ついにその時が

 私がこちらに来た時に、社長及び工場長から注意された事を幾つか取り上げてみよう。
 一つは日本人は病気等している暇がないという事。
 もう一つは日本人は24時間働けという事。
 もう一つは、・・・・・・・・・・。

 基本的に日本人はマネージャー以上でないとタイで働けないわけだから当然の事になる。こんな事はタイで働く日本人なら誰でも気に止めておかなければならない事なのだが、なかなかそれが出来ないのが普通なのである。
(夜の遊びやゴルフはいつでもできるようだが)

 実際、私の会社の日本人は相当頑張っていると私は思っている。
 ゲホゲホセキをしながらも会社に出てきて、いつの間にか治してしまっている。私もこの半年で2回ほど風邪を弾いたが気力で直した気がする。
 当然、有休など取った事が無い。
 まして、家族と何泊かでの旅行などもってのほかになる。
 逆に休日出勤が殆どである。
 前にいた会社なら有休がいやという程あったから、いつでも自由に休んだ気がする。

 ここで休日出勤という事を出したが、ついに今回その休日出勤の中で予想?していなかった事が起こったのである。
(実際は予想していなければいけないのだが)

 私は土曜日の午後と日曜日の午前に会社に出て、ある程度の指示を出したら帰ろうと考えていた。
 土曜日はそれなりに実行できた。
 そして次の日の日曜日である。

 私は午前9時位に出勤した。
 月曜日には絶対納めなければならない新製品があったので、どうしても日本人が立ち会わないといけなかったから。
 新製品なので金型からの立上げであったので設計・金型部門も気合を入れての作業であった。皆これでもかというふうに歯を食いしばって頑張った。
 自分としては、午後8時か9時には帰れると思っていたが、一部不具合などがあり、その時間にはまた3時間位待たなければならない事態になっていた。

 そして、工場長が
「すーさん、じゃ〜夜メシでも食べますか?」
と言ってきた。
 工場長の目は私に何かを問い掛けているように見えた。
《これは徹夜だな》と直感した。

 ついにその時がきたのである。

 そして、その製品の金型組立てが終り実際に成形のTRYに入ったのは、何と真夜中の午前3時過ぎであった。
 最終的には、午前4時半までかかった。

 汗だくでの作業であったから、やはりシャワーを浴びたかった。
 家に1時間かけて戻りシャワーを浴びると、もういつもの出勤時間になっていた。
 すぐ会社にトンボ帰りをして、8時からの通常作業に入った。
 その日も、また夜9時近くまでの仕事であった。
 結局40時間以上起きていて、寝たのは車の行き帰りの2時間だけであった。

 老体?には何ともキツイこちらに来て初の《徹夜》になったのである。

 管理人から
 う〜、きついっすねえ、これは。本来休むはずの日曜出勤+徹夜+そのまま通常出勤、皆さん出来ますか、こんなこと?タイで働くって言うと甘いイメージを持っている人がいると思いますが、現実に働いているのは日本の会社だったりするわけで、こういう覚悟がないとやっていけないことが多いのです。24時間働け!これは冗談でも何でもなかったりするわけだし、仕事の面接に行っても「日曜出勤もありますよ」と平気で言われちゃったりするのだ。がんばれ、タイで働く日本人!