厳しいな〜

 皆さん御存知のとおり、私は今年の4月から現在の会社で働いている。
 入社についての経緯は、私のコラムの始め頃に長々と書いてあるのは覚えていらっしゃるだろう。

 入社前は就職支援会社のコンサルタントにいろいろな相談をしていて、運良く今の会社の総務部長とそのコンサルタントが前に同じ企業で仲間であったという事から私の紹介となった。
 そして、私がタイで仕事をするという事は当然その就職支援会社のデーターに登録されたはずである。

 私が入社して4ヶ月目位であっただろうか、社長から、
「皆さん、実はまた新しい人材がタイにやって来ます」
と言う発表があった。年齢は私より数歳年上であり、やはり早期退職後の再就職をタイでとの事であったらしい。

 8月半ばその方が挨拶と職場見学を兼ねて渡タイして来た。
 しかし、その方を見た瞬間私としては何ともいえない不安がよぎってしまった。
 前職退社前は数年間タイで仕事をして営業部長までやっていたと言う人らしいのだが。(それも結構有名な企業で)
 年齢は実際より10歳位年をとって見えた。
 老けているというのではなく、病み上がりの様に感じたのである。
(外見での判断は良くない事だがこの会社では厳しいのではと感じてしまった) 
 私もこちらに来て最初に社長から激をとばされたが、何しろ健康で休みがなくいつ何時でも働けるようにと言われたのを思い出した。
 まずは健康第一なのである。

 そしてその方は10月半ばから仕事に就いた。
 その方から聞いた話だが、私と同じ就職支援会社に世話になっていたそうだ。
 先程書いたが、データーに登録されている私がタイで何とかやっているので就職支援会社としてはもう一人という気持ちで総務部長に紹介したのかも知れない。
 逆に会社としても、もう一人何とか欲しいという考えがあったので渡りに船状態ですぐに決めてしまったようである。
 その方も入社の時に「なんでもやります」と言ったらしいがその言葉は非常に難しいものでもある。しかし、再就職をする時には誰でも言ってしまう言葉である。
 
 今思えば、その難しい言葉を私も発していたかもしれない。

 しかし仕事に就いてすぐ、それ以前の問題が出て来てしまったのである。
 先程書いた私のその方に対する第一印象は、会社の他の人も皆感じていたのである。
 容姿や食事の仕方、話し方、人との接し方全てが、社長・工場長の意に反した方だったのである。
 しかし、一番はやはり健康面に問題がありそうだと言う事であった。

 それは、その方が入社して1ヵ月目に来た。
 最悪の事態 《採用取消》 である。

 その方にとっては、早期退職より厳しい裁定ではなかったか。
 会社としても、渡タイまでの諸費用は結構な額だったと思う。
 実際、互いがマイナスになってしまう事は解っていたのだから面接の時にもう少しきちんと確認していなければならない事であったはずだと感じた。
 総務部の失敗も相当な割合と思われる。
 今後の教訓になっただろうか?

 海外で働く以上、まずはやはり健康が第一になるだろう。
 また、いくら希望の国だからと言って自分を過大評価しての再就職は結局マイナスになりかねないのである。今までの自分は全て捨ててやっていかなければならない。
 今の自分がそうであり、それが出来る様に努力を重ねている毎日である。

 管理人から
 何をする上でも健康が一番、その上で能力ややる気の問題が出てくるのは、タイに限った事ではないと思います。競走馬ではないですが、「無事これ名馬」というのは本質を突いてますよね。さらにタイではあまりプライドを強く見せない方がいいケースも多い。「郷に入りては郷に従え」の例をみるまでもなく、自分を高い所に持って行きすぎると失敗するケースが多い。自分の立場は自分が決めるのではなく、周りが決めるんですよね、サラリーマンの場合。タイで上手くやるポイント、体力、気力、そして我慢、、、、その後に能力じゃないかなあと、最近思うのだった。