タイの真実 PART2(031107)

 タイ移住者、留学生、現地採用者、駐在員、自営業者、年金受給者、毎年多くの日本人がタイにやってきてタイで生活を送っています。また日本に住みながら定期的(1年に5〜6回ほど)に訪タイし1〜2週間ほど滞在し帰って行く人もいます。私の昔の知り合いの中にはタイに関連するHPを持ち日本に住みながらこちらの女子大生と遊ぶためだけに毎年6回以上は訪タイし滞在期間中毎日のようにバー、クラブ、ディスコを回ってひたすら女子大生を口説いている人もいました。30代の方でしたがそのパワーには畏怖するものがありました。また愛人に合うために定期的に訪タイしている人もいました。
 タイの文化が好きとか、タイの自然が好きとかそういう理由で定期的に訪タイしている人にはほとんど会った事がありません。
 やはり定期的にタイを訪れる方は何かしらの男女関係があって訪タイしておりこれがまさしく「タイにはまったパターン」でもあります。話をタイ移住者に戻しますが日本人のタイ移住者数は年々増加しているという事です。現在というかかなり前から日本人高齢者(主に年金受給者)をターゲットとしてタイ政府も盛んにタイが住み易い事や定年後の移住先として理想的な場所である事をアピールしています。年金ビザといわれる1年ビザもできました。
 では何故こんなにタイに移住してくる人、訪れる人が多いのでしょうか?
 いったい何処にタイの魅力があるのでしょうか?

 タイは住みやすいのか?食べ物から考えるとカオマンガイ(鶏肉ご飯スープ付)60円、バミーナーム(日本でいうラーメン)60円ととても安くまた果物もとても安くて種類も豊富であり食べる事に関しては不自由はしません。食べ物が豊富で安価なため働かなくても何故か食べていけてしまうという日本では考えられない現象が起きます。
 住居はどうでしょうか?家賃はピンからキリまで様々で一概には言えませんが、東京で10万円のマンションに住んでいた人はこちらでは2万円で同レベル以上のマンションにすむことが出来ます。日本では考えられない安い家賃で快適な生活を送る事ができます。
 タイ人の国民性はどうでしょうか?タイ人の国民性として日本とは大きく違い外人を受け入れてくれる風土があり、外人がタイ社会にとても溶け込みやすいという現象を生んでいます。またなあなあなでアバウトなところから、日本とは違い毎日の生活が楽でいいなと感じるところがあります。
 夜遊びはどうでしょうか?バー、クラブ、ディスコ、カラオケ...などどの年代の方でも気軽に遊びにいける場所がありまた男性にとっては女性との出会いに関しては日本以上に機会があります。高齢者が20代に戻ったかのように恋愛を楽しめてしまう空間が存在します。また最近は女性のための夜の遊び場も増えてきているという事です。
 タイの商品はどうでしょうか?CDがとても安く、また衣類も安いです。コピーものが氾濫していますが、コピー商品以外のものも日本に比べてはるかに価格は安価です。
 こうしてみると、衣、食、住、遊、すべてにおいてタイはいい国に見えます................とても住みやすくいい国に見えます..............
 しかしこれは錯覚だと私は思います。タイに初めて訪れた方は皆このように錯覚します。この錯覚を錯覚と気づいた時に初めてこれはタイのみせかけであり本当のタイは違う顔を持っている事がわかってきます。

 では本当のタイとはどういう顔をもってるのでしょうか?今回は地球の歩き方などにはまず載ってないタイの別の顔について説明します。
 まずタイ移住者にとってタイの法律がどのような法律であるかという事を知っておく事は必須です。私は法学部卒ですが誰もがタイに住むならタイの法律に目を通すぐらいは必要でしょう。 シンプルかつ要点だけを並べますとこのような感じになります。

1 土地を購入できない 
2 家を購入できない 
3 会社を所有できない
4 日本人(外人)は裁判で負ける 

 要は「家も土地も購入することができず、且つ経済的基盤である会社のオーナーになることもできず、タイ人と裁判で戦うと負ける確率が非常に高い」という事です。衣食住遊で優れている国でありますが、上記の1〜4の条件がセットとしてついてくるというおまけがあるのです。もし衣食住遊に優れていて上の4つの条件があるタイ県というところが日本にあったとします。
 誰が住むのでしょうか?冷静に考えると住みたいとは思わないのではないでしょう。
 例えば、トンローにある美容院、スクンビットにある日本式マッサージ店、同じくスクンビットにある日本食店、日系企業の現地子会社................日本人が経営していますが、オーナーはタイ人です。タイには外国人は会社の49%までの株式までしか所有できない、つまり会社のオーナーにはなれないというとんでもない法律があります。極論ですが、これらのお店や会社が儲かっているとしてあるタイ人投資家がお金を使って実質所有者のタイ人の株式を取得すれば簡単に乗っ取ることが可能です。そうならないように日系企業では名義人(実質のオーナー)を選択して契約書なども交わしたりダミー会社を間にいれたりしてそれなりの防御策をとっていますがそれでも完璧ではありません。また個人商店ではそこまでやっているひとはあまりいなく、せいぜい自分の奥さん、身内のタイ人などを名義人としているところがほとんどです。この方法も身内が裏切ればそれでおしまいです。身内がいないところはまったくしらないタイ人に名義人として名前を借りているだけのところもあります。努力して会社やお店を育てても実質のオーナーであるタイ人(名義人)ともめれば会社を持ってかれます。というかオーナーはタイ人(名義人)なので元々出資者ではなくてもタイ人がオーナーなのです。昔は外国人が社長になってサインすることすらできませんでした。タイ人による外国人への詐欺を誘発しているおかしな法律ですが今だ改正の動きはありません。
 次に土地や家を購入できないという事ですが、実際に買っている人はいます。もちろんタイ人の名義で購入です。タイ人の奥さん、旦那さんなどの名義で購入しますがお金は大抵は日本人が払います。土地を買いました、家を買いました、ついでに車も買いました、若い奥さんももらい結婚してタイでの幸せな生活が始まる......バンコク以外でもチェンマイなどにこういう日本人の方は多いです。若い奥さんの心変わりにより全部財産を持っていかれ(というかタイ人の名義なので元々タイ人所有)自殺したなんて話も聞こえてきます。日本で自分のお金で土地や家を購入するときに自分の名前以外で買う人はあまりいないんじゃないでしょうか。また奥さんの名義であっても離婚の場合は裁判で財産分与などの話が出てきます。
 ここで4番の条件です。タイでは裁判では外人は負ける。もっというと貧乏人は裁判でお金持ちに勝てない。というタイのおもいっきり偏った司法制度があります。もちろんどこの国でも外国人は裁判では不利ですが、タイでは不利というレベルではなくまず負けます。もちろんまれに勝つこともありますが、それは裁判官がこちら側についたほうが有利(美味しい)と判断した場合によります。タクシン首相が「タイの司法制度はまだカバーできていない部分がたくさんある」といいましたがまさしくそのとうりです。外人にとっては司法制度はないと考えたほうがいいでしょう。(極論ですが)

さて上記では述べませんでしたが実はひとつ隠れた法律が存在します。

5 不敬罪という法律

 上記の4つの中にはあえていれず独立させましたが、これもかなりやっかいな法律です。もちろん日本にはこのような法律はありません。どういう法律かというと表面的には「王様、王族を敬い敬わない行為をしたものは罰する」というものです。お札を踏んだりしたら不敬罪です。そしてもっと簡単に要約すると「王様、王族の悪口をいってはいけない」という事にもなります。現在のタイの王様は非常に国民から好かれており、私も大好きです。タイ人日本人とわず、現在の王様に関して皆が好意的です。タイの映画館に行ったことのある方ならわかると思いますが、上映前に必ずタイの国家が流れタイ人はみな規律をしてスクリーンの王様の映像を見ることになります。映像は様々ですが、王様が田舎にいったり様々な行いをしている画像が流れます。誰もがタイの王様を敬うことが出来る立派な映像です。ふと考えてみると日本の隣国北朝鮮では金正日の悪口をいう事はできず、また金正日の映像などもながれており、さらに子供のころから教科書を使い洗脳してしまうのだそうです。これは北朝鮮の話ですが、誰もが金正日が悪いと思っても怖くて何もいえないのです。独裁国家ではよくみられる現象です。
 さてここで少し話がそれますが、タイにはタクシンさんという非常に強力なリーダーシップをもった首相がいます。タイで一番のお金持ちであり、また現在一番力をもっている政治家と言われております。このタクシンさんですが私は大好きです。もちろん清廉潔白という政治家ではないですが、とにかく政治家としてのビジョンをもって動いているからです。これは私の考えですが、命を狙われながらも麻薬撲滅戦争や大物殲滅行動など昔から力をもったマフィアを一掃する政策をとり警察トップや軍部高官に自分の側近を配置してもっというとマフィアにも自分の側近を配置しているでしょう。ますます力をつけているのは将来この国を大きく変えようと思っているからではないでしょうか。タクシン首相とチャワリット副首相がタッグを組んで重要ポストや軍部を押さえ今後10年以内におきるタイの大転換期に対抗できるように大きな力を蓄えているようにも感じます。タクシン首相が目指している国づくりは一部の権力者から到底受け入れられないものなので。
 
 と脱線から戻りますがタイではこの5つを代表するように外人には厳しい法律が制定されています。そしてこのような法律があるだけでも暮らしていくのには不安ですが、医療という問題も高齢者の方には深刻な問題となります。タイは救急システムが日本に比べて非常に遅れています。例えば高齢者の方が具合が悪くない倒れたときにそのままほうっておかれる事もあります。救急車を呼ぶという救急システムはありません。民間のサービスが病院まで運んでいます。また親切な人が病院まで運んでくれるかもしれませんが、日本とはかけ離れたサービスです。さらに緊急手術などを受けた場合に100万円以上の治療費を請求されることもあり治療費で莫大な出費がかかることになります。日本に住んでいるように健康保険システムの恩恵をうけられないからです。個人で保険に入ったとしてもすべて保険でまかなえるかどうかはわかりません。
 また少し前に警察の汚職に関してのニュースが頻繁に取り上げられましたが、本来一般市民を守るべきタイの警察はその職務を果たしていません。警察官の給与は実際に生活できないほど安くそのため誰もが大小とわず汚職に走ります。一般人からの小遣い稼ぎ、風俗関連業者からの賄賂、カラオケ店の用心棒代、日本ではヤクザがやる仕事をこちらでは警察が当たり前のようにやります。揉め事がどこかで起きたときにそれに首をつっこみ解決せずお金をとっていきます。中には非常に真面目に頑張っている方もいることも否定しませんが、残念ながら一般市民の安全を守る警察官という方は非常に少ないのが現状です。

 さてここまで語ってきましたがもちろんタイに住むのもすまないのも個人の自由です。誰もが自分の事は自分で決めます。ただこのような事があると言うことを知っているだけでも少しはタイでの生活に役立ちます。ここには書いていませんが、タイはもっともっと違う顔を持っています。それは皆さん自身が生活するうえで探していってください。
 私はやはりタイは短期で住むのには適しているけど一生すむにはちょっと..というふうに感じますね。                   

 管理人から
 まあ、こういう面もタイにはあります。皆それぞれ自衛策を施しながら生きていくのです。家、土地は買えないけど、コンドミニアムは買えるとか、病院に近い所に住むとか。。。それはさておいても、ヤッパリタイは働かなければ良い所だなあ、と言うのが実感です。金銭がらみ、これが一番人を変えます。どういう形でタイが好きになるのであれ、海外に住む、と言うことは簡単なことではない、と言うことを伝えたいのでしょう、ゆっきーは。なんだかんだ言っても、出来ればタイで暮らしたいわけですから…。