プーケットのお葬式 2

 期間中朝から晩までお葬式の行事は行われているが、夜は特に盛大になる。
 仕事を終えた付近一帯の男性や子供などが訪れ、大宴会となるからだ。
 会場(大抵家が多い)付近は、路上駐車の車の列で渋滞となるし、賑やかな音楽は鳴り響きわたる。

 食事は訪れる人すべてに、朝から晩まで供給される。
 そのため、真夜中から車で一番大きな市場までの買いだしが行われる。
 朝方帰ってきて、調理にかかり、山のようなおかずが作られる。
 朝昼おやつ晩ご飯と、すべて近所の人や親戚(が近所に住んでいることが多い)の女性が集まって共同で作り給仕し後かたづけをする。

 どこからともなく、大量の食器が集められ、山と積まれているがそれらが次々に使われていく様も壮観である。

 出棺の日は、昼間から男女とわず人が集まってくる。
 親族は白装束に着替え、出棺の行事を行うことになっている。
 まず、棺桶の近くに供えられている故人の写真を囲んで何人かずつ写真をとる。
 特に親しい友達もいっしょに撮らせてもらえることもある。
 それから、お坊さんに決められた時間になると親族の手でお棺を家の外に運び出す。
 外には、黒い布を飾り付けた専用のトラックが待機しており、荷台の真ん中に棺をのせると、周りに親族が立ったり座ったりして棺を囲むようにして乗る。

 家の中から火葬場のあるお寺に着くまで、専属のカメラマンが写真を撮りまくる。
 トラックが動き出すと、バイクで先回りしたり通り過ぎてからなど、様々なアングルでひたすら、撮り続ける。
 こちらの人は、普段あまり写真を撮る習慣がないが、このようなイベントのときはとても熱心に写真を撮り残そうとするようだ。