プーケットの車 1
私が初めて当地を訪れた95年頃、プーケットにはまだ車は少ししかなかった。
観光地だったため、もちろん大型の観光バスやトゥクトゥクと呼ばれるタクシーなどはけっこう走っていたが、いわゆる自家用車というものは、まだまだ一般的ではなかったのだ。
それが今、ほとんどの家は車を持っているというくらいにあっという間に普及してしまった。
どこに行っても車だらけで駐車するにも一苦労。信号待ちのたびに渋滞がおこる。
車は庶民のステータス。
隣が新車を買ったらやはり我が家もという感覚なのだろうか。
しかし、車は高価な買い物である。
日本の方が種類も多く安い車がたくさん売っている。
ここでの相場は、新車で50万バーツ〜120万バーツくらい。
もちろんそれより高い物は、いくらでもある。
日本円で120万円〜350万円だから、日本人の感覚でも決して簡単に買えるものでないことがおわかり頂けると思う。
しかも、ここはタイ、物価から考えると50万バーツには500万円ほどの価値があり、また車一台分の金額でほぼ家一軒分の宅地が購入できる、また既に土地を持っているならそこに家一軒が建てられる。
それくらいの高価な買い物であるにも関わらず、家よりもまず車にお金をかける人も多いようだ。
それくらい、車好きな人々なので、中古車の商品価値も半端ではない。
5年落ちのメーターの壊れたような車でも、安くて80万円くらいから。
それ以下の物を探すのはとても大変だし、みつけても信じられないくらいぼろぼろのものになってしまう。
最近は車の数が増えてきたため、少しは中古車市場も活性化してきたようだが、まだまだ中古といえどもここでは車は高価な買い物なのだ。