プーケットのお葬式 1
ここではお葬式は、人生で最大のイベントかも知れない。
私の知る限り、結婚式や出家式で長くて2〜3日、しかしお葬式は5〜10日間は行われる。
まず、人が亡くなるとお坊さんにお葬式の期間を占ってもらう。
そして、その人が亡くなった日や年齢などから、ふさわしい日数を決めてもらい、近所や親戚が共同ですべての行事を行う。
故人は、派手な金の飾りのついた白塗りの棺に安置されるが、その際遺体には特殊な薬品を注入し、腐敗を遅らせるという。
また棺の側面に、故人の名前や亡くなった日にちなどが、飾り文字で装飾されいる。
また棺桶は、色とりどりの花束で飾られ、家の居間に置かれる。
これは、期間中何百人の人がお別れに訪れるためで、そのため家の入口は開け放たれ、また場合によっては、戸をはずしたり壁の一部を壊したりする。
故人の写真が大きなイーゼルに飾られ、ろうそくの明かりとお線香の煙は途絶えることがない。
日本と同じように花輪を飾る習慣もあるが、南国らしく、明るい色の華やかな物であり、暗さはない。
関係者は、黒または白の衣服を期間中身につけ、喪に服する。
厳密には親族は白、それ以外の人は黒の服を着るが、その他の人が訪問時には白か黒の服を着ていればよい。
隣近所の数軒で共同で炊き出しを行い、早朝から深夜まで付近一帯の人が弔問に訪れる。
朝との夜の2回、お寺にお坊さんを迎えに行き、お経を上げに来て頂く。そのため、お坊さんの席が数人分居間に設けられ、そこが上座となる。
入り口付近では、タイの伝統楽器による笛や太鼓の演奏が行われている。
これは、結婚式や出家式のときにも、同じく行われ行事の合図にもなる重要な役割であるようだ。