カリオピとの再戦

今年の2月にイタリアで行われたWKA世界女子バンタム級王者カリオピ・ゲイツィドウ(ギリシャ/スポーツクラブ・パグラティオ)との試合の観戦記であります。このところ8連勝中であったおーどりーさんが引き分けたこのイタリアでの試合、初回にフック一発でダウンを喫したもののその後盛り返してダウン寸前まで追いつめて引き分け。ビデオでも見ましたが、この試合おーどりーさんの判定勝ちでもおかしくないものでした。今回、相変わらず相手のいないおーどりーさん、結局彼女と再戦することになりまして、Girls Shockなるイベントにて「日本女子チームvs世界の5対5対抗戦」の一試合に出場しました。この試合にもしっかりとタイから観戦しにきた管理人はバカかもしれません。。。


カリオピ入場(エラい気合いの入った顔だ。。。)

2004年6月27日、場所はニューピア竹芝ホール。当日の6試合目、イベント上は2試合目になりましたこの試合、管理人だけ全然違うところに席があって、仕方なく地べたに座って観戦しました。前回の試合よりも(一応ビデオで見た)身体が締まっているカピオリ。その後入場曲に乗って登場するはずのおーどりーさんが出てこない。いつもは早すぎる位の入場なのに、あまり遅くて何かあったのかと思ったほど。結局走って入場。後で聞いたところによると守衛がGOサインを出さなかったので出なかっただけだそうな。。。でもって試合。1R目、相変わらずオーソドックススタイルでのサウスポー。が、今回のカピオリ、異常なテンション。って言うか強え。思いっきり踏み込んでのパンチを連打。おーどりーさんの顔がぶれる。ちょっとガードの低いためかよくパンチを入れられる。おーどりーさんの間合いまで入れない。結局押された感じで終わってしまう。会場からもため息が漏れる。(管理人ジャッジ9−10)





2R目、相変わらず前にツメに行けないおーどりーさん。その焦りを象徴するかの様にスリップダウン、と思ったらなんとレフリーがダウンを取る。これにはちょっとビックリ。そして本人はものすごい形相でレフリーをにらみつける。管理人もそこで怒号。あれはスリップだよ〜!。が、しかし、おーどりーさんこれで完全にテンパる。もう後がなくなる。前回は1R目だったのでまだ時間があったけど、今回は2R目と言うことで倒さなくちゃいけなくなってしまった。が、ダメージはないのでこれで目覚めることを期待して終了。(管理人ジャッジ8−10)



そして運命の3R目。やっとエンジンのかかったおーどりーさん。これまで手数で負けていた感があったのですが、ここに来てやっと押し込むシーンが出る。が、ここで問題が。。。おーどりーさん得意の首相撲からの膝がルールによって使えないのだ。繰り出そうとするとすぐ制止される。前回はバックブローが使えずに苦戦したのだが、今回は膝。全くどうしてそんなルールなの?そして運命の瞬間が訪れる。ロープ際まで押し込まれた時、何とカリオピのSTO(柔道で言う大外刈り)が炸裂。ものすごい音とともにおーどりーさんは頭を打ち付けられる。マジでKOモノの技でした。。。見事に気を失う。当然これは反則技。管理人大ブーイング。って言うか大丈夫?って感じ。おそらく本日の大会で一番痛い技はこれ。イエローカードが出される。そして1分間の休養。でもこの休養はカリオピに有利なだけ。相手疲れてましたからね。。。でもっておまけにこのイエローカードの扱いが微妙で、減点なのか何なのか説明なし。当然視線が定まらないおーどりーさん、それでも本能からか前に進んでいく。そうして3R目も終わり。(管理人ジャッジ10−9)


(カリオピ必殺のSTO炸裂直後。焦点が定まらない。。。)


(とそのままふらつきながらコーナーへ)


(1分間の休憩。大ダメージが体からにじみ出る。。。)

さて4Rに入って相手の右ストレートとおーどりーさんの左フックが差し合う。開始後しばらくは左の方が近いせいかおーどりーさんのパンチの方が当たる。そしてそのパンチは確実に効いている。お、いけるぞ、と思ったが、何かおかしい。そう、おーどりーさん、右のパンチがほとんどない。ほとんど合わせるだけ。これはケガしたか?と思ったのだが、実はケガしたのではなく、ケガしていたらしい。右腕肉離れ。。。こないだは足の骨。今度は肉離れ。たまにはケガなしでやってくれ〜。おかげで左手一本なのね。な訳で時間とともにスピードの落ちるおーどりーさん。だんだん相手のパンチが先に当たり始める。本人曰く、相手のパンチは派手で見た目ほど効いてない、とのことでしたが、残念なことにその見た目が判定につながるのだよねえ。。。結局ダメージ自体は五分、もしくは相手の方が多いかもなのだけど、ヤッパリ見た目がなあ。そんなこんなでラウンド終了。(管理人ジャッジ9−10)
そうそう見てください、今回のコスチューム。黒で統一したかっこいいやつ。会場からもそういう声が聞こえてましたよ。



そうそう最終ラウンドを書く前に書き忘れていたことが。。。そう、4ラウンド目で実はおーどりーさん、ダウンと取られてもおかしくない倒れ方したんですよね。で、それはスリップ扱い。本人も「あれはダウンだった」と言ってました。なので、管理人ジャッジも9-10に書き直しておきました。あ〜、ますます差が離れていく。。。

最終ラウンドに入り、さすがにお互い疲れている模様。にしてもよくまあ立ってられます、おーどりーさん。おそらくあんまり覚えてないでしょうね、試合。とにかく頭のダメージと右腕が使えないこと、そして膝が使えないことこれでバランスがおかしくなってたのは事実です。試合後カピオリも言ってましたが、バッグブローが一番有効だったようです。でもまあ一番の得意技は膝ですからねえ。それをルール上使えなくした(これはこのイベントのルール)段階で苦しいわけですが。。。結局第5Rは追いすがろうとするおーどりーさんを迎え撃つ様な感じで構えているカピオリとの間で刻一刻と時間が過ぎて終わってしまいました。(管理人ジャッジ10−10)


(パンチのスピードが落ちてカウンターを当てられる)

そして判定へ。判定的には完敗でした。(48-49,46-49,46-50)という結果。管理人ジャッジは46−49でした。。。判定がどうこうと言うよりも、まあもうルールの問題の方がつらかったかな。とはいうもののカピオリは強いっす。間違いなくこの日一番強かった。あの反則がなければどうなったかというのはタラレバですが(故意の反則だってアナウンスですからね<しかも致命傷)、もっと拮抗したでしょう。管理人的にはムエタイルールでの決着希望だったんですが。。。前回も今回も相手に有利なルール、やっぱりフリーはきついっす。本人ももうこのルールではやらん!!!と怒っておりました。

そんなわけで残念ながら負けてしまったおーどりーさんですが、まだまだ引退はしないようです。負けて引退というのはプランにないそうな。とは言っても今年いっぱいなのは間違いない様子。果たして誰がその餌食になるのか、かなり見物であります。


(試合後にダンナさんと2ショット)

が、それにしても正直1ラウンド2分ってのは短いですね。オープニングの試合ならともかく、このレベルだとちょっともったいない気がします。結局この日のイベント全試合が判定で終わったわけですが、時間が足りなかった試合がいくつかありましたしね。まあ、こればっかりはどうなのか分かりませんが、少なくとも後半だれたという声を結構耳にしました。なおこの日の模様はスポーツナビの方でも詳しく載ってましたので、そちらも参照してくださいませ。

試合後、我々おーどりー応援団は本人たちをのぞき浜松町で打ち上げ。最初は暗かった我々もお酒が入って上機嫌で帰りました。が、そこでも事件発生。エバンさんの愛娘のヒジが脱臼(全治一日)してしまったり、マッピーは足をねんざ(全治6週間)しました。みんな病院送りです。。。そして当の本人であるおーどりーさんは腕が全治3週間、そして今日は朝からCT撮りに行ってます。ホントただではすまない極タイ軍団ですね、全く。。。

今回の写真はクンターさんからの提供です。ありがとうございました。