タイ人の名前
タイ人は普通生まれながらにして「あだ名」を持ってます。
私が後期妊婦の時、まだ生まれてないのに「男の子?女の子?名前は?」と良く聞かれました。タイでは生まれる前にあだ名が決まってるそうです。
それと別に本名は生まれた日や曜日から姓名判断で付けるのが普通らしいのです。重要なのは主に曜日で、タイでは曜日占い主流らしく、この曜日に生まれたらこの字を使うとかこの字を使ってはダメだとかの決まりが有ります。
不思議な事に名前は後から自由に変える事が出来ます。
お坊さんや占い師に占ってもらった結果「このままでは良くないから名前を変えなさい」と言われると、簡単な手続きですぐに新しい名前を登録出来るそうです。名字もしかり。
そしてあだ名は何の為にあるかと言えば、タイ人の名前(本名)は長くて呼びにくいし、覚えにくいと言うので適当にあだ名を付けた。と言うのが一般的な意見ですが、本当の理由は違うらしいのです。
アフリカのある種族は本名を知られると悪い精霊に支配されると信じて一生本名を隠すそうです。タイでも似たような理由です。
平たく言えば「おばけが怖いから」。
昔タイでは今よりもピー(精霊)の存在が信じられてて、子供にいい名前を付けると悪いピーに目を付けられて連れ去られてしまうと信じてたそうです。
だから本名とは別にあだ名を付けて2歳を過ぎるまでは本名を口にしなかったと。
いい意味の名前ほどピーに目を付けられ易いのであだ名はわざと良くない意味か、意味の無いものを付ける習慣だったらしい。子を思う親心という訳です。
どおりで、と言うかタイ人のあだ名って失礼だけど変な意味なのが多いです。
カエルとか、ねずみ、トリといった動物系や、赤、緑の色をそのままあだ名にしたり。いずれにしても「おばけがさらって行きたい」と思わせる名前じゃないです。
この習慣はタイ人でもあまり知らないらしく、私はたまたま読んだ本で知りました。
今では習慣も薄れて、単に呼びやすくする為だけにあだ名を付けてるみたいです。
外来の名前も多いのですが発音はタイ語的。すぐに短縮したがるので何の意味があるのか分かりにくい時が多いので惑わされます。
例えば「ナンシー」とファラン的にあだ名を付けてもタイ語的に発音すると「ネーンシー」、その内省略されて「ネーン」と言う風に。。。
所で、私の知ってるタイ人にレックとかノイと言うあだ名の人が何人かいます。どちらも小さいとか少ないと言う意味、日本語で言えば「チビ」みたいな意味になりますが、そういう意味のあだ名の人物に限って大柄なのです。
何故かはわかりませんが。。。。
今では日本の子供もかなり独創的な名前が多くて、どう読んでいいのか分からない名前も増えてきてます。
時代の流れなのでしょう。
逆に今、明治時代みたいに「ツル」とか「カメ」なんて名前は無いですから。。。しかもそれってあだ名じゃなしに本名なんですよねぇ。
管理人から
タイ人のあだ名と本名。それだけで一冊の本が出来そうなくらいのネタ。だいたい友達でも本名を知っている人はほとんどいない。名前は長い上に名字はほぼ一族同士でしか使ってないので、恐ろしい数がある。日本のスズキさんのように普遍的な名字がないんですよね。だから名字を聞くとだいたいどの程度の家格の人かわかるんだそうだ。で、あだ名の元々の由来、これは知りませんでした。タイは仏教国とよく言われますが(この際イスラムはちょっと置いておいて)、仏教と同じくらい精霊信仰があります。で、これが実は日本人にとっていいんじゃないかなって思うのですね。と言うのも日本人って仏教と神道がごっちゃになっている人多いじゃないですか。神道は比較的精霊信仰に近いですし、そういう持っている信仰(考え方)の環境が似ているのはほっとしますしね。とは言ってもその辺のデリカシーのない国なので、ちょっと太っている日本人女性(そりゃタイ人と比べたらほとんど太ってると言われちゃいますよね)に向かって、「ムー(ブタ)」とか「チャーン(グ)(ゾウ)」って呼ぶのはちょっといただけないですよね、やっぱり。