デビュー戦!
第一試合が終わり選手がリングから降りてきます。
息を切らして汗だく。頭からつま先まで水をかぶったようです。
私も数分後ああゆうふうになっているのね・・・。
「はあああ〜ふううううう〜〜〜」
何度深呼吸しても胸のどきどきはおさまりません。
青コーナーの対戦相手の名前がコールされリングに上がっていきます。
「一生に一度のデビュー戦だ。楽しんで来い!」
セコンドの誰かが言いました。
そうだ、一生に一度なんだ。楽しもう!
私の名前がコールされリングにむかいます。
階段の前でもう一度深呼吸。
緊張でヒザががくがく言って階段でこけそうです。
ロープをくぐっていざリングへ。
とたんに緊張がとけました。今までの緊張はどこへ?!
目はランラン、体は軽く、今すぐにでも殴らせろってな感じです。
リング中央で相手と対面し、コーナーに戻りマウスピースを入れてもらいます。
「いいか?!相手より先に強いの当てろ!」
セコンドのアドバイスにうなずき相手を睨みます。
カーン!
ゴングです!
予想通り相手の一発めは前蹴りでした。
私の前へ前へでるスタイルを見越して立ててきた作戦でしょう。
こちらはそうゆう作戦でくることを予測した上での自分のスタイルを貫き通す作戦です(笑)。
前蹴りをはじき返し、ワンツー、左ミドル、ジャブ、右ミドル、終わらないコンビネーションで相手をロープにつめて首をとり膝蹴り、そして投げへ。
シュートポイントこそ取れませんでしたが何度か首投げ、小内刈りなどで優勢に試合をすすめていたつもりです。
ただ1Rは4分。休みなしに打ち合ってもつれ合って、息があがってしまいました。
せっかく相手をロープにつめてパンチの連打をしていても胸が苦しく腕が重く、効かせるパンチは打ててはいませんでした。
きついっ!これがプロのリングなのかっ。
首をとり膝蹴りの体制になってもいい位置までひざが上がらなくなってきました。
カーン!1R終了です。
コーナーに戻っていきいすに座ります。
セコンドには着いてもらっていない村浜くんがリングに登ってきてアドバイスをくれます。
「パンチいいですよ!連打連打で!!会長もそう言ってます!パンチとヒザです!」
わかったよ〜〜けどスタミナもつかなあ。。。パンチ連打ね。。。
2R。このラウンドは3分です。
パンチパンチ、ヒザ。相手は主に蹴りで応戦です。
それでも相手のパンチをもらうことが多くなってきました。
パンチをもらったらひるまずにつかまえてヒザヒザ。
最後は乱打戦。キックパンチパンチ、へたくそなパンチでも出し続け朦朧とするくらいのスタミナ切れの状態の中終了のゴングが鳴ったのでした。
1Rと2Rの判定で決着がつけば良いのですがもしもドローだった場合は2分の延長戦になります。延長になったら絶対に動けないぞ〜〜〜。
祈るような気持ちで判定結果を待っていました。
「〜以上3−0の結果をもちまして赤コーナーつのだのりこ戦手の判定勝ちです」
リングアナのお言葉。
ああああ〜やったあ♪勝ったあ!
おとーさんおかーさんみてるうううう???とリングの上から手をふってしまいました。
うふふん♪うれしいん♪
リング上でファイティングポーズをとりカメラマンに写真を撮ってもらいます。
やってみたかったんだ♪
きつ〜い練習も減量もこの時のためにあったのね、という感じです!
四方に礼をして相手セコンド方に挨拶をしに行きリングを降ります。
長かったような、あっという間のようなリングの上での時間。
なんだか夢をみているようでした。でもきつかったあ。。。
これからどんな辛いことがあっても今日のことを思い出せば耐えられる、と思いました(大げさ?!)。
この日のメインは吉鷹弘VS阿部健一(二人とも今は引退)。
大盛り上がりの大盛況で幕を閉じました(吉鷹さんの判定勝ち)。
管理人から
まずはプロデビュー戦の勝利おめでとうございます。この文面からもどれだけうれしいかが伝わってきますねえ。にしても、あれだけ緊張していたのに、リングに上がったら緊張が解けるなんて、おーどりーさん、あんたは本物だよ。。。7分間の試合になったわけですが、人生で最も長い7分間だったんでしょうね、この時は。。。今なら何分全力で動けます???