新しい目標
私は十年ちょっと前、前職の会社がタイに進出した時、新会社立上げに参加した。
タイへの関わりはここから始まったのである。
バブルがはじけ始めた頃、日本企業がこれも横並びのようにタイに進出した終り頃である。
30歳半ば頃の事である。
駐在は約3年半の期間であった。
タイへ行く事を、その時は会社を辞めようと思う位強く拒んだのを思い出す。
全くの未知の世界だったので。
私は遊びでも海外へは行った事がなく、初海外が仕事でとなったのである。
(ええ〜一回も行った事ないの〜となるのか)
仕事もプライベートも3年半の間にいろいろな事が有った。
タイのカルチャーショックも多数感じた。
しかし過ぎてしまえば早いものであり、全ての事が自分の中に吸収された。
だからイヤイヤ行ったのが、帰国時には寂しさが込上げてきた?ものだ。
それとは別に人生の節目、今まで体験したことが無い?節目があった。
それは人生の伴侶となるべき女性が現れた事である。
私も既にいい年をしていたので、今までにも何回かはそれに近い経験は有ったが今回は本物であった。
《そう、わが愛しの妻はタイ人なのである》
帰国約1年後に結婚し現在結婚7年目になる。
よく、続いている?
ただ今でも思い出すが、タイ人との結婚の手続きは二度とやりたくない。
全くそれはもう、
「面倒」
の一言であった。
何やかやで手続きに3ヶ月近くもかかった。
最近は一段と厳しくなっているので、もっと大変ではないだろうか。
そんな妻が来日して最初に味わった試練が日本の寒さである。
日本人がタイの暑さに参るように、タイ人は逆の辛さを味わうのである。
何しろ彼女は冬服を全く?着た事が無い訳だから、自分で選べない、くつ下も履かない、長袖は嫌いだときたものだ。
最初は幾ら言ってもくつ下ははかなかったが、これも時間の問題であった。
そんな妻を見ていて思った。
5年以上同じ場所にいれば、どんな人間でも順応できる様になるのだと。
(ただ、今でも冬物の下は半袖の時が多いが)
今では、東京のとある場所なら私より知っている位になっている。
世の常で、一緒になってみれば見えなかった内面的な所も見えてくる。
タイ滞在中に、ある程度タイ人の気性は分かっていたつもりだが、私の妻は皆さんが知っているタイ人の気性に2乗させたような女性であった。
特にお金に関しての考えはタイ人独特のものがあり、日本人的貯蓄の考えは全く通用しないし、本国に対しての思い入れも相当なものがある。
だから7年の間にいろいろな事があった。
だが、どういう訳か今も何とか上手くやっている。
私の優しさのおかげであろう。
(この優しさは今後の人生で何か危険を伴うような気もするが?)
そんな妻や親の為にも、数年前からタイへ移住しようと頭の片隅では考えていた。
自分が多少苦労してでも、それを実行しようと思ったのである。
本当は50歳頃であり、あと数年後のはずだったのだが・・・。
それが今回の早期退職制度廃止で私の考えが結構遠い将来から、随分近い将来へというふうに軌道修正されたのである。
《近い将来、それは2003年春》 の目標へと!!
管理人から
すーさんの奥さんは、すーさん曰く典型的なタイ人だそうで、とても怖いとのこと。でも、二人っきりの時はとてもかわいいとのろけていましたが…。タイに住もうと思う人の中のかなりの割合の人が、このように配偶者や恋人がタイ人という人ですよね。タイ人が日本に住むよりは日本人がタイに住む方が何かと楽です、そう、仕事以外は…。海外で生活するというのは、思っている以上に大変なことですから…。