12月1日

 朝からだんなが魚をくれた。
 近所の人にもらったというが、見るからに新鮮。
 さっそくうろこをとって内臓を出し切り込みを入れて素揚げしてくれた。
 私は日本では海のない県に住んでいたため、新鮮な魚介類というものに縁がなかった。
 もちろん、旅先でたまたま旅館のごはんに新鮮な刺身がでてきたりという記憶はあるが、親が釣りをする趣味もなかったため魚はスーパーで買う物と決まっていた。

 「プーケットにきて、新鮮な魚が食べられるようになった」
なんて話していると
 「これは、ほんとに新しい」
という。
 「ほら、見て、目がまだ黒いでしょう?」
と。確かに市場で見る魚とは目の色が違っていた。
 何でも漁師さんから直接買ったものだとか。
 数は少ないが、パトンにも漁で生計をたてている人もいるのだそうだ。
 そして朝漁から帰ってくるときに、ビーチで待っていると穫れたての魚やイカを安く譲ってくれるという。
 そのため、地元の通の人達は朝の5時頃から、海岸で待っているのだそう。

 だんなが揚げてくれた魚は甘くておいしかった。
 また、木製のまないたに内臓置きっぱなしにしてくれていたので、生臭そうと思いながら片づけたが、思ったより匂いもしなくて、部屋の中も生臭くなっていなかったのにもびっくりした。
 まだ腐っていないからあまり匂わないんだと思う。
 それにしても、あのパトンビーチで早朝そんな取引が行われていたとは。
 ちょっと感動してしまった。


 管理人から
プーケットが海に囲まれていることは覚えていても、魚介類に囲まれているということをついつい忘れそうになってしまう。それほどにプーケットはそういう姿から遠くなっている。しかし、そんな時にダンナさんが魚を買ってきてわざわざ料理してまでくれると、そういうことを思い出してしまうなあ。内臓置きっぱなしな所がやっぱタイって感じだけど…。


 12月2日

 タイでも携帯電話で写真が撮れるものが発売されたようだ。
 新しいものずきなタイ人の間では、話題騒然である。
 だいたい、まだ携帯メールすらそんなに普及していないのに、使いこなせるのかと思うが最新のものを欲しがる人達なので需要はあるのだろう。
 パソコンで写真は送れるから、日本に携帯でメールできるようになったらいいのに、と思う。
 いまでもできることはできるのだが、ローマ字でしか送受信できないので年老いたうちの両親との連絡には不便だ。

 そんなことをだんなと話していると、「でも日本の電話はもう使えるでしょ」という。 なんでも知り合いの人が、日本製の携帯を日本人のお客さんか誰かにもらい、それを使っているという。
 ええーっ、またまた私の知らないところで、そんなにも世の中は進んでいたのでしょうか?
 その人に日本人の親戚はいないはずなので、日本で契約(して身内が代金を払ってるなど)とは考えられないし・・・。
 でも、確かに電話自体は日本製でタイ文字でなく日本語表記だったという。

 めっちゃ、気になる。
 それだったら、日本でその電話を買ってきてこちらの国内でも使いつつ、日本語のメールも打てるんじゃ?
 どうも今使ってるタイの電話会社は、つながりが悪いし国際電話もかかってくるけどかけられない、とかいろいろ使い勝手が悪いので今度その人に直撃インタビューしてみることにしよう。
 もし、ほんとに使えるのだったら、次回日本に帰ったときにぜひ入手しよう。
 ただ見せびらかすための小道具だったら・・・ぬか喜びだが。


 管理人から
タイ携帯フリークの管理人にとって、ちょっと聞き捨てならない話。タイの携帯は日本のモノとはかなり違っていて、しかもけっこう古い…。そしてつい最近パナソニックのカメラ付のやつがタイでも出た。けど、これがホントに使えるかは不明。もちろん相手も持ってなければ意味がないのだが、持っていたとしても使えるか分からないところが、タイなんだよね、やっぱり。


 12月3日

 今月に入ってから朝晩の冷え込みが激しく、昨日は雨まで降ったので曇りの今日はとても肌寒い。
 朝起きたときからのどが痛くて、風邪気味だなと思っていたら頭まで痛くなってきた。
 ふと部屋にある温度計を見ると、24℃だった。
 日本にいたら、快適な温度なのだろうがここでは常に35℃前後の気温をキープしているため、これはとても寒い。
 足なんて冷え性になりそうなくらい、冷たくなっている。
 雨上がりの湿気も加わって、空気もひんやりしている。

 日本人の私でもそう感じるのだから、暑いのに慣れているタイ人にとってはたまらない。
 毎年寒季の今頃になると「寒い寒い」と体調を崩す人が続出。
 だいたいこちらの人は、常に暑い暑いといっていて、寝るときも女性は布一枚、 男性は上半身裸またはTシャツに短パンといった格好でしかも扇風機は一晩つけっぱなし・・・。
 ふとんは売ってないので、タオルケットにくるまって寝る。
 そりゃ、朝方急に冷え込んだら風邪もひくわと思う。

 そして、風邪を引いてしまったタイ人はやたらにたいそうになる。
 「寒い、頭痛い」と騒いでどこからか取り出してきた革ジャンを着ていたりする。
 いくらなんでもそれはちと、おおげさすぎると思うが、「寒いから厚着しないと」などと真剣である。
 ところで、だんなは死ぬまでに一度雪を見るのが夢らしい。
 叶えてやりたいが、
「寒さで?雪見のタイ人倒れる」
とか記事になりそうで嫌だ。


 管理人から
この年中常夏の雰囲気のするタイも12月あたりはけっこう涼しくなる。特に山の方に行くと日本人でも寒く感じるほど。信じられないだろうが、気温が5度を切り始めると死ぬ人が出てくるのだ…。そして、タイに限らずこの辺の人は少し寒くなると自慢げに冬服を着ようとする。20度くらいでセーターや革ジャンはどうかと思うが、やはり持ってる限りは見せたいんだろうね…。


 12月4日

 友達とご飯を食べに行った。
 お店に入ったとき先客がいたが、特に気にすることもなく座ってしばらくしたら、どこからともなく日本語が聞こえてくる。
 ほかにしゃべってそうな人も見あたらないしさっきの客は白人だったはず?と振り向いてみると、白人とその連れの日本人女性が日本語でしゃべっていたのだった。
 このところ、日本人が増えたなぁと思う。
 4〜5年前は旅行者でなく住んでいそうな雰囲気の日本人をみかけることはあまりなかったのに、今やちょっと買い物に行っただけで出会ったりする。
 子供の通っている幼稚園でも同じクラスに日本人のお母さんのいる子がいるし、大抵クラスに2〜3人日本人がお父さんやお母さんの子がいるらしい。
 日本人とのハーフがひとりもいない学校を探す方がむつかしいくらいだ。

 タイ人と外国人の組み合わせの中で一番多いのは、白人男性とタイの女性だろう。
 白人といってもいろんな国のひとがいるからで60%くらいいるだろう。
 しかし、次に多いのが日本人女性とタイ人男性なのである。
 20%くらいか。
 日本人男性とタイの女性は10%弱。
 その他はタイ人男性と白人女性、または男性同士などの極少ない組み合わせのような気がする。
 これだけ、同じような境遇の人が増えると異国にいても住みやすくなってくるように思うのだが、それはそれでなかなかむつかしい。
 確かに日本食コーナーを置くスーパーが増えたり、日本食レストランが増えるのは生活面で過ごしやすいが、日本人同士でもいろいろと面倒な確執があったりする。
 派閥というほどでもないが、仲良しクラブみたいのができてしまったりして、中途半端に友達の輪を広げにくい。
 日本人だから仲良くなれるわけではないが、友達欲しいなぁと思ったりする。


 管理人から
プーケットの人口から見ると、混血率の高さはタイでも一番なんでしょうね。日本はおそらく国単体で見たときは一番っぽいんですね、全体の3割って事は。タイに住んでいる日本人って、実はスゴイ村意識があって、なかなかその村以外の人と接する機会がないのですが、プーケットやチェンマイともなるとバンコク以上にその傾向が強そう。それが住みやすかったり住みにくかったりするのだろうなあ。


 12月5日

 タイ語の感嘆符はなんかちょっと変だ。
 びっくりすると「あーう」とかいうし、「おーほー」とか中国人みたいな感心の仕方もする。
 「あいや〜」なんていうのもあって香港映画を見ているようだ。
 たぶん華僑の影響が強くて中国語の音もかなり入っているのだろうが、すぐに
使うのでいちいち気になる。

 人の話を聞かないで相づちをうつときは「うーうー」というので、どうしても
 「あんたっ、ちゃんと聞いてるの!」
と問いつめたくなってしまうし、
 「あっ」って軽くびっくりするときは「おいっ」などというので、怒ってるのか?と思ってしまう。
 しかも、影響されやすいのかふと自分も使ってしまってたりして、
「こんなときは日本語ではなんていうんだったか?」
と悩んでしまったりもする。
 ほかにも「あ痛っ」なんていうとき「ういっ」といい、謎の「おっおーっ」とかもある。
 「あい」とか「あう」とかもあって、使い分けがむずかしい。(別に使わなくてもいいが)

 はじめは面白がって使っていたら、今ではすっかり日本語での言い方を忘れてしまい、変なタイ語で驚きを表現しつつ日本語で話すという、我ながらかなりあぶない人になりつつある。
 早く戻さねばと思っても、周りがみんなそんなおかしな日本語を使っているため、日本人であるにもかかわらず、引きずられてしまっていて情けない。
 そんなことよりタイ語自体をきちんと覚えたいのだが、自然と頭に入るのはそういうふざけた言い回しばかり・・・。
 この現象は特に息子としゃべっているときにフルに発揮され、日本語の中にタイ語の単語と変な感嘆符が入り交じる。
 私たちの会話が理解できるのは、タイ語と日本語が両方分かる人達のみだ。


 管理人から
タイに住んでいる日本人とその家族の会話はなかなかに理解しがたい。その家族にしか通用しない言語と化している。本人たちはいたってマジメにタイ語や日本語で話しているつもりでも。はやから見ていると冗談としか思えないような会話なのです。それって全然文法も意味も違うんだけど…、と思ってみても本人たちはしっかりと理解し合っているところがまるテレパシーみたいでスゴイ。


 12月6日

 やっと乾期になったため、だんなは最近仕事に励んでいる。
 半年間散々ぼけーっとしたんだから、これからしばらくは頑張ってもらいたい。

 昨日はやけに早く帰ってきて機嫌がいいと思ったら、日本人の女の子に
「一緒に写真撮って」
といわれたらしい。
 本人は自分がかっこいいからだという。
 彼の自慢はかなり昔に日本の女の子に逆ナンされたことだ。
 ディスコの前で友達を待ってぼーっと立っていたら、全然知らない道の向こう側にいた女の子がばーっと走り寄ってきたそうだ。
 そして彼女がいったのは
「私、明日帰るんですけど、これから私のホテルに一緒に行きませんか」(しかも日本語で・・・)
 だんなは日本語がわかったものの、ついていかなかった(本人曰く)そうだ。
 「ついていったら、おこづかいもらえたかも?」
というと
「なんで、ついていくの!お客さんじゃないよ。知らない人だよ。危ないでしょう。だからあなたは・・・」
と説教された。(だって女の子に襲われてもこわくないと思ったから)
 その人は日本人の私からみてもあきらかにかなり変な人である。
 ここだけの話、ビーチボーイと遊ぼうと思ってきたが相手にされず帰国日を迎え焦っていたとしか思えない。

 でもまあ、それも彼は「格好良かったからだ」と思っているようだ。
 今頃昨日の日本の女の子は写真を現像しているかも知れない。
 そして会社で同僚に見せている。
 「ほら、この人すごいかっこいいでしょ?私お相撲すきだから力士タイプがすきで」
とかいって笑いものになってなければいいけど。


 管理人から
 そこまでダンナさんを…と思ってしまいますが、たしかにダンナさんなかなかなスモウ体型。結婚前の写真を見せてもらったがいったいどうしてこうなったのか?と思ったらなんと、寺に出家しに行ってたときに20キロも太ったらしい…。頼む、せめて寺に行ったら修行してくれ…。


 12月7日

 うちのだんなに限っていうと、とても不思議な性格であり何年たっても理解できないことに「人の話を聞かない」というのがある。
 こちらが話しかけても「うーうー」と生返事なのは、まああんまり聞きたくない話が多いからなのかも知れないが(「もう今月お金ないよ!」とか)
 自分で話かけてきたくせに、聞いてないのは腹がたつ。

 さっきも、台所にきて置いてあった鍋を見て
「これなんでまっ黒くなってるの?」
というので、うっかり焦がしたことをいいかけたらもうその場にいなかった・・・。
 自分が興味あって聞いてきたんちゃうんかい!!
 こんなことがしょっちゅうあり、わりと大事なことを確かに話したのに「聞いてない」といわれることも多くその度に「いった」「いってない」ともめる。

 しかも、自分がいったことを私がうっかり忘れてたりすると、怒る怒る。

 「いったでしょおう!!」
 とそれこそ鬼の首をとったかのごとく・・・。
 私は日本人なので、変だなと思うがこれがタイ人同士だと誰も疑問に思わないのだろうか。
 みんなが自分の話を主張したら、誰も聞いてないのでは?
 いいたいことだけいって、相手が聞いてなくてもそれで満足してしまうのか?
 それとも力関係があって、自分より上そうな人(先生とか社長とか)の話のみ真剣に聞くのか??
 とにかく、言っても聞いていないので、一つのことを頼むにも同じことを何回も何回も何回もいって、20回くらい言い続けてやっと気が向けばやってくれる・・・とても疲れる。


 管理人から
タイ人と話をしていると疲れる。仕事をするともっと疲れる。なんていうか話が飛びすぎというか、どうも物事が彼らの頭の中で勝手に完結してしまっているようだ。基本的にあまり相手のことを考える国民性ではないように思える。これは仕事だけでなく男女関係もそのようで、自分が思ったことがすべてだったりして相手をするのが大変だったりするのだ…。


 12月8日

 プーケットは、タイの中では田舎なのかはたまた都会なのかといえば、私は間違いなく田舎だと感じている。
 しかし、現地の人達は絶対にそうは思っていない。
 むしろ、バンコクに次ぐ都会のように思っているようで、時々話をしていて
 「おいおい、それは違うんじゃ?」
と突っ込みたくなることもしばしばである。
 確かにお金持ちは多いし、土地の値段も高くタイの芸能人の別荘があったりして勘違いしてしまうのも無理ないかも知れないが、冷静に考えてみても買い物する場所だってしれてるし、何があるわけでもない。

 ところが、地元の人にしてみれば「こんな開け(てき)たところに住んでいる」という自慢?みたいなものがあるようで、他の土地からやってきた人をとてもばかにする。
 「あの人は、どこどこ出身だから、田舎ものだー」みたいによく話している。
 もちろん、ラオス人やミャンマー人などはいうに及ばずである。
 日本に例えれば、プーケットは沖縄くらいだと思うのだが。

 だが、そんなことは土地の人の前では口が裂けてもいえない。
 「プーケットは、バンコクの次にお金持ちがたくさんいて、タイの中でも大きなところなんだよ」
 「はあ・・・」
 「特にパトンはプーケットの中で一番なんだから。日本からきても、こんなすごい場所に住んでたら違和感ないだろう?」
って違和感あるっちゅうねん。
 特にうちのだんな!産まれも育ちもパトンだからと、都会っ子感覚でいる。
 こんな程度のとこに住んでて、自慢はやめろー。
 たいしたことないんだよ。
 頼むから現実にきづいてくれーと切に願う。


 管理人から
たしかにプーケットとかチェンマイとかそういう地方の有名都市の人たちは田舎モノにたいして少し高圧的。これは日本でもそうだろうが、バンコクだともはや周りはどこも田舎なので「ふーん」で片づけられてしまうが、地方都市は特に外からの人の流入になれていないためにそうなるようだ。ちなみにプーケット行ったことない方へ、プーケットってかなり田舎なんですよ、ホントは…。


 12月9日

 タイの男性は落ち着きがなく、家になかなか戻ってこないでその辺で油を売ってる人が多いらしい。
 我が家も例に漏れず、だんなは大抵どこかの知り合いの家に入り浸ってつまらない世間話に興じている。
 それが日替わりで延々と続くためだんだんこちらもいらいらしてきて、けんかのもとになる。
 しかし、タイ人の奥さんだと、その程度の生やさしいものではすまない。

 だんなの行方がいったんわからなくなると、それこそ血眼になって探し回る。
 かつて知り合いだった人は、夜中になってもだんなが戻ってこないためひとりでバイクに乗り捜索にでたという。
 当時はまだ携帯も普及しておらず、全く連絡の取りようがなかったため、女のカンに従って友達の家とか近所の飲み屋とかをしらみつぶしにあたり、
 それこそソイの1本1本まで延々と数時間に渡って探し回った挙げ句朝方、女といるのを発見したそうだ・・・。

 もちろんばれただんなは、逆ギレして暴れた後逃げ出し、追う気力も無くなって彼女は家に戻ったが、結局次の日の昼過ぎになってもそのままだんなが戻ってこないので我が家に愚痴りにきていた。
 ふだんはとてもおとなしい人なのに、その話をきいてこっちがびびってしまい印象に残っている。
 とにかく行動的というか、衝動的というか、そうでないといいかげんなタイ人男とやっていけないんだなと思った。
 なめられては、いかんのである。
 だんなのほうも知り合いだったので、後で話を聞いたら
「日本から彼女がきたから飲んでたら、嫁が突然現れて死ぬかと思ったよ〜」
と、どこまでもへらへらと語ってくれた。
 この温度差はなんなのだろう??


 管理人から
そう、まさに衝動的。これぞタイ人ですな。そして逆ギレ、これまたタイ人ですな。携帯がつながらないだけで浮気していると思われ、電話を毎日しないだけで愛されてないと言われるのがタイ人。そしてそれを下手な嘘で切り返すのもタイ人。いやあ、ホントタイ人ってその場限りなんだよなあ。


 12月10日

 プーケットの人によく驚かれることの一つに「日本にはココナツがない」ということがある。
 ここではあまりにも普通に存在している物なので、何の気なしに「日本には生えてないから」というと、ものすごくびっくりする。
 しかし、学校で地理とか習ってたら日本とタイの気候が全然違うことぐらいわかりそうなものだが・・・。
 さらに実は、ココナツだけでなく、バナナやマンゴーやパパイヤ、パイナップルなどもその辺に勝手に生えていないことをいうと本当に驚き、「じゃあ、何を食べているの?」と聞いてくる。

 輸入してけっこう普通にバナナは食べているし、パイナップルもそんなに高くなく売ってるし、桃やら柿やらの日本産の果物もあればキウイやらグレープフルーツもあり、別に果物に困っているわけでもないのだがタイ人にとってココナツやパパイヤのない果物屋は想像できないらしい。
 確かにタイは果物の種類が豊富でこっちにくるまで、見たことも聞いたこともないものがたくさんあった。
 写真ですら見たことのない、それこそ生まれて初めて目にした物も少なくない。

 噂に聞いていたドリアンやマンゴスチン程度なら、驚きも少なかったがファランというものや、モンコン(ドラゴンフルーツ)・リンチー、ラムゥなどはほんとに30数年生きてきて初めて見た。
 またタマリンドはマァカムと呼ばれているし、パパイヤはマラゴォー、マンゴーはマムアンなどと知識としては知っていたがタイ語でいわれるとなんだかよくわからない物も多い。
 こんなにたくさんの種類のものが、その辺にどんどん勝手にできるのだから、南の島の人は自然に恵まれていて幸せだなぁと思う。


 管理人から
タイ人に驚かれること、それは果物の値段。特にこちらにあって日本にないものの値段は毛が逆立つほどに驚かれる。ドリアンの値段なんて教えたら、みんなドリアン売りに日本に行くと言い始める…。クサくって飛行機乗れないって…。なんにせよ、その辺でそういう果物が自生している国なんだから、やっぱ豊かな国なんですね。


 12月11日

 タイ人は人の話を聞かず自分のやりたいようにやってしまう傾向がある。
 そのため、わりと自分勝手な理由で思考が突っ走ってしまい、後で反省するということもなく、ただ失敗に終わるということが多々あるようだ。
 羨ましいのは、それでも納得してしまい悔いが残っていない様子だということ。
 やりたいようにやったから、ま、いいか、という感じか?
 反省しないので、それによって学ぶ事も少なくまた同じような過ちを繰り返す事が多いような気がする。
 それはそれで、人ごとならいいのだが、身内にそんな人がいると苦労が降りかかってくる。
 誰とはいわないが、私の極近い身内にもひとりそんな人がいて、彼が「絶対大丈夫」ということは大抵失敗に終わる。

 親友だという人にお金を貸して案の定戻ってこなくて友情どころか、近所づきあいにまでひびが入ったり、絶対大丈夫なはずの仕事はうまくいかない。
 しかも、間違いを指摘するととたんに不機嫌になり、よかれと思ってするアドバイスさえも聞いちゃいない・・・。
 プライドが高いのか自分の間違いは認めたくないのである。
 そのため、タイ人に何か頼むときちんとやってくれたためしがない。
 一応、てきとーにはやってくれるが、予想した完成とは明らかに違ってくる。
 なぜなら、その人の主観が入っていて、途中でその人の好みのように変化してしまうからだ。
 さらにそれを悪びれる様子もなく「ほら、こっちのほうがかっこいいからこうやっといたよ」と平気でいう。
 そりゃ、あんたはそれがいいと思ったかもしれないが、私の好みとは違うし第一そんな(色・形などなど)の頼んでない。
 が、ここで怒るとタイ人のプライドを傷つけるので、あくまで下手にでてお願いすると「全く仕方ないなぁ」という感じでじぶしぶこちらのいったようにやりなおしてくれる。
 どっちが客なんだかさっぱりわからない・・・。


 管理人から
タイ人の「絶対」とか、「100%」はほぼ信用ならない。が、しかし、彼らはその言葉をよく使う。もちろん、それが失敗に終わっても悪びれる様子も反省している様子もあまりない。そしてもちろん反省などしない。そう、彼らは決して後ろを振り返らない民族性なのだ。いいねえ、このポジティブ思考。なんて思っていると、タイに住んで苦労する羽目になる…。


 12月12日

 タイ人の英語が聞き取りにくいのは、かなり良く知られたことである。
 そのためタイ人と英語で話をするとなかなか通じにくい。
 もちろんお互いが母国語でないのだから、かえって分かり合えるかと思えばさにあらず。
 よけいに混乱するだけなのであった。
 しかもプライドが高いので「私は英語が話せるので英語でいってくれ」という。
 カタコトでもこちらが相手の母国語であるタイ語にあわせたほうが、話が早いと思うのだが・・・。

 私は英語に自信がないので、けっこうつらいものがあるが、最近カナダ人の知り合いと世間話する機会があった。
 なんと通じる通じる、
 私の英語を理解してくれる。 自分の英語は母国語としている人には、通じる程度のカタコトでまだまだスタンダードではないと、痛感したもののそれはそれでうれしかった。
 タイ人と話していると、相手の英語がうまくて自分は下手のように錯覚させられてしまいがちだからだ。
 それはタイ人が勘違いしていて自分の発音を棚に上げ「あなたの英語はわからないよ」なんてすぐにいうからだ。

 さて、プーケットには世界各国から外国人が詰めかけるため、島内の公用語は英語である。
 しかし、ヨーロッパの人は母国語でない英語を操るもののそんなに完璧ではない人もいる。
 そのため、いい加減な英語を話しているタイ人との間で誤解が生じることもありがちである。
 アングリーのつもりで「ハングリー」と連発しつつ、怒っている白人もいた。
(まあ、お腹が減って怒ってたのかも知れないが・・・)
 たまにだんなに「お客さんが英語でこういっていたけど、自分の解釈はこうで意味合ってる?」と聞かれることがあるが、「そんな言い方しないんじゃ?」と思うこともある。  本当の意味は話した人のみが知っている。


 管理人から
ちょうど極楽タイランドの「タイ人学」というコーナーで「タイ人の英語」について取り上げたところだった。タイ人はあまり専門的なスキルとか持っている人がいないので、少し英語が出来るようになるとそれをスゴイスキルだと思って自慢したり、他人をバカにする。正直タイ人の英語はほめられたものではない。少なくとも東南アジアの中では最低レベルだろうね…。


 12月13日

 田舎の人は暇なので、うわさ話がだいすき。
 老若男女を問わず朝から晩まで人を見てはうわさ話に花を咲かす。
 誰それが新しい車を買ったとか、仕事を変わったとか、どこを歩いてたとかもうそれこそ何でも話の種になる。
 しかもよく覚えている。
 何をいくらで買ったとか、今月の収入が減ったとか、どこでそんな情報を仕入れたのかというくらい細かいことまで筒抜けである。

 タイ人の基本的な性格として、親しげというかあいさつがわりにプライベートに踏み込むような質問を気安くしてくるというのがあって、ついうっかり答えてしまったりすると、あっという間に良く知らない人までやけに詳しく我が家の事情を知っていたりして驚く。
 しかも、黙っていてもいつの間にかいろんな人に知られていることまであり、壁に耳あり障子に目あり状態で疲れてしまう。
 私は特に日本人だからか、少しタイ語が話せるとわかると次々とそんなに親しくない人からも、質問責めに合う。
「なんでそんなとこに住んでいるんだ?」
とか
「なぜ何年もタイにいるのにタイ語が下手なのか?」
とか
「だんなはなんでそんな仕事をしてるんだ?」
とかよけいなお世話、ほっとけーというようなことを自分の意見も交えて延々と聞いてくる。

 まあ、私もよそのおっちゃんの誰々が誰と険悪とか、どーでもいいことをたくさん聞かされているが、知らないところで噂されているのはやはり気分が悪い。
 タイ人の間だけでなく、初対面の日本人からも
「みいさんって、これこれなんでしょ」
と何で知ってんねん、というような話を聞かされたことがあったので、それ以来極力つき合う人を選んでいる。
 別に有名人じゃないんだし、詮索してなにが面白いのかそれがとても不思議だ。


 管理人から
タイは噂の国。この国は新聞であろうと噂で話が進む。噂が噂を呼び、気が付くと噂が一人歩きしてえらく大きな話になっている。そして恐ろしいのほどの詮索好き。なんであんたにそんな話しなくちゃいけないのだ?と言うようなことまで平気で聞いてくる。しかしここで気を抜いて適当に話をするとそれが現実の話となってさらに尾ひれが付いてしまうだけに、けっこう疲れる国だったりするのだ…。


 12月14日

 前にだんなと話していて何かの拍子に「ジャックと豆の木」の話をしっていてちょっとびっくりしたことがある。
 タイ人はあまり本を読む習慣がないので、お話としてどんなことを知っているのか興味があった。
 とりあえず、いろいろと聞いてみたところ日本でお馴染みのイソップ童話とかアンデルセンとかの話は、けっこう知っているようだ。
 3匹のこぶたとか、あかずきんちゃんとか7匹のこやぎとかの話を知っていた。
 日本に関しては、日本昔話なんて当然浸透していなかったものの、ウルトラマンや仮面ライダーはテレビでやっていたとかで、かなり詳しかった。
 あとは、一休さんやクレヨンしんちゃんもずっとタイ語吹き替えでやっているので日本のものと知りつつ見ているようだ。

 また日本のビデオクリップとかを特集する番組もあるので、私より日本のタレントなんかに詳しいタイ人も多い。
 しかも、タイの最近のバンドなんかは日本でもコンサートをやったりしているらしい。
 そんなバンドが売れていることさえ住んでいても知らない私には、日本でタイのバンドのファンがいることが逆にとても驚きだ。
 タイの映画もここ数年日本で公開されることも多くなってきたとかで、そういう情報にもけっこう詳しい。

 なんにも知らんのって、私だけ?とさみしくなってしまう・・・。
 一応インターネットでニュースとか見てるつもりではあるが、タイ人の口コミには勝てないのか。

 他にも、理科とか社会の知識なんかをどのくらい知っているのかクイズでもやってみたい気がする。


 管理人から
タイ人は決して頭が悪いわけではない。が、本を読んだりそういう知識欲には欠けるようだ。興味があることには誰でも飛びつくが、それ以外のいわゆる一般常識はほぼ知らない。日本がどこにあるかなんて、ほぼ誰も知らないのだ。日本の情報番組なんかタイでやってもウケないかもしれない。彼らにウケるのはアニメと音楽、ドラマ、そしてテレビチャンピオンくらいだろう。日本のテレビ、けっこう勉強になるの多いのにね…。


 12月15日

前にだんなのうちに占いのおばさんがきていたが、実はその人とは別にだんなの家の近所のおばさんで趣味で手相を見てくれる人がいる。
 その人はお金もとらないし、気が向いたら見てくれるのだそうだが、それがまためちゃくちゃ良く当たる。
「今日お金たくさんもらえるわ」
と教えてくれた日には、まじで宝くじが当たったりして臨時収入があったりする。
 私は占いは今までほとんど信じていなかったが、プーケットに住むようになってほんとにそういうことはあるのかも知れないと思うようになった。
 なぜなら前に行ったお寺の住職が、初対面のはずの私のことをまるで前から知っているかのようにぴたりと言い当ててくれたからである。 

 不思議な能力を持った人というのは、存在するんだなぁと思う。
 体調くらいなら顔つきとかを観察すれば、「健康に気をつけて」なんていっても当たるか当たらないかは見てもらった本人の感じ方によると思うので、まあわかる。でも、お金が入ってくるのは、そうそう(特に我が家には)ないことなので普通に考えたらはずれることのほうが多いはずなのだ。
 とすると、運命は最初から決まっていてその人には、先が見えているとしか考えられない。
 まだおこっていないことも知ることができるのなら、(自分のことも見えるのかはわからないが)いろいろと大変だろうなと思ってみたりする。
 もし知ったとしても変えようがない(既に決まっていて)なら、悪いことがわかったら嫌な気分になるだけだろうし。 
 見てもらいたい気もするが、当たりすぎるだけにこわくてまだ実行できない。


 管理人から
タイにはこういう占い師が多数存在する。しかも評判の占い師は恐ろしいほど当たるというか、自分のことを知っている。なぜそんなことを知っているのか?と言うレベルのことを知っているのでかなりドキッとする。管理人も疑ってかかっていたのにもかかわらず、負けた…。な、なぜそれを。と言う感じで…。なので1人で見てもらいに行きたいのだが、いかんせん言葉がそれを許さない。非常に難解なタイ語をしゃべるんだよね、あの方々は。


 12月16日

 銀行にATMカードを作りに行った。
 タイのカードは出金専用なので、あまり利用価値なさそうで銀行を変えてからは作っていなかったが、他人(だんな)に時間外におろしてきてもらえることを考えたら便利なので作ることにしたのだ。

 書類に記入し終わると
「2種類あって、ひとつは普通のATM専用のもの。1日2万バーツまでしかおろせなくて150バーツで作れます。もうひとつはクレジットカードも兼ねていて、ロータスなどで支払いができ後日口座から引き落とし。こちらは作るのに300バーツ、年間管理費が200バーツです。タイ国内だけでなく、もちろん日本でもそのカードを使って買い物ができます。1日おろせるのは、10万バーツまで」
ということだった。
 少し悩んだが普通のカードを作ることにして待つこと5分。
 手にしたカードで早速おろしてみることにする。もらった暗証番号を入れて操作してみると・・・
「ぴーっ」
とカードが出てきた。
 そのあとお金が出てくるのかと待っていたら、画面が終わり最初の画面に戻った。なんでやねん・・・。(この辺がさすがタイ)
 もう一度試してやっと出てきたので、その場を離れた。

 帰り道、ATMの画面の表示金額が1万バーツまでしかなかったことに気づく。
 ということは、1日10万バーツまでおろせるといっても10回操作しないとだめなのか??
 それだったら、何も暑い外で延々と操作しなくても、はじめから中に入ったほうがいい。
 それにATMからは500バーツ札しかでてこないみたいだったので、そんなとこで200枚の札束数えてるのも目立って仕方ないだろう。
 高い方のカードにかなり心を動かされていたのだが、ま、普通のでよかったと納得。
 あとでだんなに
「なんでクレジットのは反対だったの?」
と聞いてみたら
「だってお金全部使ってしまう!」
だと。それはあなたでしょ!(一応自覚はあるらしい)


 管理人から
管理人も持っているタイのATMカード。間違いなく日本のモノよりも便利。24時間、そして海外でも使える。入金することが出来る機械が極端に少ないことが難点だけど、口座に自分で入金することはあまりないのでよしとしよう。バンコクのATMは一回2万バーツまでおろせるので10万バーツも5回ですみます。FAST CASHを使えばあっという間ですよ、みいさん。


 12月17日

 例の「バタフライガーデン」の看板が新しくなっていた。
 「バタフライ&インセクト」だそうだ・・・ますます募る気持ち悪さ。
 さて、プーケットでは庭にバナナやココナツの生えている家がけっこうあり、そんな生活に憧れていた私も土地を手に入れた機会に生やしてみることにした。
 苗を買ってきて庭に植え、あとはそのままたまに気が向いたら水をやる。
 雨が多いので雨期の間は水をやらなくても勝手に潤ってるし。
 だんなの話ではココナツは数年で2〜3mくらいにはなり、実もなるということでどきどきと楽しみにしていた。

 で、早3年。
 実がなるどころかまだ数十センチにしか成長していない・・・。

 いつになったら、あの見事な木になる事やら。このぶんでは、生きているうちは無理のようだ。
 その理由にはなんとなくおもいあたることがふたつあり、ひとつは山なのでやはり植生が微妙に違いなかなか思うように成長できないのではないか、ということ。
 周りを見渡しても椰子の木の生えているところはないし、あれは平地の水はけや日当たりのいいところ限定の植物だったのかもしれない。
 それは仕方ないとしても、問題はもう一つの理由、虫である。
 あるとき水でもやろうかとふと見ると根元のほうに黒い実のようなものがたくさん落ちていた。
 葉のほうを見ると食べ尽くされている?
 よく見るとモスラのように巨大な幼虫が十数匹でばりばりといわんばかりに食っていた。
 太いし十センチくらいあるので、だんなにとってもらう。(ライターであぶってぼとぼと落としていた・・・。気持ち悪くてその後の処理は不明)
 しかし、しばらくして新しい葉がでてきたらまた・・・。
 椰子の木の葉はかなり堅いと思うのだが、南国の幼虫はお気に入りのようだ。
 バナナはたまに実がなるまでに成長したが、自宅でココナツを食べられる日は果たしてくるのだろうか。


 管理人から
ココナッツというのは山には生えないモノだったのだろうか?と思って記憶をたどってみたモノの、やはり山がちの所では見た記憶がない。いつも平地にあるような気がする。あれって、やっぱり水が大量に必要なのだろうか?しかし、水は水でも塩水しかなさそうなんだけどね、管理人のイメージによる椰子の木の植生って…。


 12月18日

 タイ人は表向き怒りの表情は見せないが実は密かに怒っている。
 そしてけっこう小さな怒りでも根に持っているので始末に負えない。
 口では「だいじょうぶ」といいつつ心の中では怒っていたりすると、後々些細なことでその貯めた怒りが爆発!ということもある。
 が、一見怒ってるのかどうかわからないから、困ってしまう。
 何が怒りに触れるのかいまいちよくわからないし・・・。

 だいたい、日本人に比べて辛抱強いというのかある程度まで我慢する(というより文句をいわないから)ので、きれたときは手が付けられない。
 うちの近くに白人の関わっている建物が建設中でそこの建築会社がけっこうやりたい放題でコンクリートなどのゴミを隣の土地(他人の所有地)に勝手に捨てるわ、うちの引いてきた水を無断で引き込んだ上元栓を閉めずに流しっぱなし。
(もともと少ない水源から引いてきているので、永遠に流されると無くなってしまうしさらに人の努力して引いてきた水の管から勝手に取ってるので、はっきりいって泥棒である・・・)
 もちろん工事中の騒音や埃などは全くお構いなしだったし、やっとあらかたできてきたと思ったら今度はバンドか何かの練習に場所を提供したようで夕方から夜中まで大音響の歌の練習&ドラムやギター?などの演奏の音が毎日続く。
 そのうち、朝10時から12時間休みをはさみつつ延々同じ曲を繰り返す。

 もしかして嫌がらせ?の地上げ作戦か??などと考えていたところ、あんまりいろいろと次から次に問題をおこすので、ついに近所の人達が団結して、対策を考えることになった。
 というか、もう「ゆるさん」みたいに怒りがたまっている様子。
 不思議なのは、なんでここまで貯める前に小出しに苦情を言いに行くとか行動しないのかということ。
 貯めてるので、「決着を付けよう」みたいになっていてかなりこわい・・・。
 確かに私もかなり迷惑だと思っていたから気持ちはわかるが、いままで黙っていて急になぐり込みのような展開は逆の立場だったらきついよなーと思う。
 タイ人気質をしらない白人が引き起こした自業自得ともいえるが。



 
管理人から
基本的にタイ人は他人の迷惑などはあまり気にしないようだ。朝っぱらや夜中でも大音響でステレオをかけるし、後ろの人を待たせていても気にならん性格の持ち主が多い。管理人の家も昼間は下からバンドの練習の音、夕方からは上の部屋でドラムの練習の音が続き、うるさいったらありゃしない。それをとがめに言っても休むのは一瞬だけなのがまた腹立たしい。やめさせるためには強権発動しかないんだとタイ人も知ってるので、その時の騒動はスゴイだろなァ…。


 12月19日

 タイ人の座右の銘は「明日は明日の風が吹く」に違いない。
 きっとそうだ。
 なにしろ、明日できることは今日しない、今が一番、この瞬間が楽しければそれでいい、という考え方をしているので、せっぱ詰まらないと何もしない。
 行動が遅い、というのか「物事をひとつひとつ片づける」のではなく、たくさんためてほんとにどうしようもなくなったものだけ、仕方ないからひとつだけやるという感じ。

 我が家でここ最近の「しなくてはいけないもの」は大掃除であった。
 ご予約が入りいよいよ来られる日も迫ったというのに、雨期の間ほったらかしにしていたベランダにはヤモリの糞とか落ちてるし、庭には雑草が茂り放題。
 (山なので草刈りしてもあっという間に生い茂るのだが・・・)
 客室には、以前長期滞在していたヨーロッパ人が荷物を置いたままである。
 数ヶ月後に戻ってくるとごちゃごちゃしたものを置いていったが、管理費をくれるわけでもなく連絡もとれないまま、早1年。
 もう時効だろうと思うが、気の小さいだんなは捨てることもできず大事にしている、というよりただおいたままなのではっきりいって部屋が荒れている。
 ほとんど開かずの間になりつつあったので、この機会に高そうな物だけまとめて残りは処分。
 隅々まで磨き上げてなんとか納得のいく部屋にした。

 掃除は私がするとしても、家具の移動や庭の手入れはだんなの仕事、しかし彼が動いたのは2日前であった。
 しかも性格的にやりだすととまらない人なのでけっこう目の付け所が細かく、天井のファンの羽をはずしてラッカーを吹き付けて陰干ししたりしている・・・。
 水道のパイプもはずして水回りや排水のチェックをしていたり。当然進みは遅い。
 いらいらしていたが、結局ぎりぎりセーフでこぎれいにまとめてくれました。
 たぶん、学校に行っていた頃は夏休みの宿題を最後の日にやっていたタイプと思われる。
 それにしても、なぜ追いつめられるのが好きなのか?
 「動かざる事山の如し」ということばを思い出す。(いや、この際彼に捧げる)
 その山が動いたとき・・・やっと我が家はなんとなく片づいたのであった。


 管理人から
はい、まったくその通り。と、これだけで管理人からのコメントを終わらせるわけにもいかないですね…。(そうなら楽だが)とにかく今楽をしたいタイ人に、真の意味で要領や段取りという言葉を教えることはとても難しい。段取りの良いタイ人、管理人はほとんど見たことありません。目の前にある、「自分にとって」最優先事項から片づけていく、これがタイ人であります。


12月20日

 タイにはけっこう日本の食べ物と一見似ているものもある。
 中華系のものも食べるためだと思うがこちらに来た当初は似た感じのものを見るとうれしくて「なんだ、同じだ」とほっとしたりしていた。
 が、それらが実は見かけは似ていても味が全然違うことに気づくまでにそう時間はかからなかった。

 例えば、たこ焼きそっくりの鉄板で焼くお菓子がある。
 一見色も形も全く似ているので「あれ、日本にもあるよ」といっていた。
 後にだんなが買ってきてくれてわくわくしながら初めて食べてみたそれは、甘口のお菓子・・・。
 全然違う。
 確かに粉でできているが中にトウモロコシやらココナツフレークなんかを入れるので、べたついている。
 また、櫛にさした白い丸いものを見て「お団子やぁ〜」と喜んだときも買ってみると魚のすり身の丸めたのを蒸したの(または揚げたの)だった・・・。
 ひどいときは、色も形もお餅そっくりの丸くてちょっと平べったいものを市場で見つけ
 「日本にもあるある。買って〜」
とうきうきいってると
 「なんで?砂糖は家にあったでしょう」
と予想外のことをいわれる。
 それは、固めたキビ砂糖であったのだ。

 というように、似て非なるものがけっこうあるので思いっきり浮かれた後ショックで突き落とされることが多い。
 これが西洋圏だともともと期待も少ないと思うのだが似てるものも食べるだけについ過剰な期待をしてしまいがちなのである。
 イカ焼きとかするめとか、焼き鶏、焼き魚なんかは定番の食事だし、漬け物のようなものも食べるので(もちろんご飯も)だからこそ、よけいに似て非なるものを見つけると望郷の思いが募るのであった。


 管理人から
似て非なるモノ…それはタイにある日本食レストランで出てくるもの…、と言えば分かる人は分かると思う。別にタイに限ったことではないが、海外で日本のモノを見たらだいたいそれは「似て非なるモノ」なのだ。タマネギの入ってないカツ丼、みそ汁に麺が入っただけの味噌ラーメン、酢飯を使ってないにぎり寿司…。数え上げたらキリないっす、マジで…。


 12月21日

 今お客様が来られているので、市内観光にいった。最後に帰り道にある
 免税店によってみる。普段前は通っていても宝石を買えるような生活をしていないので全く縁のないお店・・・。
 この機会に目の保養に訪れたのである。
 店内に入ると

 「こんにちは。いらっしゃいませ〜」
 「こちらへどうぞ」

などとすべて日本語で店員が案内してくれる。
 「ご家族で観光ですか?」
 といわれたので適当に「はい」と返事しつつ、昔旅行で来たときトゥクトゥクの運転手に何度も有無をいわさず連れてこられたなぁなどと懐かしさに浸ってみる。
 指輪などのアクセサリーを中心にたくさんのショーケースが並び、やはりきれいだ。
 宝くじが当たったらこんなお店で買い物してみたいぜ、などと思いながら冷やかして
いた。息子が
「お母さん、ウェーン(指輪)ほしい?」
などと時折タイ語を交えてしゃべっているので気づかれるかなと思っていたら、店員の中でも少し服装の違う年輩の方がいつの間にか寄ってきていて、私に日本語で

「あなたはどこに住んでいるのですか?日本語とタイ語とどちらをよく話しますか?」

と聞かれた。

 ががーん、ばれてる・・・。
 愛想笑いしつつ
「日本人なので日本語です」
というと
「その子供は日本人ではないですね。」
とさらに聞かれる。一応半分は日本人だ!と思いながら
「なんで?」
と聞くと
「顔がお父さんに似ています」
ええーっ、知ってる人か?
また、いつものだんなの友達か??と焦ってしまったが、良く聞いてみると顔つきがタイ人ぽいのだそうだ。(良かった、知らん人か・・・)
 お客さんを連れてきていることは連れてきているので、「冷やかし入店お断り」(かどうか、知らないけど)といわれることもないだろうが、相手が勝手に私も含め日本人のお客さまだと思っているので(事実、担当?の人は熱心に勧めていたし)なんとなく、
「私は住んでて、日本からのお客様は連れの方だけです」
というのも悪いかなと変に気を使っていたのだったが、さすがにたくさんの客を見慣れているらしいマネージャークラスの人の目は鋭かった。
「目の保養でいいですから」と日本語でいってたので「意味知ってます?」というと「もちろんわかります」と笑っておられました。(なんか負けた・・・)


 管理人から
観光に来たお客さんを連れてどこかに行く。ありがたがられる場合と、「ちっ」とイヤな顔をされる場合がある。つまり相場を知っている人間がいると商売がしづらいのだ…。そうなると向こうは「すぐ帰れビーム」を発射し出す。そう、相手にしてもらえなくなるのだ。さらに何か言おうとすると悪態を付かれるのでいつかHPでばらしてやると心に誓うのであった…。


 12月22日

 昨日映画を見に行って夜中に車で帰ってきた。
 途中いつも警察の検問をしているところがあって、普段は全然問題なく通れるのだがライトを激しく振った警官に停められた。
 緊張しただんなが「窓を開けて」というので、開けると中を懐中電灯で照らした警官が拍子抜けした様子で「行ってよし」という・・・。
 子供が寝てしまったので思いっきり助手席を後ろに倒していたのが、不審だったようだ。

 タイの警官は、基本給は安いがいろんなところからワイロがもらえるのでかなりいい生活ができるという。
 前にちょっとした事件に巻き込まれて警官がよばれた。
 いそいそとやってきて処理してくれ「遅くまですみませんでした」というと

「全然構いません。さて、示談金のうち10%を頂きたい」

と公然と要求されてびっくりした。
 こちらの気持ちであげるのがワイロなんじゃないの?
 しかも後で聞いてみるとそのうち半分は、警察で書類を作るときの手数料という名目で警察の収入になるということだ。

 その警官ははじめ私が日本人だったので、
「残念だが日本人にはしてあげられることはない」
とかいって冷たかったが、だんながタイ人だとわかると態度が豹変。
しかも示談金額がけっこうでかそうなのがわかると

「私にはパワーがある。(相手の)パスポートは没収する」
とか
「これで君たちは(相手)もうタイからでられない。お金を払えないんだったら、刑務所に入ってもらおうか」

とかとばしまくっていた。
 相手は訳の分からない異国で警官が頼りになると思っていただろうに完全にタイ人のこと、というより自分のことしか考えていなかった。
 タイでは仲介に入ってくれた人は例え警官であろうと、自分第一と思った方がいい。


 管理人から
タイの警察と言えばやくざがオフィシャルかして制服を着ているようなもの。お金になりそうな案件で以外滅多に役に立たない。日本では民事不介入だが、タイでは逆なのでは?と疑いたくなるほどだ。管理人も友達と歩いていたら通りかかりの警官にパスポートの提示を要求されたがコピーしかなく、それを見せたら「本物じゃなきゃダメだ、警察まで来い」と言われ、腹が立ったのでお偉いさんの息子に電話して話してもらったらすぐ解放された…。こんな話はタイでは当たり前なのだ。


 12月23日

 タイでお気に入りのテレビ番組をみるのは、意外にもちょっと大変である。
 なぜなら、番組の編成がわりとイレギュラーになっているので、いつ始まるのかはっきりしないことが多いから。
 もちろん、だいたい毎日同じくらいの時間に同じような番組をやってはいるのだが急に変わったりする。

 タイのドラマは夜の8時15分から10時頃まで(今は変わったかも知れないが私が見ていた頃は)毎日やっている。が月火・水木・金土日曜日で区切って一つのドラマをやっていたりする。
 はじめ日本のように1週間後に見たら、話が進んでいて「??」と思っていたら2〜3日続けてやっていることがわかった。
 また、再放送などは毎日同じ時間に30分ずつやっていることもあるのだが、日によって5分くらい始まる時間がずれたりして、やるのかやらないのかはっきりしない・・・。(始まるまで不安)
 もちろん、新聞やテレビガイドには編成表がのっているようなのだが、タイ語が読めないので役に立たない。

 こんなことに改めてこだわりだしたのには、つまらない理由がある。
 日曜日に子供がテレビをつけたらガラスの仮面(アニメ)をやっていたのだ。
 日本語と2カ国語放送だったので、思いっきり懐かしさに浸りながら見ていた。
 たまたま、火曜日も祭日だったので同じ時間にテレビをつけたらやっていたので毎日やっているのかとその後子供が幼稚園に行っている日にもつけてみたりするのだが、やってないようなのだ。
 毎週日月火?または休みの日のみ?(子供が見てそうだから)かも知れない。
 とりあえず今度の日曜はどっちにしてもやってる確率が高いので要チェックだ。
 しかし、その次は一体いつ??
 日本のドラマをやっていることも多いのだが、この変な編成のせいで見逃すことが多くどうも続けて見るのが難しいのだった。


 管理人から
管理人は普段ビデオ以外テレビを見ることはなかったのだが、サッカーとゴルフだけはテレビで見ている。これは基本的にLIVEなのでそのスケジュールを知っていれば問題ないのだが、WWEというアメリカのプロレスをタイでやることになって、これをエアチェックしたのだが、いつも時間がおかしくて困っている。新聞読んでもこれだもんなあ…。


 12月24日

 私は物忘れが異常に激しい。
 小学生の頃に夏休みが明けた後学校に行ったら自分の席がどこかわからなかったくらいだ。
 子供の頃から現在までこのすぐに何でも忘れてしまうという特技はいかんなく発揮され様々なやばい局面があった。
 学生時代も教科書を忘れたり書類を忘れたりといろいろあったが、今は子供の幼稚園のグッズなどを忘れてしまう。

 息子の幼稚園では毎月最終金曜日には私服通学である。
 それをうっかり忘れて息子一人だけが制服を着ていったことがあり、自分の間違いで子供に恥をかかせてしまったので、こんどこそ忘れないようにと気を配っていた。
 しかし、タイの学校の秋休みが終わった先月、またすっかり忘れていて幼稚園にいったら雰囲気がいつもと違う。
 しまった!と思ったが息子は「また、間違った」といいつつひとり制服で教室に入っていった。(ほんとにごめん)
 他に間違っている人は見あたらなかったので、なぜみんな一ヶ月に一回のことをきちんと覚えているのか、自分ってすごいばかなんだーと落ち込んでいたら昨日の宿題のノートに先生が「明日は私服」と書いておいてくれていたらしい。
 タイ語で書いてあるので、私の目にとまらなかった、がだんなが見ていた。
 じゃー教えろよー。

 
日本人には(タイ語で書いてあるのは)不利なんだから!!

 今月こそ、忘れないようにとカレンダーに赤で○を書いて安心していたら、今日は海水パンツを忘れた・・・。
 これも2回目でこの前はだんなが取りに戻ってくれたが今回はさすがにむっとしているので(そりゃそうだろう)市場で買うことにした。
 朝8時だというのに、店は開いていてサイズもあったのでなんとか間に合わせることができた。
 ほっとしていると、店の人が幼稚園の制服の胸に刺繍してある名前を見て「パトンに住んでるの?」と息子に聞いている。
 なんでわかるんじゃ!!
 おそるべし○○一族(あえて伏せ字)
 プーケットタウンの人にまで知られているとは。
 「あの一族には日本人の嫁がいて、よく忘れ物をして朝っぱらから買いに来る」
とかうわさされそうでなんか嫌・・・。


 管理人から
そうだったのか…そんなに物忘れが激しいとは。メルマガのネタだけはおくれることなくきちんと送ってきてくれていたので気づかなかった。しかしまあ、天下のタイ人が一人も忘れることなくやっているというのに、バリバリ日本人のみいさんが…。彼(息子)に同情してしまう…。


 12月25日

 だんなは趣味で毎朝早く起きて走っている。
 しかし、5時に目覚ましを頭の近くでかけているわりにいっこうに起きないで熟睡。
 仕方なく先に目覚めた私が起こす。彼は嫌そうに起きる。って、おいおい、なんか違うんじゃ?自分のことなんだから、自力で起きようよ。

 起きた後も水浴びしたりしてがさがさするので、結局寝られずそうこうしてるうちに幼稚園に行く子供を起こす時間になってしまう・・・。
 だんなはというと、4〜5km(本人申告)を走っているそうで聞くとそうやって早朝トレーニングに励んでいる人はけっこういるという。
 実は歩くのが嫌いなタイ人だが、運動をして体を作らなければという意識は一応あるようで涼しい朝や夕方に黙々と、やっている人はやっているのである。
 特に夕方には市役所前とかショッピングセンターの駐車場などでエアロビクスに参加している人が多い。マウンテンバイクで山道を走っている人もわりといる。
 面白いのが形から入るのがお約束になっていて、大抵びしっと典型的に決めた格好でやっている。自転車ならぴったりしたウェアに流線型のヘルメットとか。

 だんなも例に漏れず、「走るから服買いに行く」というところからスタート。
 ランニングシューズやらウインドブレーカー(?機密性のある長袖の上着。
 来て走るとサウナ効果でたくさん汗がでて早く痩せるらしい)やらいろいろ買わされた。
 そこまでしたんだから、ちゃんと起きて走れよと思う。
 そんなこんなで数週間・・・いっこうに体重が減らない。
 走った後はお腹がすくと大量に食べているからだと思われる。

 「ほらこんなに堅くなった」とかいって足を自慢そうにみせてくれるが、それは堅太りしているだけでは?

 このままではお相撲体型からプロレス体型になるだけのような気がする。
 すらっとした体型になる日はいつ??


 管理人から
なんかしらんが最近タイ人も健康に目覚めてきたらしい。特に自転車が増えたのに驚いた。昔は自転車なんてタイで見かけなかったけどなァ。とは言うもののあまりストイックな雰囲気のする人たちはいない。だいたいバンコクで走ったら逆にぜんそくとか気管支炎になって健康を害する気がするのは管理人だけではないと思うのだが…。


 12月26日

 タイ人はすぐに気が変わる。というより、感情の赴くままに話をして物事を決める。
 そのため、あとで「やっぱり辞めた」ということが異常に多い。
 映画を見に行く約束をして直前まで行くといっていたのに、いざ約束の時間になっても待ち合わせ場所にこない、そしてそのまま行方不明(後で聞くと途中で友達に会ってそのまま、飲みに行ったとか)なんてことを悪気なくする。
 そして、驚くべき事に待ちぼうけくらったほうも、怒っていない!

 「都合悪くなったんだな」と解釈し、しばらく待ってからひとりで映画を見に行く、または映画はやめて買い物に行くなどして、あまり気にしない。
 私は気にするので、この人達の両方の考えが全然理解できない・・・。
 今は携帯が普及したのでこんなことは少なくなったが、それでもタイの携帯は電話会社によって突然つながらなくなったり(時間帯によって)日本のと違いバッテリーの持ち時間が短いので、すぐに電源がなくなったりする。
 そんなこんなのどうしようもない理由で連絡をつけたいときにつかなくなることが多々あるが、やきもきするのはこっちだけで相手はなんとも思っていない。
 「ま、しょうがないか」とあっという間に気分を切り替えてしまい、今度会ったときでさえ「この前(あれから)どうしてたの?」などという会話は展開されない。

 とても不思議な思考回路を持っている人達だと思う。
 確かに済んだことは仕方ないのだが。

 ひとこと「ごめんごめん」とでもいえば円滑になると思うのに自分が悪いのではないから絶対にお詫びの言葉は口にしない。
 それで全く気にしてないのかというと、実は密かに怒っていたりするのでさらにやっかいだ。
 怒ってるとこっちが謝っても聞いてないし・・・。
 そして陰口をいう、けっこう陰険だと思う。

 ただ、自分がもし直前に気が変わって予定を変更することになっても申し訳なく思わないで済むのは気が楽だけれど。


 管理人から
この手のタイ人にとってとても不便なモノがバンコクにある。BTS(高架鉄道)である。これまでなら何時間遅れてきても「渋滞」のせいにしてきたが、BTSに渋滞はない。この手のタイ人と待ち合わせるときは、最初からBTSの駅近くを待ち合わせ場所にする。が、結局遅刻するやつや来ないやつは最初から来ないので、こういう事をまじめに考えているやつが損する国らしい…。


 12月27日

最近私は餅が食べたくて仕方がない。先日こちらに来られたお客さまからお土産に切り餅を頂き、気が付くとそれが5年ぶりに食べた餅だったのだ。
 タイでは、おやつ?にもち米の蒸したのを食べたりするので、あまり禁断症状はでていなかったのだが、久しぶりに食べたらとてもおいしくて、ついついいくらでも食べたいと思ってしまう始末。
 多分良く探せばどっかに売っているのかも知れないが、普段の行動半径には見あたらないため、ここは一つ自作するかと思いが先走る。
 といっても、餅つき機なんて重すぎるうえでかくて持ち込めないし、自分でつくわけにもいかない・・・。

 などと、思いを巡らせていたらふとみたテレビに映っていたのは臼と杵!!
 どうもタイの北部の農民の生活を紹介していたようで、臼と杵でなにやらぺったんこしていた。
 これはっと思い、後でだんなに説明する。
「タイは木のこんな形のものがある?」(ここで図解)
「なに?」
「テレビでやってた」
「それは、田舎のでしょう。プーケットはないよ」
「・・・」
「何で?」
「これでカオニャウをつくの」
「はあ??」
「それでお餅を作って焼いて食べたい」(この辺りでもう既に全然聞いてない)

しかし、無反応にも負けず「欲しい欲しい」といっていると
「あれは、お米の籾がらをとってるもので、あなたのいってるのとは違う」
といわれた。

 違うけどできそうだし・・・。もち米の新しい食べ方に全く関心を示さないだんなには到底わかってもらえそうにない。
 まあ、臼と杵をどうにかして手に入れたとしても実際力仕事は私ではできないから、やる気のない彼の協力は見込めないだろう。

 
プーケットの人は保守的で食べ慣れないものには否定的なので、たぶん苦労してお餅を食べさせても「ふーん」くらいだろうし。
 なんで白玉だんごは食べるくせにお餅に発展しなかったのだろう。


 管理人から
管理人も日本からの友達に何が欲しいと言われて、「餅」と答えたことがある。バンコクでも餅は手に入るがいかんせん高い。しかしたいには日本の餅米に似た米があるので、みいさん同様ソムタムを作る杵と臼でそれにチャレンジしようと思ったことがある。が、水分が足りない(固い?)のでできあがったモノはとても固い根性のいる餅になってしまった。これをお年寄りが食べるのはかなりつらいだろうなあという代物だった…。

 海外生活者「イスラエル魂」様からの情報です。

レンジで作るお餅

 イスラエルでは餅米が簡単に手に入ります。これはタイ人の労働者がたくさんイスラエルに来ており、彼らのためにタイの食材が輸入されているためです。餅米に限らず、ココナッツミルク、春雨、ビーフン、タイカレーのペースト、タイのインスタントラーメンと日本の食材より手に入ります。わたしも重宝しておりこのタイの食材をよく利用します。
 彼らはタイの中でも貧しい東北部(イサーン)出身者が多くて、東北部では餅米を好んで食べるためイスラエルにも餅米が輸入されているわけです。タイの東北部の人は、貧しい東北部から出てタイのあらゆる地域で見かけます。タイの南の島のビーチにいるマッサージ師や物売りは東北部の人がたいへん多かったと記憶しています。彼らと共に餅米を食べる習慣もタイの各地方に広がったようです。

 もうすぐお正月ですのでこの餅米を使ったお餅の作り方を披露します。タイの餅米は、日本のそれと比較しますと少し長細いですが、日本の餅米とどうように白い色をしていますから簡単に見分けることができるでしょう。
まず餅米1s位を用意します。水を取り替えて良く研ぎます。研ぎ終わった後はじゅうぶんの水に最低6時間ほど浸しておきます。餅米が水を全部吸ってしまうようでは水が少ないですから足りなかったら水を補充してください。ここでじゅうぶん水を餅米に吸わせることがお餅作りのコツです。

 6時間くらい浸した餅米をざるに取り、水を切ります。水を切ったお餅をミキサーに入れます。1sのお餅でしたら2回に分けてミキサーに入れると良いでしょう。そのままミキサーのスイッチをONしてもミキサーの中心のお餅米が僅かに砕かれて凹むくらいです。そこで水を少しづつミキサーの上の水を注ぐ穴から注いでいきます。
これは注意深く行います。ドバッと注いでしまうと柔らかい水っぽいお餅になってしまいます。
水を少しつつ慎重に注いでいくとやっと餅米が水によってじゅぶんに砕かれる状態になります。
そこで水を加えることを中止します。このやっと砕かれる状態で水を加えることを止めることもコツです。

 それからまだミキサーをまわし続けます。この時にヨモギなどを適量入れればヨモギ餅になります。

 ミキサーのモーターが焼き切れないように時々スイッチを切った方が良いでしょう。攪拌した餅と水を指にとって餅米のぶつぶつした感触がなければもうじゅうぶんです。ミキサーを止めます。餅米をじゅうぶん水に浸さないとぶつぶつとした感触がなくなるまで相当の時間を要します。

 このミキサーにかけた餅米はとろとろで真っ白のはずです。これを深い耐熱容器にとりサランラップをかけてレンジにかけます。レンジは最高の出力で15分ほどかけてください。

 とろとろで真っ白だったミキサーにかけた餅米が半透明のお餅のようになったらレンジから出してください。レンジの出力によって時間が違います。ミキサーにかけた液体餅米をいれた耐熱容器の底や端の液体餅米がまだ白くて半透明になっていなかったら、もう少しレンジにかけてその部分がお餅状になるまで待ちます。

 レンジから取り出したすぐは、たいへん熱いのでしばらく放置しておきます。2〜3時間経過したら手で触れますのでテーブルなどを利用して餅を広げます。テーブル上に片栗粉(コーンスターチ)を打ち、水につけた木へらなどで餅米を容器から取り出してテーブルなどの上に広げます。お餅の上にも片栗粉を軽く振って棒などを使って延ばしていきます。延ばし終わったら翌日には水につけた包丁で切ることができるでしょう。お餅が包丁にくっつきますから頻繁に包丁を水につけます。
丸餅の場合は少し水につけた手でちぎって丸めていきます。

 私の場合は、2sぐらいの餅米をお餅にします。この量ですとミキサーにかけるために4回に分ける必要があります。レンジでも同じように4回に分けて加熱します

 切ったお餅を冷凍庫で保存して食べたいときに解凍して焼きます。冷凍庫から取り出してレンジで数分加熱しても柔らかくなりふくれますが、わたしはやはり解凍後にオーブントースター等で焼いて焼き目を付けた方が美味しく感じます。

 それではベテアボーン

 12月28日

 近所のおっちゃんで私をみると親しげに満面の笑みで「あじのもとぉ〜〜」と挨拶してくれる人がいる。
 仕方ないので「あじのもと」と返事しておくが・・・。

 
タイではもちろん味の素はかなり有名で、日本製ということが浸透しているらしい。
(決して日本語のあいさつと思っているわけではない)
 さっきバイクでだんなの後ろに乗って走っていたらだんなの知り合いらしい人が手を振りながら「アリガト〜〜」とまたにこやかに挨拶。
 無理に知ってる日本語使わなくていいって・・・。

 まあ、プーケットの人は観光客に日本人も多いし、最近は住んでる人も増えたのでよく日本語を知っていると思う。
 「おはよー」「ありがとー」「こんにちはー」
などはかなりの確率で飛び交ってるし、
「しゃちょーっ」「おねーさんっ」
とか言って鋭く人を呼び止めたり、あるいは
「高くない。安いよ」
「これ、100バーツ」
とかやたら数字や売り込みにのみ強い人もいる。
 日本の歌に詳しい人とかもいて♪さかなさかなさかな〜とフルコーラスきっちり歌えたり(誰に教えてもらったのか?しかもちゃんと覚えてるし)、私のよく知らない日本の歌手の曲をかなり上手に(日本語だとわかり意味も通じるくらいの発音で)カラオケで熱唱できる人もいる。

 そして、彼らのほとんどは語学学校や大学で専門に勉強したのでは無く、単に仕事をしながら接する日本人との会話だけで覚えてしまっているのである。
 さらに日本語を(カタコトでも)話せる人は既に英語をマスターしているのだ。
 英語は世界共通なので、観光客相手の仕事をするには欠かせない。
 つまり日本語の上手な人というのは、少なくとも3カ国語話せるということで別に学校で勉強しなくても、「この商品をいかに高く売りつけて稼ごう」とか「日本人の彼女を」とか自分なりに強い動機づけがあれば、言葉というのはマスターできるものなのだなと思う。


 管理人から
所詮他国の語学など、興味がないモノは苦痛でしかない。おかげで興味もなく必要にも迫られない一般的日本人が外国語が苦手なのは当たり前のことである。ちゃんと勉強をしてないのでもちろん理解しがたい英語やタイ語だが、それを自信満々にやられるとけっこう通じてしまうモノらしい。ホントこんなことくらいでと思うほど自信にあふれているタイ人を見ていると、知識だけあって実践できない日本人が小さく見えてしまうね。


 12月29日

 今朝ガソリンスタンドに行った。
 しばらく待っていても係りの人がいっこうにこない。
 そればかりかガソリンを入れたい通勤通学の客が後から後からやってきて大渋滞になっている。
 たぶん朝早くて係員の数がたりないんだろうけど、それにしても要領悪くて見ていてもいらいらする。
 もっとちゃっちゃっとできんのかいっ!などと思いながら10分以上待った。
 周りの人達も朝の忙しい時間帯に明らかにいらいらしている様子。
 何人かは「ちっ」と舌打ちして入れないまま、去っていった。

 しかし、誰も何もいわないのである。なんかその雰囲気に感心してしまった。
 日本だったら客のひとりくらい「早くして」とか「いつまで待たせるの」とか何か一言いいそうなものだ。(大阪だけ?)
 全員顔はむっとしているものの、感情を出さずただひたすらじっとしているのはある意味ちょっとこわい・・・。
 国民性なのか、タイ人は苦情をいわないと感じていたが絶対いわないんだなと改めて思った。
 で、あとでだんなにいうと「スタンドの人もなんにもいわないから」だそうで。
 なになにのため遅れてまして、すみませんとかの説明もなく、ただ待たせてるのが悪いそうだが、その客を客と思わない態度にも驚きだった。

 結局タイ人は「自分のせいじゃない」という感情が強いので、例え遅くなっていようと与えられた仕事をただ黙々とこなすだけ。
 別に自分のせいじゃないから謝らないし、近くで見ている別の係りの人も手伝わない。
 客も待たされてても、何も主張しない、嫌なら別のところにいけばいい・・・なのだろう。
 この国にサービス精神はない、お客様は神様ではないのだー。



 管理人から
いえいえまったくその通り。タイではお客様は神様ではないし、すぐ怒る人はダメな人と思われる。まあ給料が安いせいもあるが、基本的にテキパキする民族性でもないし、滅私奉公という言葉もない。タイの会社が世界に通用しないのも当たり前のことなのである。ちなみに世界に通じるタイの会社、読者の皆さん知ってますか?管理人にはほとんど思いつきません…。まるで共産圏の国営企業だもんな、ここのは。


 12月29日

 車で走っていたら、道の脇を日本人カップルが歩いていた。
 しかしそこは、最寄りのホテルからもだいぶ距離のある山の中の一本道である。
 そういえば、前にも近くに何もない某ホテルから歩いて数十分のところを子連れでとぼとぼ歩いている日本人観光客がいて、気の毒に思って車に乗せてやったこともある。
 日本人の私から見ると歩くことはそんなに苦にもならないし、炎天下でなければ異国の散策にその辺を歩いてまわることもまあ、わからなくもないのだがタイ人からみるとものすごく奇異にみえるようだ。

 タイでは「歩かない」ことが美徳である。
 暑いから汗を流して歩きたくないのだ。
 当然出掛けるときは、乗り物に乗る。たまたま家のバイクが出払っていたら通りかかるバイクタクシーに乗る。
 歩いている人はバイクを持っていないか、バイクタクシーにも乗るお金のない人・・・つまり貧乏人である。
 さらに悪いことに日本人=金持ちという意識が定着しているので(旅行客がとても多いし、金遣いも旅行なので当然荒いため)その日本人が歩いていると「お金が無く貧乏」というより「単なるけち」と思われる。

 そういえば、日本人は買い物するときにも値切るし・・・とか(高い値段を提示されるのがわかっているから、とりあえず値切ってみるだけだが)、全然奢ってくれないし、とか(タイ人はたかってくるので、知り合い一人に奢ってやったら後で我も我もと大変なことになる)自分勝手な理由をいろいろ思い出して「日本人はけちだ」と結論づけられてしまう。
 私が「歩くのも楽しいんだよ」とフォローしてみても
「たった20バーツくらいでバイタクに乗れるのにけち。暑いのに歩くなんて、ばか」
と切り捨てられる。
 ちょっと郷に入りて郷に従えなのかな、と思ったりするのだった。


 管理人から
日本人は大きな金にはおおらかで細かい金にけち。これはもう間違いない。が、歩いて回りたいのとけちを一緒にされたのではたまったものではない。だいたい歩いてのんびりと見て回るとか言うのはタイ人の感覚にはないわけで、散策などしているタイ人などない。おまけにタイ語や英語が出来ないので歩いた方が楽だという話もある。タイ人は主観的なので、あまり相手の立場に立ってものを考えるのは苦手なんだよなあ…。(これが良いときはスゴく良いんだけどね)


 12月31日

 早いもので2002年もおおみそかを迎えた。
 今年は異常気象で年末だというのに雨が降り続いたりして、そうでなくても暑くてクリスマスお正月という気分が全然しないのに、さらに混乱する気候であった。
 子供は体調崩して熱を出したりするし、なんだかいつもと違った意味でばたばたしておおみそかを迎えた。

 悪天候にもかかわらず近所のタイ人たちは、この日は仕事そっちのけで(いつもか?)夜の宴会の準備にいそしんでいる。
 隣の空き地でも、薪を集めてきてなにやら鍋を火にかけてみたり、トリの丸焼きの準備をしている人もいる。
 小雨が降ってきても、トタンで簡易の屋根を作ってまで煮炊きしていて、新年に賭ける意気込みが感じられる・・・というか本当に人が変わったようによく働く、遊びが絡むと。
 そんなこんなで夜。
 隣の敷地で宴会している人達に呼ばれていってみると、先ほどの鶏やら豚やらが切り分けられ、焼き飯もできていた。
 酒の肴も各種とり揃えられビールやお酒を持った人達が次々と集まり、星空の元宴会は延々と続いた。

 とはいうものの、大人だけのしかもタイ人の集まり。
 私と息子は手持ちぶさたでつまらない。
 急遽友達の家におじゃますることにした。
 毎年おおみそかは、楽しそうなだんなに比べ親子2人で普段と変わりない夜を過ごすので、初めて日本人のお家の年越しに参加させてもらい、とても楽しかった。
 そのお宅には、ほかにもたくさんの日本人の友達が来られていて普段ほとんど日本人と出会うことのない私には、まるで別世界。
 息子も幼稚園ではタイ語だけで生活しているので、日本語もわかる数人のお友達と遊べてものすごく楽しかったらしく、いきいきしていた。

 
2時間ほどおじゃましてから、家に戻り近くにある親戚のアパートの屋上で年越しの花火を見る。
 海沿いのホテルから年の変わり目に一斉に打ち上げられるのが壮観で花火に混じってお寺でも鐘がならされ、新年を迎えるのであった。


 管理人から
タイの新年。ご存じの方も多いかと思われるが1月1日はある意味イベント的な新年であり、実際にはタイ正月のある4月の方が全然盛り上がる。おかげで我々日本人は少々寂しい思いをする。ああ、年越したなあと言う感じはどこにもない正月なのだ。でも「年越したなあ」と思うことがないので、老けることもない気がしてくるのは管理人だけだろうか…。

今年も一年ありがとうございました。