タイ人の仕事

 タイに仕事で来てる人、かなりの割合でタイが嫌になります。情けない話ですが、この国はあまり仕事をする環境が整ってる国ではありません。日本人に限らず、ほぼどの国の人も同じ事を言っています。タイ人の仕事にタイする姿勢はあまりほめられたものではありません。その場限りの事が多すぎて、長い目で見てと言う考えをする人はあまりいません。断っておきますが、タイ人の能力が足りないわけではありません。ただ教育のシステムが良くないような気がします。タイ人の考え方はこんな感じです。10の事をやりたいとします。普通1から2・3・4〜と進んでいって、10になる方法を考えます。要領のいい人は、これを飛び飛びにしていくので人よりも早いわけですが、タイ人の場合、1の次は2になりません。1・5・10と言う感じで進もうとします。これではほぼ出来る人はいなくなります。だから最初に出来ないともう努力しないわけです。そういう基礎的な事が欠落しているために、モノを教えていくのがとても難しくなります。そして覚えてしまったら、自立してしまいます。それまでに教えた事は何だったのでしょう…と思われてしまいます。そしてタイ人はほぼ人に謝りません。失敗しても<マイペンライ>(問題ない、大丈夫)とか、何か違うモノのせいにします。このためどんどん仕事におけるタイ人の評価が下がっていくわけです。自分が失敗して、自分で<マイペンライ>と言われたら、こちらはどうすればいいと思います?
 さてこんな事を言った後では何ですが、この国は遊ぶには最高の国です。観光で来たらそりゃいい国です。そして仕事しないで住んでいるのでもまあいい国です。でも仕事していると…かなりやばい国です。もしタイでストレスをたいして感じず仕事ができる人は、かなりタイ人気質に近いでしょうね…。

 一般にタイでは人件費が安く、何でこんなに従業員がいるんだ〜?って思うことも少なくないと思います。確かに一日100バーツ(300円)ほどで働く人たちがかなりを占めます。大学を出て月収30000バーツもらったらエリートの国です。数年前に何かの記事で、タイのヤンエグ(死語?)の条件がありましたが、それは「月収30000バーツ以上で持ち家に住み車があること」でした。でもホントのこの条件の意味は、月収30000バーツもらえるような会社のそれなりのポストで働いていて、(家庭が裕福で)車も買ってもらえるような人という意味でしょう。だいたいこの給料でできるわけありません。給料が我々よりも低くとも、実際の生活レベルはこの方々の比ではないと言うことですね。
 ちなみにこの国は、働いてもそれが報われることはあまりありません。ですからまさに給料分働くという感じです。やはり報われないと言うことは、勤労意欲を大きく削いでしまうわけですから、そういう人間を10人雇って数でごまかそうとする経営者側にかなり問題があるようにも思えます。
 結局タイ人はちょっと仕事ができるようになるとそこではあまり出世できない(最初でほぼ決まってしまう)ので、次々と仕事を変えていきます。まるで出世魚のように。そして、人に使われることがあまり得意でない国民性のためか、すぐに独立したがります。大半は失敗しますが…。

 とにもかくにも、タイで仕事をしたかったら、まさに「郷に入りては郷に従え」です。タイ人の悪いところばかりではなく、いいところを見てあげてください。
 ただ、最初はそういう風にタイ人に文句をつけていた日本人が、気がつくと自分がタイ化しているというと言うことに自覚症状がないケースが多いです。そう、新しく来た日本人にそういう風に思われているんですよ、そこなあ・な・た。