タイのテレビ番組のマナー
数日前、テレビを見ていたときに、たまたま外国のニュース番組を見ることが出来ました。
そのときMCは来客のチベットのお坊さんをインタビューしていました。インタビューの内容を聞こうとしたとき、二人の座り方の違いに気がつきました。MCは右足を左膝の上にかけて右足の靴の裏がちょうど視聴者の方に向いていました。そしてお坊さんも軽く足を組んで右腕をいすの肘掛けの部分に乗せていました。私はこれを見て一瞬止まってしまいました。なぜならタイでのニュース番組だったらこんな風景は絶対出てこないからです。必ず試聴者がすぐに文句をつけてくるからです。(タイでは人に足の裏を見せてはいけませんし、お坊さんが人前で足を組んで座ることもありません)
特に最近テレビ番組のマナーについて視聴者からの反応が厳しくなっています。
MCの礼儀が悪かったり、話題内容がわいせつであったり、暴力的であったり、不適当なことだったりすると、視聴者が文句をつけてきます。
例えば、ある番組は芸能界のニュースや活動などをリポートしているのですが、MCはリポートするとき、いろんな格好をしました。柱の後ろから歩いてきたり、ソファーで横になったり、机の上のよじ登ったり、壁や柱でポーズをとったりしました。そしてその番組を初めてやったとき、試聴者から文句の手紙や電話がたくさんあったそうです。
その文句とは、番組自体とMCが試聴者のことを尊重しないと言うことや、MCの態度が不適当なことや、MCは手を合わせずに挨拶していたことなどでした。
ニュース番組だけでなく、ドラマでもラブシーンが多すぎたり、人がたばこを吸っているシーンを出したりすると文句をつけられます。そうするとラブシーンを禁止されたりたばこを吸っているときの映像はたばこの部分だけぼんやりさせたりします。
試聴者は文句をつけた理由についてこう言ってました。
「ここはタイ王国で良い文化を持ってます。公衆の面前では態度と言葉のことを気をつけなければなりません。テレビは公衆の大きなマスメディアの一つとなるので、テレビに出てくる映像などは、欧米文化のまねをしないでタイ文化のことを考えなくてはいけません」
と言うことでした。私はこの意見に一応賛成します。ただ、マスメディアはそれなりに世界の進歩と流行に従って進んで行かなくてはいけません。本当はすべてのことは試聴者の受け取り方次第だと思います。
もし出来れば、私はタイ人に日本の「はっぱ隊」の曲の映像を見せてみたいと思います。間違いなくそのときは、電話線が燃えるほど電話がかかるでしょう…。
管理人から
うーん、日本のバラエティ番組はほとんど全滅ですねえ。日本でも子供に見せたくない番組とか昔っからありますが、ドリフターズやとんねるず、ダウンタウンなどはタイで見ることは出来ないでしょうねえ。でも逆にタイのコメディ番組は日本で放送できないんですよね。話していることが、思いっきり日本の規制に引っかかるからです。差別用語だらけですから。それにしても「はっぱ隊」ダメなんですかね、ここでは。別に裸じゃないですからねえ。でもやっぱりタイ人に言わせるとものすごい勢いで「ダメ」と言われるんですよね。ホントは好きみたいですけど…。(左の写真が『はっぱ隊』です。)