな人たちの遊び方なのですが、これが笑っちゃ失礼ですが笑っちゃいます。こういう人たちが集まる場所には静かで落ち着いた場所などない!と言い切れるほどにうるさいところが多いんです。でっけー音量のあまりお上手でない生バンドの演奏を聞きながらウイスキーのソーダ割やコーラ割なのです。1の型の人たちを馬鹿にしている割に酒の飲み方に関しては同じなわけです。
 
 僕らはオシャレだからジョニ黒♪てなもんです。

 はははは。
「どうどう?僕オシャレでしょ?一般庶民と違うんだよ」
とのたまいつつ薄ーいソーダ割を話も出来ない大音量の中で飲んで唄って踊る。

 一緒じゃん!

 ああ、理不尽なりタイ式飲酒。