VOL3:水着女の猛攻の巻

 さて、どうしたものかとロダンの考える人のポーズをとってみたりしたが、考えるまでもなくここはタクシーに乗るしかないのであった。パッポンはいかがわしい場所であり、俺様のような好青年には似つかわしくないので、早々に立ち去る事にした。したのであるが、やはりそれはそれこれはこれ、人間何事も経験だというわけで少しだけ飲みに行かねばなるまい。俺は飲み屋へとスキップスキップらんらんらんと重い足取りで向かって行った。

 まあ今日は初日でもあり、疲れてもいるので良く眠れるようにとの見解から軽く飲めそうなところを探すのであるが、怪しそうな店が多くちょっち恐い。これは大きな店の方が良いと思い、キングスなんとかいう名前がやけに多いので、そのうちの一つに入ることにした。入ったのはいいが、店の中では水着を着たぴちぴちギャルがなんだか踊っていなさるのであった。

 彼女たちは何故踊るのか?

 それについては大変興味深いテーマでもあり、じっくりと検討したい気もしたのだが、とりあえず周りではピーピーギャーギャーどかどかボンボンうるさくてかなわず、しかも西洋人がギャルといちゃいちゃぱふぱふしておるではないか!こういう場所に来たかったのではないぞ。まったくもってけしからん。

 よし、ここはばしっと言ってやる。おい、そこのボーイ、ちょっとこっちへ来い!俺の剣幕に恐れをなしたかボーイが急いでやって来た。 そいつを睨み付けながら俺は覚えたてのタイ語で流暢に話した。

「こんにちは。」

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 まあ何はともあれ酒を飲めるのだ。文句を言う筋合いもないし、お姉ちゃんはきれいだし、おっぱいぼよよん腰はキュッだし悪くはないのではないか。けっして何か下心とかスケベ心とかあわよくばお姉ちゃん口説いてうへへへとかそういった理由ではなく、人生の探求という高尚な考えのもとにここで飲むことに決ーめたっと。

 まずはビールであろう。おい、ビール。ボーイがそそくさと運んでくる。ん?頼んだのはビールだけである。お姉ちゃんは注文しておらん。だいたい、値段を知らん。そんな拝まれても困ったものなのである。

 あっ!いきなり膝の上に座るんじゃない!しかも俺の手を引っ張って水着の中にいれようとするのはやめろ。気持ちい・・いや不純ではないか!よし、ここも断固たる態度を示さねばならん。おい、ボーイ、ちょっと来い。いいか、俺はなあ、あっちのお姉ちゃんの方が好みである。

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 いや、それはさておき、タイでは純タイ産のシンハとライセンス生産のクロスターというビールがあって、これが結構いける。どちらかといえばクロスターの方が飲みやすく日本人好みの味で、雰囲気につられてどんどん頼んでしまい、しかも横では水着のお姉ちゃんがやたらいろっぽいので、つい長居をしてしまい、初日からおもいっきり無駄遣いなのであった。