パタヤの仮面ライダーの巻

恐怖の冷凍バスから解放され、またひとつサバイバー的に一皮むけた俺様に…あ、そういやサバイバーってバンドいたな。なんだっけ。あの、ロッキーかなんかの主題歌かなんか唄ってたダサイバンド。彼らは果たして今でもやってるのであろうか。
はは。というか、続きであるが、一皮むけた俺様に…むけたむけたって言うのもなんか俺様的にはホントはまだカセイと言うか、もうこの時点でムケテナイというのは一生このままではないのかという説もあり、ハイうそついてましたゴメンナサイなのであるが、イヤ、もうホントほっといてくれ!
そういうわけでなんか無性に腹が立つので端的に書くとバスを降りたのであった。

降りるとすぐにビーチロードとかなんじゃらかんじゃら行きと書いた看板があるではないか。その横には昔の難民収容センターの護送車みたいな乗り合いバスが止まっておる。よしよし、なんか冷凍バスのおかげで手足がジンジンしておるがとりあえずビーチロードつーとこまで行ってみるが吉か。南国の生ぬるくてべたべたしたまったくさわやかじゃない潮風と、絶対この国車検ないよなみたいなボロ車から出る排気ガスに頬をなでられつつビーチへと向かったのであった。ビーチ周辺にはオープンと言えば聞こえはいいがまあいわゆるほったて小屋というか非常に適当な建物の中にカウンターや椅子をならべたバーが軒を連ねておる。

喉も渇いてきたことでもあるし、さっさと安ホテルにでもチェックインしてビールでも飲むかぁ。ホントはこの場で飲みたいところであるが、やはり宿が決まらないとねえ。いわゆる堅実とか質実剛健とか質素倹約とかイロイロあるけどまあなんかそこらへんをモットーとする俺様としてはここはいっちょ我慢我慢。ということでそこのオバチャンクロスターくれ。なんというか熟考した末やはり本能に逆らうのは種の保存と言う意味であんまよくないのではないか、という結論に達し、俺様はまだ日も高いうちからビールを飲みだしたのであった。

しかしここまで来る間、おねーちゃんというかそんな感じの生物がいっぱいいたけど、かわいいとはお世辞にも言えないのであるが。レディきれいきれいのパタヤではなかったのか。俺様としてはなんか納得いかん
し、断固として異議を唱えたいのであるが、まわりは白人のじいちゃんだらけだし、他はなんかジャングルの奥地で吹き矢吹いてそうな生物ばっかなので、手を上げて発表するわけにもいかぬ。
カウンターの奥のほうでは白人のおっさんと土着生物(分類メス)がダーツやっておってしかも異常にうまい。もちろん土着生物が。これで餌をとっているのではないか。こんな状態でここはホントにタイで、アマゾンじゃありませんよねなどと言ったら食われる恐れがあるのではないか。

とりあえずビールうまいし、まあいいか。なんかどうでもよくなってきた感じである。
だんだん、だんだんと陽が傾いていく。パタヤの夕陽である。ああ、なんか海汚いし、変な土着生物いるけど来て良かったかもしれぬ。

ん?なんか俺様の右上腕部にだっこちゃん人形のような得体の知れぬ生物が付着しておるではないか。
アイ・ドリンクってなんか音を発しているが。どうでもいいけどその鼻の穴、垂直に鼻息を噴射するのではないか。その鼻の形状はそういえば高崎山で見たような気がするが、それはそれとしてあんたが飲もうが飲むまいが俺様の知ったこっちゃないのである。そういうわけで俺様は涙ちょちょぎれ気味の高崎山の愛子をふりすててホテルへと向かったのであった。ホテルで一休みしてビーチロードへ出るともうそれはそれはそこいらあたりが一面パッポンではないか。どかどかぼんぼんも聞こえてくるしなんかお祭りみたいで嬉しくなってくる。
ビールでも飲もうと思い適当に店に入ったもシステムはパッポンと同じで、ちょっと値段が安いくらいである。

でもなんかみんなウエスタンブーツ履いてるのであるが、何?テキサススタイル?まあ、どっちゃでもいいけどさっきから横の白人じじいがうるさい。
なんかおねーちゃんに説教たれてる模様である。あーあうざい店に入ったなと思い、それでも気を取り直して飲んでると、いきなりどしゃーんがしゃーんである。
おお!なんかイベント?と思いきやさっきの白人じじいがテーブルひっくり返してるではないか。
むう、それではあれだな。向かいのおねーちゃんが明子姉ちゃん役で後ろで見てるボーイが飛雄馬役であるな。
新手のプレイか。しかし巨人の星プレイとはマニアックである。草葉の陰で梶原一騎大先生も喜んでるのではないか。ここからの展開は、明子姉ちゃんがしくしく泣いて飛雄馬が大リーグ養成ギブスできりきり修行するというパターンか。

しかし予想を裏切り明子姉ちゃん役がすっくと立ち上ったではないか!黒いブーツが凛々しい。むう。これは明子姉ちゃんではないな。またしても新手のプレイである。あなどれん。立ち上がったおねーちゃんの傍に赤いブーツと白いブーツを履いたおねーちゃんがさささと寄ってきたではないか。こ、これは…よーく見ると3人とも真っ黒で目だけは大きくなんかアレみたいである。

アレと言えばアレ、ほら、ブーツの色もね、黒が1号、赤2号、そしてとどめは白のV3と。
白人じじいはまだなんかふぁっくとかびっちとか喚いておる。と、技の1号がいきなりじじいにキーック!
おお!続けて赤ブーツ力の2号キーック!じじいは出口に向かってヨロヨロと逃げ道を求めておる。そしてとどめの白ブーツV3キーック!そうなのである。あのじじいは実はゲルショッカーの構成員だったのである。それにしてはじじいいつまでたっても爆発せんのであるが。

いや、そういうプレイなのかどうかはわからないがとりあえずなんなんだ。その後その3人はステージでなんかせくしーな感じで踊ってみたりしていたが、いや、ほら微笑まれても俺は仮面ライダーにしか見えん!
さらば3人ライダー、これからも平和を守ってくれよ。などとブツブツ言いつつ色んなプレイを見てはしゃぎすぎでへにゃへにゃなパタヤなのであった。