何処でも同じ

 入社時に、
「徹夜仕事もありますよ!!」
と脅かし?の言葉を工場長から聞いていた。
 実際、工場長達は会社が創設された当時は何回となく会社に寝泊りしていたそうだ。最近は仕事もある程度安定してきた為、年に2・3回位になったと言われた。(独り言・・・・でも年に2・3回はあるんだな〜〜)

 しかし、そんな事があっという間にやってきたのだ。
 お客様に納める金型をその日までに仕上げなければならなくなったのだ。
 何処の会社でも同じ事だが、まずは、《お客様が神様》だから。
 しかし、ここで驚いたのはそのお客様も一緒に残るという事だった。
 残るというよりは、私の会社がそれを仕上げない限り帰らないと言うのである。
 <お客様も、生き残りをかけているのである>
 
 当然、私たちも精一杯の作業を行った。
 結局、徹夜には及ばなかったがそれでも午前2時近くまでの作業になった。
 その後、家に着いたのは午前3時過ぎとなったのは言うまでもない。
 この時は、作業が金曜日の夜だったので次の日が土曜休みという幸運に恵まれていた。
 私の会社は土曜出勤も良くあるので、それにぶつかっていたらホントに会社に泊まることになったであろう。

 またもう一つの出来事は、新しくお付合いをさせて頂くお客様の所の機械が急に故障し、どうしても今日からその仕事を私の会社で動かしてくれとの連絡が入ったのだ。翌日には出荷もしてくれと。
 工場長からは昼過ぎに私に連絡が入ったが、その時工場長からは、
「すーさん、今日は帰れませんね」との一言があった。

 お客様の金型が届いてから、一部修正しなければならず加工に入れるのは早くても午後8時から9時過ぎなると予想された。
 しかし、ここでもまたお客様は付きっきりでいたのである。
 ここでもお客様のパワー感じさせられた。

 《負ける訳にはいかない》

 工場長以下が心で呟いたかどうかは定かではないが、それに近い物はあっただろう。みんなの動きがとても頼もしく見えた。
 こちらも午前様になろうとしていた。
 何とか翌朝には出荷が出来る体制が整った。
 お客様も安心したように帰っていった。
 (2時間近くはかかるであろう、約180Km近く離れた所に)

 今回は翌日が出勤であった。
 家には午前1時半位に着き、寝たのは2時過ぎであったが翌朝はスッキリした気持ちで起きる事が出来た。
 ただ、これからもこんな事が日常茶飯事となると思うと何とも・・・・・・。

《頑張るしかないのである》

 ただ、こういう時間に毎日飲み屋さんから帰る方がいるのもまた事実で、そんな事は何処の国にいても同じであり、何処で働いても企業戦士はみな同じなのだと再認識している今日この頃である。

 管理人から
 働く日本人はどこの国に行っても同じですねえ。こうやって日本製品の品質と納期は保たれている、と言うことタイ人は果たして理解しているのだろうか??管理人は「そう言う時間」に接待を終えて帰る方の人間なのであるけど、やはり起きる時間は一緒。じゃあ辞めたら、と簡単に言ってくれるなよ、タイの皆様…