VOL2:タイのバスでなんなんじゃコラァの巻

 とかなんとかやってるうちに飛行機はタイのドンムアン空港に着陸した。到着時刻は現地時間の午後10時半。なんかお店らしきもんもないし、ひっそりしているような気がする。急に不安になって来た。

 なにしろ一人旅だぜ、ハードでボイルドだぜ、ひとりでもさびしくなんかないあいやい(意味不明)なのである。いきなり拉致されてわけのわからん悪者の巣窟とかにつれていかれて、いやあああ、僕うんこほそいんですうううとかなったらどうしようとかいろいろ考えたが、飽きたのでやめた。
 パスポートコントロールを無事通過して、ロビーにでた。出たのはいいが、どこになにがあるのかさっぱりアイドンノー状態である。わからん。わからんぞおおおと叫びながら夕陽に向かって走りたくなったが、夕陽なんて出ていなかったのであった。

 なんとかバス乗り場を見つけ、市街地方面に向かう事にした。今日はおとなしくホテルにいる事にしようと思い、バスに乗り込む際に運転手に目的の場所を教えておいた。念のため、近くのおばはんにも場所を伝え、一安心なのであった。40分程バスに揺られ、運転手やおばばがここだここだと言うので、降りてみるとそこは雪国だったとかくだらない事を書こうかと思ったが面白くないので自制しておく。

 バンコクの中心地らしくさすがにキンキンキラキラのネオンが光っている。ホテルまでの場所を聞かねばならぬ。ならぬならぬ、それはならぬ!とか時代劇ごっこをやっている場合ではなく、通り掛かりのお姉ちゃんに聞く事にした。まずはこの場所の確認である。タイのバス停には日本のように名前などないから、ここがどこかを確認する必要がある。まあ、俺様の場合、事前にバスの運転手に伝えるなどしておいたから心配はないのだが。

「パッポン」

は?

「パッポン」

 パッポン?俺が行きたいのはプラトゥナムという場所であってパッポンではなああい!いや、厳密に言えばパッポンとかそういう場所に来たかったのはやまやまなのであるが、明日及び滞在期間のすべての楽しみにとっておいて、今日くらいはさわやかにホテルライフを満喫しようと思っていたのだ。ウソだけど。

「ここからプラトゥナムまではタクシーで10分くらいよ」

と言い残しお姉ちゃんはさっさと行ってしまった。薄情者め。こういう時はなんなら私が案内しましょうかと
かついでに私も泊まっちゃおうかなそれにいちゃいちゃぱふぱふしてもいいわよ、くらい言うのが人の道というものであり、次回までに性根を入れ替えて出直せえええいっ!と叫ぼうとしたが言葉がわからなかったのであった。