VOL1:タイ航空はなかなかよいの巻

 待合室ではすでにリゾート気分のぴちぴちギャル(死語)が楽しそうに談笑していた。
その声を横で聞きながら、俺様はひとりでビールを飲んでいた。
背中にさりげなく漂う、一人旅だぞハードでボイルドだぞ一人でもさびしくなんかないあいやい(意味不明)という雰囲気を感じたのか、免税店のお姉ちゃんがそばにやってきた。ふふふ、旅に出る前から一人の女のハートをキャッチあんどゲット(意味なし)とは俺も罪つくりな奴だぜとか思いながら斜め45度の角度で振り向いた俺に、女は目をつり上げて言い放った。

「申し訳ございませんが、そこに立っていらっしゃると他のお客様のお買い物の邪魔です!!」

 多分照れているのだろうが、可愛いやつだ。まあしかし俺はこれからちょいとばかり海外に所用があるのだから、君にかまっていちゃいちゃしたりぱふぱふしたりする暇はないのだ。名残惜しいがおさらば!というわけで俺はハートブレイクな女を後に搭乗口へと向かったのであった。

 飛行機は想像したより新しく、割と値段が高いだけはある。タイ航空だけあってタイ人のスッチーが主で、離陸後に少し話しかけられたりしたのだがさっぱり意味不明で、きょとんとしていたら隣の親父に話し掛け、なにやら会話をはじめた。おお、お前はタイ語をはなせるのかハゲ!たとえハゲといえどもちょっと尊敬するぞ、とか思ってたらよく聞くと英語であった。

 さて、今回の旅行の目的は?と聞かれると、まあ人生を考えるということであって、海外でいろんな国のお姉ちゃんを口説いてみようだとか、タイは買春ツアーで有名だから俺も俺もとか、とりあえず日本人としか経験がないのであるが、よその国のお姉ちゃんはどうだろうとかそんな事は全く、いや全く考えていないのである。そう、人生とはまるで流れる河のごとく・・・・おえええ。

 ワインの飲みすぎで気分が悪いのであった。