10月1日

 タイ人は枕が好きである。
 たぶん寝るのがすきだからだと思うが家中に枕とかクッションがおいてあり、気が付くと誰か寝ている。
 寝室には、1mくらいの抱き枕が大抵置いてあり、それがないとぐっすり寝れないという人もいる。
 だんなの実家では、義母は抱き枕がなくても寝られるが、義父は抱き枕が無いとだめとかで、想像するとちょっとラブリー。
 だんなの姉弟も抱き枕派となければないでいい派に分かれる。
 私は日本で使ってなかったので、どうでもいい派だったのだがだんながあまりに勧めるので使ってみたら、寝付きが良くなり今は抱き枕派。
 だいたい、暑くて寝苦しいのに枕なんて抱いてたら、よけいに暑いと思っていたのだが、枕に寄り添って寝てみると心地よかったりする。
 今では3人家族なのに、抱き枕が5本もある。
 子供が壁にぶつからないようベッドの端に並べたりいろいろ使える。


 管理人から
 なぜかタイの家には枕がたくさんある。この細長〜い枕、抱き枕はかなり便利。ホントに寝付き良くなります。日本の皆さんも是非使ってみてください。彼氏、彼女よりも重宝するかも…。


 10月2日

 タイにはUBCという衛星放送があって、タイのテレビのほか、CNNとかMTVとかディスカバリーチャンネルとかが映る。
 子供用のチャンネルや日本ほかアジアの映画チャンネル、スポーツチャンネルなど、多彩なプログラムが楽しめる。
 プーケットは山がちで電波の入りが悪いところが多く、アンテナをつけてもほとんど見えないため、ケーブルテレビかこの衛星放送を受信している家が多い。
 が、問題なのはその値段。
 1ヶ月1400バーツくらいする。
 これは、物価から考えるとかなり高いと思う。
 月収5000〜1万バーツの人には、きついはず。
 でも、ほとんどの家に付いている。
 まあ、こちらの人は大家族で住んでいることが多いので、数人の収入を合算すれば一家として、それくらいの支出は可能なのかも知れないが、たかがテレビなのに。


 管理人から
 タイの地上波ってのは一応タイ全土で見られてかつ6局ある。が、どれを見てもほぼ同じ番組。どこかで人気が出れば違うところでパクリがすぐ出る始末。ケーブルテレビではタイの番組ではなく、世界中の番組やスポーツをやってる。スゴイのはほとんどタイ語になってるってこと。これだけの番組をタイ語にするのってそれだけで大変だと思うのだけどね…。


 10月3日

 プーケットの雨期は長い。
 なんだかんだいって、年の半分は雨期である。
 雨期でも晴れることもあるが、湿気は常に多いらしい。
 その証拠にちょっと油断すると、かびに襲われる。
 家中の至る所にはえてくるのだが、主に合板の洋服ダンスとかキッチンワゴン、お菓子を作るときに使う泡立て器の柄まで侵される。
 さて、私は映画がすきで日本でだいぶ前にビデオに撮ったコレクションをはるばる運んできている。
 現在日々の暮らしにおわれゆっくり見ている時間がとれないのだが、定期点検はかかせない。
 数ヶ月に一度箱から出して眺める。
 なぜなら、テープにまでかびが生えてくるから。
 今日も最近チェックしていないことに気づき、1本1本見てみると、実に3分の2の内部にしろいかびが広がっていた。
 テープの窓から見える黒いはずのところが一面白い・・・。
 ひたすら早送りと巻き戻しをして、すべてのテープをチェックしたときには2時間が経っていた・・・。
 これを定期的にやるわけである。無駄な時間だ。


 管理人から
 タイでエアコンが必要な理由の一つにこの湿気ってのがあるんじゃないかって気がする。エアコン回していれば除湿効果あるから。ところでタイで除湿器ってモノを見たことがない。結構需要があるかと思ったけど、所詮閉め切った部屋ってモノがないからダメだね…。(閉め切っているようなところはエアコンあるね…)


 10月4日

 プーケットの人は、あまりプライバシーとか気にしない人が多い。
 もともと、近所が親戚ばかりだからか、他人のうちに入ってきて突然冷蔵庫を開け、中の物を飲み食いしたりする。
 はじめはいちいち驚いていたが、最近は自分も同じようにしている。
 やられたからやり返しているわけではなく、相手も気にしていないのだ。
 ところが、なぜか車だけは違うようで、中が見えないように窓に黒いシートが張り付けてある。
 車に見られて困るものをのせるわけでもないのにとずっと思っていた。
 2年前に車を買って初めて気づいた。
 暑いのである。
 それもめちゃめちゃ暑い。
 日本でも夏場はかなり中の温度が上がるが、プーケットのそれは半端じゃない。 日陰に停められなかったら、5分もしないうちにサウナよりすごいことになってしまう。
 窓が黒かったのは、中が見えないようにではなく、日よけであった。
 それも、シールド1枚貼りではまだまだ暑いので2重3重に貼る。

 そのため、一見柄の悪い車のような全面スモークの車ができあがる。
 まあ、中が見えにくいので案外防犯も兼ねているのかも知れない。


 管理人から
 あんまりスモークが濃いので車の中が見えない。たしかこれ、法律でこの濃さが決められていてその濃さを判定する機械を警察は持っている。はっきり言ってスモーク入りの車はほとんど違反していると思うが、もうすでにこれを取り締まっているのを見なくなって久しい。ああ、ヤッパリタイだね。


 10月5日

 先日の「今日もタイから独り言」で「タイ人は自分が不利になるとどっかへいく」という話がありましたが、それは、うちのだんな!!
 ちょっとしたことで言い争いになり、自分が旗色悪くなるとまだ話してんのに、ふっと出ていこうとする。
 家の中にいるときはまずトイレへ、そしてベランダへ、それでも追いかけて責めると玄関から外へ出ていく・・・。
 相手はバイクを操れるので、それでもしつこくしゃべり続けるといずこへともなく去ってしまう。
 で、わりとすぐ5分くらいでもどってきて開口一番
「ご飯食べたの?」
これかなり脱力します・・・。
 まさしく、相手の怒りが冷めるのを待って話題を変えようという作戦。
 でも、この作戦では何も解決してないので、結局またいつか同じことで怒りが爆発し、私にストレスが貯まるという最悪の展開に。
 逃げないで、その場でこっちの気が済むまで話をさせてくれれば繰り返すこともないのに、といつも思う。
 物事を話し合って解決するのが、苦手な人種なんでしょう。


 管理人から
 タイでは自分の担当者がすぐいなくなるなんて日常茶飯事。担当者がいなくなったら代わりの人や会社が責任取るなんて思ってはいけない。「あの人しか分からないから」とか、「あの人がいないから」と逃げられてしまう。タイ人は自分の能力を超えた段階からまったく機能しなくなり、そしてその努力が苦手な民族らしい。


 10月6日

 今日からギンチェー(ベジタリアンフェスティバル)というプーケットのお祭りだ。
 華僑の祭りにも関わらず、便乗して楽しむ仏教系地元の人も多い。
 期間中はあちこちに特設屋台がでて、ベジタリアン食が食べられる。
 いわば、精進料理だが、味は店によってかなり違う。
 参加者は、白装束に身を包むのが決まりなので(清めている)全身白い服装の人がいっぱいいて、日本人の私には少し不気味だ。
 学校が偶然長期休みの期間にあたるため、子供もあちこちにあるお寺の行事を見に行ったりする。
 夜には、星空の元で映画が上映されたり、屋台がでたりする。
 今朝は、笛の音もどこからともなく聞こえてきて祭り気分が盛り上がる。
 このお祭りについて、詳しくは下記ホームページもどうぞ。
 (去年の様子を、コラム堂 http://oyatudou.easter.ne.jp/


 管理人から
 ジェー(齋)と言うのは本来華僑の行う宗教行事みたいなものでその中の一つとしてベジタリアンもどき(肉、乳製品、ニンニクなどの刺激物をたべない。つまりベジタリアンとはちょっと違う)なことをする。だいたい10月に10日ほどあるのだが、この間は本当はいろいろとしちゃいけないことがあるらしい。が、それほど厳格でもないらしく、タイ人が真似してお祭りっぽくしているようです。ちなみにプーケットのは本来のとは違った意味でかなり有名です。(アメージングな意味で…)


 10月7日

 タイ人はなぜかあまり手を洗わない民族である。
 理由はわからない。
 実は、プーケットにいる日本人でそのことに気づいていた人はけっこういた。
 病院で働く人に健康やばい菌についての講義をして、やっと手洗いの習慣がついた、といっていた日本人もいる。
 だんなの実家では、お風呂(というか、タイ式の貯め水のある部屋)にしか、せっけんが置いていない。第一洗面所というものがないし・・・。
 ご飯を食べる前などは、もちろん手は洗わない。
 私は、いちいちお風呂場まで洗いに行っていた。
 で、家族は外から帰ってきた手でもち米をぐちゃぐちゃと丸めて食べたり、ういろうのような甘いべたつくお菓子を手でちぎりながら食べるわけである。
 しかも、私にも勧めてくれる・・・。
 「遠慮しないで」といいながら。


 管理人から
管理人が住んでいるバンコクの人たちや北・イサーンなどの人たちは日本人を超えると思われるほど清潔好きなのだが…。実はバンコクにはあまり南の人たちは住んでないので、それほど気づかなかった。必ずおしぼりが出てきて、手を拭かされたり、出てくる皿やフォークなどもちゃんとティッシュで拭くのはタイ人では常識だと思ってましたが、プーケットは違うんだなあ、ヤッパリ。


 10月8日

 ベジタリアンフェスティバルの屋台に行って来た。
 今年は5日から15日までタウンの数カ所で開催されているが、タイ航空のビル近くのラノーン通りの屋台街が最も大きい。
 この期間は年に一度の私の楽しみでもある。
 それは、天津甘栗が売っているから。

 日本人にはお馴染みの栗もプーケットでは気候の関係かとても珍しい食べ物であるらしい。
 普段は売っていないのだが中華系のお祭りだからか、期間中に甘栗屋台が出現する。
 数年前初めて見たときは、感動した。
 なんとなく覚えのあるあの匂いに釣られていくと・・・お馴染みのぐるぐる回る甘栗機械で栗が焼かれている。
 ちょうど雨期の終わり頃で、雨が多く肌寒い時期にあたるので日本の冬の雰囲気を彷彿とさせ、甘栗を買うには良い季節である。
 1kg180バーツというタイの物価から考えるとかなりの高値、強気な値段設定にもかかわらず、珍しさと知る人ぞしるおいしさからけっこう売れている。
 我が家にとっても贅沢品の部類だが、このときばかりは普段節約生活に励む私も思い切った買い物をする。
 他の人が500gとか1kgと買っている中「3kg!」とかいって周りの人に「おおーっ」とどよめかれたりする・・・。
 しかも期間中に2〜3回訪れて店の人に顔覚えられるし。
 年に1〜2回しか食べられないと思うと、必然的に気合いが入ってしまいこういう行動に出るのだが、異国で暮らしていると懐かしい食べ物に敏感になってしまうのかもしれない。
 ずっしり重い、ほかほかの甘栗を抱えて家路につくとき、なんともいえない幸せを感じる。


 管理人から
海外に住んでいると無性に日本のモノが恋しくなる。日本食しかり、日本語しかり、日本人しかり…。日本人のたくさんいるプーケットでも現地にとけ込んだ生活を送っているとそうなるんだってことをこないだ実感した。そう、バンコクはほとんど日本に住んでいるのと変らないのだ。みいさんはバンコクに遊びに来たときホント舞い上がっていたもんなあ。


 10月9日

 相変わらず白熱している選挙運動。
 だんなは今日は朝3時半に起きて、市役所に行った。
 早朝から何をするのかとおもえば、選挙の立て看板(パネルみたいなの)を役所に設置する日?だとかで、しかし早く行かないと相手候補にいい場所を取られるからだそうだ・・・。
 夜の間に置きに行くと盗まれるそうで、朝になったとか。
 もちろん相手も似たような手段を執っているとは、思うのだが・・・。
 タイでは夜に暗躍するのが、いろいろとポイントのようで、相手の支援者は真夜中に各家に貼ってある互いの支援者のステッカーを確認し数を数えたりするらしい。
 それに対抗するため、だんな達のほうでは、支援者の車に貼っていたステッカーをすべてはがした。
 そうすれば、そのうちはどちらの候補を推しているかわからないから、だそうだが・・・
 相手の支援者は相手のステッカーを貼っているので、何も貼ってないとこっちの人だと思われるんじゃ??
(はっきり確信がもてないため、浮動票と思われるのかも知れないが。)
 だんなはこれがものすごい陽動作戦のように得意げに語るが、ほんとにそれが大の大人がまじめに考えた末でのことなのかと首を傾げたくなる。(日本で選挙活動したことないので、本当はこんなのでもいいのかも?という気もしないでもないけど)
 しかし、なんというかこういう子供だましの作戦を毎日毎日夜遅くまで会議しては検討しているらしい。
 なんか・・・こんなんでだいじょうぶなのか、すごく気になる。


 管理人から
 このプーケットで今一番のビッグイベントである選挙、実は選挙戦がもうすでに何ヶ月も続いている。ずっと読んでいた人なら分かると思うが、いったいいつになったら結果が出るのか?と言うことを聞いてみたところ、これはお祭りみたいなものだから長く続いた方がいいと言うことらしい。ああ、なんていい国なんだ。


 10月10日

 朝早く起きてしまい、昨日は4時からパソコンをしていた。
 しばらくしたら、突然真っ暗に。
 プーケットではよくある停電である。ただ、朝方だったから月もなかったのか、もう自分の手も見えないくらいの漆黒の闇・・・で、ちょっとびびった。
 はるか昔、山でキャンプした子供の頃を思い出したりして。
 普段は、電気を消しても周りの明かりや月明かりなどで少しは見えるものだが、ひたすら真っ暗だった。
 1時間位したら、夜も明けてきてほっとしたが。
 日本でも私が子供の頃は、台風のときとかけっこうよく停電したものだ。
 しかし、普段から慣れていなくて懐中電灯を探すのに手間取っていた記憶がある。
 プーケットでは、月に一回ほどではないにしても「またか」くらいは停電するため、懐中電灯はもちろん、ろうそくを常備しているのが当然で、数分待っても復活しないときはすみやかにろうそく生活に移行する。
 そして、平然とそのか細い明かりを頼りにごはんを食べたり、おかずを作ったり、水浴びしたりする。
 だんなの実家で停電になったときは、それらを見て「電気がなくてもわりと平気で行動する」ことに違和感を覚えていたが、何事も慣れ。気がつくと自分もできるようになっていた。


 管理人から
停電。日本では最近ほとんどお目にかからなくなったけど、海外では結構しょっちゅう起こる。タイで起こる停電の原因はいろいろあるが、管理人が一番まいるのはカミナリ。タイのカミナリってのは日本の比じゃなくって、ホントすさまじい。そして停電すると何が困るってPC。いつ壊れるかヒヤヒヤする。でも少なくともバンコクは停電減ってきてますよ〜、昔よりは…。


 10月11日

 イタリア人と結婚したお姉さん、旅立つ前にすごい荷造りをしていた。
 もちろん、私も日本から来るとき日本食を持ってくるから気持ちはわかる。
 しかし、まずカバンに巨大なタイの三角枕を入れた後、隙間に真空パックのとうふ、湯葉、干し椎茸、乾燥唐辛子数種類、煮干しなど乾物類はまあいいとしても、タイショウガ、パクチー、ヤングコーン、パッカナー、バイマックルー、ホーム、漬け物、ナンプラー、ゲーンの素ニンニク、タマリンド、豆類、するめ、春雨、アヒルの卵(ゆで)・・・
 きりがないので以下省略しますが、これらのものが台所に所狭しと並べられていて、母親といっしょに葉っぱをむしったりしつつ、個別にビニール袋に詰めていました。
 生野菜をそんな大量に運んでも、食べるまでに痛んでしまうんじゃと思うのですが、在住タイ人の友人を集めてタイ料理パーティでもできるくらいの量でした。
 イタリアに行ったことないのでわからないけど、野菜とか生ものってそんなに持ち込めるのだろうか。
 また、空港でカバン開けられて質問されたら絶対答えられないと思う。
 カタコトの英語と笑顔とパワーで乗り切るのでしょうけど・・・。


 管理人から
さすがはあのお姉さんだ…。それにしてもこの食材のうち、イタリアで手に入らないモノってどれだろう?ほとんど手に入るような気がするが…。枕が持って行きたくってその隙間を詰めただけなのかな。タイから行ったらどこに行っても持ち物怪しまれるのにねえ。


 10月12日

 私はタイ人に、ものすごく神経質な人と思われている。
 例えばお菓子を食べるときは、お皿を持ってきてくずがこぼれないように受けて食べるように息子に指導していると、かなりびっくりしていた。
 タイ人にとって、家に蟻が入ってこようが何とも感じないのだろうが、私は嫌だ。
 お菓子のくずやら、パンくずがあれば、5分と経たない内に蟻が部屋中を歩き回る・・・。
 さっき、だんなの友達の家に遊びに行ったら、おばちゃんが息子にパイ生地のお菓子をくれた。
 袋から出してそのままくれたので、食べた息子は革張りのソファの上に、ぱらぱらとパイ皮を落とす。
「そんな、掃除しにくいところに〜」
と見ている私はどきどきしたが、タイ人の家族はにこにこ笑っていて、全く気にしていない!!のが印象的だった。
 そのリビングでは、網戸があるのにも関わらず、窓を全開にしていて虫がぶんぶん入ってきていた。
 あとで窓を閉めたとき、うっとおしいと思うのだが、そんなことに神経を使っていても疲れるだけなのだろう。


 管理人から
タイ人のこういうところはよく分からなくなることが多い。つまり、根本を解決しようとしないところ。このケースもあとで掃除すればいいとか、あとで虫を追い出せばいいと思っているが、掃除しなくてもいいようにとか、虫が入らないようにとかは考えないらしい。これはほぼすべてのことに当てはまるような気がする…。


 10月13日

 前に住んでいたアパートは海から歩いて30分の距離にあった。
 海のない県に産まれ育った私には、歩いていけるというのがとてもうれしかったものだが、実はもうひとつうれしいことがあった。
 生まれてこの方、聞いたこともない波の音が聞こえてくるのである。
 ただしそれは、早朝4時頃にのみであるが。
 プーケットの夜は遅く、海沿いのディスコやバーは深夜まで盛況である、そして行き交うバイクや車も多い。
 そのため、昼間は当然夜間も波の音は普通聞こえてこない。
 しかし店が閉まりほとんどの人が寝静まる一時、音楽もなくなり風の音や排気音も途切れたほんのしばしの間だけ、耳を澄ますと「ざざざざーっ」とかすかに潮騒が聞こえてくるのだ。
 その微妙な距離感がやけに気に入っていた。
 昼間海にいって間近で聞くのとは違う、なんともいえない趣があった。
 もちろん、そんな時間に起きることはめったになく、また起きていても聞こえない日もあるので、数回しか聞いたことはなくそれも夢か現実かほんとに聞こえたのかも、わからないくらいのそんな楽しみだった。
 引っ越した今は、歩いて1時間くらいの距離になってしまったためと山の中なので虫の音が響き、まだ潮騒は聞いていない。


 管理人から
海のある県にしか住んだことのない管理人だが、いまだかつて自宅で潮騒を聞いたことはない。日本の整備された海じゃ聞こえんよね。にしても、プーケットも一日中うるさいところだから、潮騒が聞こえるなんてスゴイ時間帯だけなんですね。


 10月14日

 プーケットの人は、なぜかその辺にゴミを捨てる。
 買い食いした後のビニールもぽいっと躊躇なく投げ捨て、飲み切ったペットボトルも窓から捨てる。
 家の周りに捨てたら、ずっと目に付くのではないかと気になるが目につくことはあっても、気にはならないらしい。
 さて、そんな島にあって清掃人は大活躍である。
 たぶん市の職員と思われる麦藁帽に竹ほうきのおばさまが朝から晩まで出動し
道路のゴミをひたすら掃いている。
 また、ビーチではデッキチェアを並べたり飲み物を売ったりする人がいて、朝はまずその人達やビーチボーイ数人で空き缶空き瓶を回収していたりする。
 観光客にはマナーの悪い人も多く、砂浜の砂の中にわざわざ吸い殻を差し込んで消したり、埋めたりする人もいてそれも(ビーチパラソルの下が中心なので)いちいち掘り出して捨てる。
 家庭のゴミは道路脇の大きなゴミ箱に捨てられるが、収集員はそれをざーっと車に開けた後、手作業で分別している。
 ゴミの車は日本と同じように回転する歯車でゴミを潰すようになっているが、瓶とかもそのまま捨ててあるのでそうしないと壊れてしまうのだろうか。
 庶民にはリサイクルという感覚はまだあまりなくても、役所では積極的にやっているようなのが救いである。


 管理人から
たしかにこの国はゴミだらけで汚い。しかしちゃんと仕事としての清掃人が毎日毎日街を掃除している。おかげで何とか保っていられる。ビーチボーイもこんなところで自分の仕事場を掃除しているかと思うとなんかかわいい感じ。タイにはまだ環境という言葉はともかくリサイクルという言葉は考えられてないらしい。タイにとってのリサイクル、それは中古品を何年も使うと言うことくらいだろう。


 10月15日

 プーケットにはたくさんのホテルがあり、そのすべてで膨大な量の水を使っているわけである。
 そのホテルの水道から出てくる水は一体どこから来るのか。
 実は、我が家の近くの山中から運ばれているのであった。

 ゴムの木の林の途切れた辺り、道に突き出すように突然青いパイプが見えている。なんでこんなところにこんなものが?と不審に思っていたのだが、たまたまトラック(というか水を詰める構造の車)が給水しているところを目にして、後から人に聞いたらそう教えてもらった。
 その水の元は、山の雨水や川の水であるから当然飲料には適さない。
 でも、旅行中はそんな水とは夢にも思わなかった。
 水道から出てくる水にも、島ではそんなドラマがあったとは。
 (たぶん)清流からの水とはいえ、やはり慣れてない旅行者には合わないこともあるようで、それがよくいわれる「氷を食べるな」とか「生野菜に注意」とか「屋台は危ない」などの南国のことわざ?となっているのだと思われる。
 ちなみに氷は、そんな水からではなく飲料水で作られているので普通はOKのはずである。
 しかし野菜はもちろん山からの水で洗われているし屋台に限らず食器もその水で洗われているので、旅行中などで疲れが貯まっていたりすると体が拒否反応をおこすかも知れない。
 大雨の後は、山の土が溶けだして濁った水になっていることもあるので注意が必要だろう。


 管理人から
プーケットくらい大きな島でもやっぱり水問題は大きい。あれだけ雨期に雨が降っても貯めることが出来ないので乾期になったら大問題なんだろうなあ。にしても、みいさんの家の裏山がプーケットの水源だったとは。プーケットの水が時々濁ってるのもうなずけるわな。


 10月16日

 あるホテルのスタッフパーティに潜入した。
 知り合いに「来てもいいよ」と券をもらったからだ。
 時間は夕方の5時スタート。出掛けるのが遅れ6時半頃に着いた。
 会場はホテルの一角で普段はロビーから一般客も入れるようになっているが、植木を置いて通れなくされていた。
 どこから入るのか、しばし悩みホテルの人に聞こうにもほとんどのスタッフが仕事そっちのけで参加しているのか人が見あたらない・・・。
 やっと見つけた人の助言は「乗り越えろ」だった。
 乗り越えるとそこは、別世界。タイ料理の屋台がたくさん並んでいて飲み食いしつつ、大広間で生バンドの演奏を見る。
 出演者はふだんホテルで働いている普通の人達のはず、なのにみなさんすごい。
 早い話が生バンドのカラオケで1曲ずつ歌っては交代していくのだが、まずなんでそんな服?というくらいど派手!!
 女の子はみんなビキニみたいな露出系の服装にブーツとか、アラビアの人みたいなコスチュームとかで妙にきめてる。
 見てる方も同僚がでてるんだから盛り上がって大声援、赤いバラを一輪渡しに行ってみたりしている。
 女の子のほうも本物の歌手みたいなアクションで受け取る。
 何百人かいるスタッフの中にはそりゃ歌のうまい人も多いだろうが、とにかくみんなかなりうまいし、もちろん振り付けつきで激しく踊る。
 いつの間にかステージ近くに詰め寄り踊り出す人達多数により、気がつくとまるでタイのディスコ状態・・・。(いったことある人はわかってくれると思うが、タイ人はとにかく変な踊りを自分勝手に踊りまくる・・・)
 夜も更けるに連れ、ステージはおかまショーに移り、ほんもののゲイなのかしゃれでやってるのか、きれいな(というより妖しい)お姉さん達が大勢現れ一段と高まる声援の中、頭が痛くなってきたので帰りました。
 正直これほど、楽しめるとは思ってもみませんでした。
 最初あまり気がすすまなかったが本当に参加して良かった。
 タイ人とは違った意味でとても楽しく笑いがとまりませんでした。
 普段だらだらと働いているタイ人もこういう時は別人のようでした。



 管理人から
遊ぶときこそ本当の姿を見せるタイ人の本領発揮と言ったとこでしょうか。そういえばタイ人はコスプレとか結構好きなのではないだろうかと思っている。日本のアニメのコスプレしているテレビもよく見かけるし。それと自分の世界に入ってしまう人が多い。誰が聴いてなくても、見てなくても恐ろしく悦に入った表情で妙な振り付けをしながら、下手なカラオケを熱唱してる姿、これもタイでよく見る光景である。


 10月17日

 だんなは地元の人なので、やたら知り合いが多い。
 外出すると必ず、知り合いに会う。
 もちろん私の知らない人ばかりだが会うたび相手は「あれが奥さんか。日本人か」と私のことを認識しているわけである。
 そしてそれがその人達の親戚に伝わる。
 必然的に私の知らない人から知られている確率がものすごく高くなる。
 そして、道を歩いていると突然見ず知らずの人から「○○さん(義母)は元気?」とか「今日、だんなは?」とか聞かれる・・・。
 「あんたは誰なんだ??」と思いつつてきとーに返事をするが、けっこううざいものである。
 なにしろ、ちょっとロータスとかに買い物に行くだけで、新しい知り合い数組に会う、人混みなんかいくと絶対「ひさしぶり〜」とかいう人がわらわら現れ、その度に私と息子は好奇の目にさらされる。
 そして、話は広がり・・・。
 それにしても、なんでこんなに知り合いが多いのか。
 私も日本では親の転勤もなく、同じ場所に住んでいたがこんなに次から次に知り合いには会わない。
 例え近所のスーパーに行ってもだ。
 これが島の生活なのか?じゃあ、沖縄ってこんな感じ?とかふと気になってしまったりする。
 まあ、こちらが知らなくても相手が知っていて息子にお菓子をくれたりとたまにいいこともあるが、この前全然知らない人がバイクの後ろに乗せてくれた。
 だんなの知り合いだと思っていたが、良く聞いてみたらただの知らない人だった。(日本人だから話しかけてみたらしい)
 これを誰かに見られていて「男のバイクの後ろに乗っていた」とかいううわさがだんなの耳に入るわけである・・・あー、めんどくさい・・・。


 管理人から
管理人も遊びに行くとみんなに名前を知られている。名前が覚えやすいのかキャラが覚えやすいのか知らないが、半年ぶりに行った店でみんなに名前を呼ばれる…。これはいいことなのか悪いことなのかと言われたら、「得なこと」ではないかと思う。しかし、みいさんのようにあまり多すぎるのはいつかだまされそうで怖い。何事もほどほどがいいなんて思ってしまうところは、やっぱりまだまだ日本人なんですね、私たちも。


 10月18日

 プーケットは、タイの南部にあるため仏教のほかにイスラム教勢力がけっこう強い。
 過激派はいないのだろうが、去年のテロの時には支援者もいるかも知れず、怖かったりした。
 イスラム教ではお祈りがかかせず、そのため彼らはわりと固まった地域に住んでいてそこには必ずモスクが建てられている。
 そして、その数は意外にもとても多い。
 プーケットのほぼ全域をカバーしていて、仏教勢力と2分しているかイスラム教のほうが強い地域もたくさんある。
 なんといっても、1日数回のお祈りの時は大音響で周囲の人に時間を知らせる放送および祈りの声がモスクのスピーカーからがんがんとどろいてくる。これが半端じゃない・・・。
 近くには絶対に住みたくないと思う、関係ないものにとっては騒音でしかない。
 プーケットに旅行できていた頃は異国情緒あふれる響きに胸を熱くしていた物だが、住んでいると次第に「毎日毎日、何回もうるさいんじゃあ〜〜」という気分に変わってくる。
 以前は数百メートルの距離に住んでいたので、いらいらしたときにあの祈りの歌が聞こえてくると、さらに気分が落ち込んだ。
 引っ越して少しは聞こえにくくなったが、それでも風にのって毎日数回聞こえてくる。慣れもあって「またやってる」くらいにしか感じなくなってきたが、一種の嫌がらせに近いと思う。
 宗教は個人の自由でやっていればいい、いくら周りにたくさんの信者がいようと全く関係ない人にまで強制的に呪文を聞かせているのは、洗脳作戦なのか?と思ってみたりする。


 管理人から
タイに来た人が結構驚かれるのが、このイスラム教のこと。日本人の常識によると、タイはほぼ仏教徒の国だと言うことになっているからなのだが、実はムスリムはかなり多い。最近は南だけでなくバンコクにもモスクが増えている。特に郊外ではスゴイペース。ゴルフをしていたら遠くから例の祈りの声が聞こえてくるとパットの影響するのでやめて欲しいのだが、実はキャディさんもムスリムだったりするから手に負えない。あれ、あの人たちは聞いてるだけでいいのかな?


 10月19日

 日本から友達が来ていたので、プーケットタウンまでムエタイを見に行った。
 プーケットに何年も住んでいながら、実際に見るのはなぜか初めて。
 なぜ今まで見る機会がなかったのか、我ながら不思議。
 ご飯を食べてからスタジアムに行ってみると、始まったばかりだというのに、すごい熱気。
 普段はぼんやりしているタイのおっちゃん達もかなりエキサイトしている、もちろん金がかかっているからだ。
 いつも思うのだが、こんなことにこれほど燃えてないでその情熱をほんの少しでも日々の仕事にいかせば、暮らしがうるおうのでは。
 まあ、田舎での数少ない娯楽なのだろうが、そのうち近くに座っていたおねーちゃんまでが叫びだしたのにはびびった。
 たぶん「おらおらおら〜やってまえ〜〜」みたいなことをいってるように思われる・・・。
 大勢のおっさんに混じっても浮いてないとこがまたこわい。
 小学生くらいの子供から順に試合を行っていくが、子供といえども見るからに強そうで、華奢なタイ人のどこからあんなパワーがわいてくるのか、しばし見入ってしまった。
 私たちのほかにも日本人観光客や白人観光客がたくさん見に来ていたのだが、タイ人のたぶん賭してる軍団の集う一角だけ妙に異様な雰囲気でその人達の一喜一憂が、試合の進行と共に楽しめた。
 やっぱりタイの国技だなぁとすっかりはまってしまっている自分であった。
 よーし、次はバンコクのスタジアムだ!!(影響されやすいので)


 管理人から
格闘技オタクの管理人は罰ゲームでムエタイ修行させられたことがある。それはさておき、タイ人は金が絡むと異常に興奮する。もちろん日本人もそうだが比較にならない。ムエタイでは蹴りの一発一発にかけ声がかかる。日本人は知らないと思うがムエタイはあくまでもポイント制のゲームなのだ。早い回でKOしても、盛り上がってるのはお金をかけてない観光客だけで、タイ人はシーンとしてるというのはある意味あきれる光景でもあるが…。(賭けてないから興味がないのだ)


 10月20日
 
 相変わらず選挙の支援活動に励んでいるだんな。
 彼もこの情熱を仕事に傾けてくれれば、我が家も少しは楽になるのだが・・・。
 で、今彼がやっているのは、不正な住民票異動の摘発調査。
 数ヶ月前からプーケットタウンやその他の地区から大量の人が引っ越したことになっているため、その真偽を探り内容をチェックするのだそうだ。
 早い話が怪しい住民票異動に関わった人をリストアップして警察にちくる、ということだ。
 なんでも、一軒の家に20〜30人住んでることになっていたりしていくら大家族のタイでもちょっと無理がある。
 さらに我が家の近くは最近やっとぽつぽつ家が建ち始めたような山の中なのに、既に数十軒の大住宅街に<書類上では>なっているらしい。
 うちの住所にも謎の人達が引っ越してきてるらしいし・・・。

 この不正に関わっているのが、だんなの推している議員の対立候補なのだが、しかし先日その人は逮捕されてしまったのだった。
 本職の不正などが原因らしいが、これで不戦勝かと思ったら今度は弟が跡を継いで立候補したという。もう投票まであまり時間がないからか、選挙ポスターなどは兄のままである。
 いいのかそれで・・・もしかしたら、双子なのかもと思ったりしてみた。
 どちらにしても、相手チームにとって身内以外の票を集めるのにはこの逮捕はかなりの不利な状況に違いない。
 なにしろ、派閥と人脈の国であるので知り合いが議会にいると生活していく上で何かと有利なのである。日本で普通の新興住宅地に住んでいた私には、不思議な世界である。


 管理人から
日本でもこういう話はあるのですが、ある意味宗教チックなお話し。しかしここタイでは当たり前のようにこういう事がある。そりゃ選挙活動だけで何ヶ月もやるんだからなんとでもなるわな。取り締まる法律もザルだし。にしても、知らない間に自分の家に知らない人が住んでいることになっているというのは怖い。でも、家がないところに住民登録しているのは、野宿って言い張られたらどうするのだろう?


 10月21日

 息子が突然体調を崩した。
 「お腹が痛い」といったあと、吐き出して止まらない。
 いつもはプーケットタウンにある病院に行くのだがとてもつらそうだし、近くの病院に行くことにした。
 そこはなぜかだんな実家の人達から
「本当にしんどいときはあそこに行ったらだめ」
といわれている病院である。
 しかし一応市立であるし、最近古い建物を壊し全体的に一新したらしいのであえて行ってみた。
 噂通り?空いていていつもの病院なら数十分待ちのところ、10分くらいで見てもらえた。普通の食あたりだったようで、簡単な診察で薬ももらったのだが、なんと「ただ」だった。
 いままで高い私立病院に累計何万バーツも払ってきたのは一体なんだったのか・・・。
 ずっと前にもらった息子の名前その他の書いた券をたまたま見つけてもっていったのが、よかったらしい。
 どうもそこには、住民票のある子供は何歳まである程度の治療はただとか書いてあるらしい。
 すべてタイ語で書いてあるから、全く気づいてなかったけど。
 こんな良心的な病院のことをなんで市民が悪くいっているのだろう。
 いわく、「危ない」「あそこの薬は効かない」「いい医者がこない」など。
 思うにタイ人はお金もないのに、高い物をありがたがる傾向がありたぶん安いということが、安かろう悪かろうになってしまっているのかも知れない。
 それとも、数百バーツの薬代をただにしてもらって、ラッキーと思っている私がけちなのか?よくわからくなってきた・・・。



 管理人から
タイの医療保険、なかなかに複雑。日本のような保険証はちゃんと勤めている人しか持ってない。国保に当たるのは見たことない。しかもこの健保は病院指定。そこに行くとタダというモノ。ホントにお金のない人はこないだから始まった「どんな病気でも一通院30バーツ」と言うルールに助けてもらうしかない。でも公立の病院でその土地に住民登録をしてなくちゃダメ。もちろん薬も安い。でもお金払っても安いのよね、この手の病院。さああなたならお金を払って私立病院に行きますか?


 10月22日

 ご飯を食べに近くの食堂に行くため、道の端に車を停めた。
 店に入ったらなんか足がちくちくする・・・。
 よく見ると、ズボンの裾から膝辺りまでたくさん草の種がひっついていた。
 それが、ズボンの内側まで突き出ていてちくちくちくちく足に触っていたのだ。
 なんだかすごく懐かしく子供の頃を思い出してしまった。
 私の子供の頃は、既に一応舗装されていたと思うがそんな道の端に雑草がけっこう生えていて、ある種の草に触れるとその種が服のあちこちにいつの間にかくっつくのである。
 地元ではそれを「ひっつき虫」と呼んでいてむしり取って投げて遊んだりした。
 長細かったり丸かったりする種のまわりに、とげとげがついていて先がカギのようになっていて、天然のマジックテープのように服にくっつくのだ。
 でも、日本では子供の時以来、普通に道を歩いていてそんなものがくっつく機会はなくなって久しい。
 あるとしたら、ハイキングとかで山の中に入るときくらいのものか。
 それが、ちょっと車から降りて足を数歩踏み出しただけで、何種類も一斉にくっつく・・・さすがはタイと妙に感心したりして。
 それに、なぜか日本の物と違ってやたら野性的なのである。
 種に勢いがあるというか、ついたらなかなかとれない・・・。
 手でとろうとすると、手が刺されるし、ひっぱってもすぐにはとれず服が破れそうな始末。
 日本のひ弱な物とはひと味違うたくましい植物群なのだった。
 プーケットもここ数年で車の量があっという間に増え、住宅地がどんどん開発され緑は明らかに減ってきているが、このたくましい生命力によって雑草は繁栄し続けているようだ。


 管理人から

タイの植物はマジでたくましい。日本では88手も手がかかるはずの米作りだってこないだまで浮き稲と言って、その辺に種をバラッ〜と蒔くだけだった。後は育つのを「待つ」だけ…。手のかかる米でさえそうなのだから、他のモノも知るべしって感じ。この太陽と雨がある限りタイはやっぱり農業大国だね。


 10月23日

 プーケットは観光地のため、多くの観光客が訪れる。
 そのため、住んでいる人はどうしても「玉の輿」という話を身近に思っている人が多い。
 まあ、実際たくさんのタイ女性が白人の彼を見つけているわけだし、女性ならそういう機会が黙っていても運良く転がり込んでくることもありそうな土地柄である。
 しかし、タイの男性にもチャンスがあることもあるのだ。
 相手はもちろん、実業家の白人女性・・・ではなくて、ゲイのおやじ。
 白人から見ると、アジアの男性はキュートでかわいいらしく、とても人気らしい。
 ゲイの人の趣味は理解不能だが、確かにタイ人男性は華奢な人が多く、好評なのもわかる気がする。
 タイ人の中には<お金のためになら>いろいろとわりきった行動のできる人も多いようで、またもともと同性愛がわりに受け入れられている土壌もあってか、そういうカップルも多い。
 近所の人は、もうおじさんなのだが、白人の彼氏がみつかりたまたま、それがお金持ちな人だったとかで、家を買ってもらいバーを買ってもらい、会社を興してもらい・・・あと何だったか忘れたけど、とにかく次から次へとお金をどんどんくれる人だったそうで、今やかなりの資産家になってるそうだ。
 もともと、公務員だったその人は当然仕事を辞め彼に食わしてもらっている。
 タイ式幸せの形といえなくもない・・・。
 しかし、ここで近所の人の目はかなり冷ややかであるそうだ。
 同性愛が日本よりは認められているとはいえ、そこは田舎の悲しいところ。しかも、中年のタイ人おやじが・・・となれば「金に目がくらんで、男に走った」とか「そこまで自分を捨てなくても」とか、格好の噂のネタになっている。
 果たして真実の愛があるのか、お金を愛したのかは、本人のみぞ知る・・・っていうか、本人ももう訳わからなくなってたりして。

 管理人から
たしかにこの国の人はまずお金で物を判断する傾向にある。「愛よりもお金」「高いモノの方がいいもの」など、平気で言う人も多い。でもって不思議なことにお金持ちほどゲイの比率が高い気がする。そしてゲイ好みなタイ人の男と、お金を愛するゲイ。なんか思いっきりマッチしている。本当に女になりたい男とはちょっと考えていることが違うね、ゲイの考えていることは。


 10月24日

 ここのところ例の選挙の話題ばかりだが、だんなが燃えているので一方的に日々の経過を知らせてくれる。
 先日は候補者Bがだんなの推してる候補者Aのポスターを夜間にはがす、という事件が発生したらしい。
 「真夜中にそんな行為を人を雇ってやるだけでなく、剥がしたあとに自分のポスターを貼ったんだ!なんてひどいやり方だ」
などとだんなは熱く憤慨していたが、なんだかその作戦もきっと候補者Bの陣営で、連夜の作戦会議の末実行されたんだろうなと思うと笑ってしまった。
 しかも、それによりだんなのほうの候補者は、どこの家が自分を推してくれるのかわからなくなってしまったらしい。
 一応投票の意志がある各家庭には、自分のポスターを貼ってまわったのに、張り替えられたため混乱しているのだと。
(まんまと、候補者Bの作戦成功なのでは?)
 そこで、新たな作戦会議により、再度各家庭をまわることになったんだそうだ。今度はお酒をもって一軒ずつ訪問し、酒を酌み交わしながら投票の意志を探り本音を聞き出すんだそうで・・・。
 なんかもう、好きにしてくれって感じなんですが。
 また、地道な調査により、多数の住民票の不正な異動が確認されたのですが、役所にもお金を積まれている人がいるので、怪しい人達にも選挙権があることになってしまうかも、という危機なのだそうだ。
 とはいえ、候補者Bの選挙カーを運転している人の中には、明らかに報奨金目当ての候補者Aの支援者らしき人も多数目撃されており、このコウモリのような人達の票もポイントであろう。
 タイ人は、お金のある人がすきだし、不正とかも平気でするけれどいざとなってから、裏切ることも実に多い。
 灰色の人達が結局どちらに投票するのかは、わからないにしても選挙が終わったあと「あいつは、どっちに入れた」とか「もう信用しない」とか、延々とその手のうわさ話が続くことは今から容易に推察できる。


 管理人から
すばらしいほど白熱しているこの選挙戦。少しはデータベース化してどこの誰に何をしたかぐらいデータ化しておけばいいモノを、まったく適当にその場限りの作戦しかしてないので、ポスターをはがされる程度のことで大混乱に陥る。ところでこのタイ人の裏切り、まあよくあることです。タイ人は義理人情よりも物欲や強いモノに弱いのでしょっちゅう起こる話です。ホント露骨すぎてイヤになるほどに…。


 10月25日

 タイではかなり前から日本ブームなのだそうで、テレビでは日本のアニメやらドラマやらが2カ国語放送で良く放映されている。
 英語は学校でも習うが、それ以外の外国語として人気なのが日本語であり、大学でも日本語を専攻したとか、日本語ガイドの学校に通ったことがあるという人がとても多い。
 独学したい人も多いようで、日本語のテキストがどこの本屋に行ってもたくさん並んでいる。
 面白そうなのでよくいろいろ見ているのだが、きちんとしたテキストに混じってときどき「これはっ」という刺激的なものもまだまだけっこうな数が見つかる。
 それが面白くてチェックが止められないのだが。
 この前発見したのは、80バーツとテキストにしては安いものだった。
 で、中身はなんと手書きの文字を印刷したもので(活字でなく)タイ人の先生かなんかが自分の勉強用ノートをまとめたみたいなの。
 これだけ語彙もあり日本語が書けるのはえらいと思うが、そんなに達筆でもなく、読みにくい・・・。
 それなのにシリーズ化しているらしく何冊もあった。
 あとは、表紙がフジやま・芸者系のものも見応えあり。
 中身もそれなりでひたすら誤解の連続のような例文が続く。
 日本人には面白いが真面目に勉強したいタイ人には、気の毒だと思う。
 値段が高いものほどしっかりした会社(語学学校とか)が作成しており例文の間違いの率も低く、タイ語の勉強にもお勧めである。
 といいつつ、我が家にも何冊ものタイ語日本語の教本が揃っているがあるだけでは全然上達しないし・・>読めよ、自分。

 管理人から
日本人がタイ、特にバンコクへ来ると驚くこと、それは日本語の多さ。日本の会社、日本食レストラン、日本人用カラオケ、この辺までは何とか理解できる。がJポップを扱った番組あり、日本のドラマありのマスコミでもかなりの露出度。おかげでこれだけ日本が落ち目になっているの言うのに日本語を勉強する人が後を絶たない。が、難しすぎてくじけていく人も後を絶たない…。それにしても日本語を流暢に話すタイ人はよく見かけるが、タイ語を流暢に話す日本人にはほとんどあったことがないのはなぜだろう。


 10月26日

 昼頃ロータスに買い物に行っていたら、日本の母からすごい久しぶりに電話がかかってきた。
 で、開口一番「なんか、大丈夫?」なにが??
 私は全く知らなかったが、日本でプーケットがテロの目標にされるかも、という報道がされたのだそうで、しかも危険なのは旅行者の最も多いパトン地区。
 って、住んでるとこやし・・・。
 まあ、住んでるわりにパトン地区は物価が高いのでこうして車ではるばるプーケットタウン郊外のロータスまで毎度買い物に来ているくらいで、パトンの繁華街には友達が遊びに来たときくらいしか行かない。
 年に数回しか訪れないので、私に危険はないだろうことを説明して親は納得していたが・・・テロなんてまだまだ身近には感じていなかったので、びっくりしたと同時にこわくなってしまった。
 普段生活しているところが、改めて世界的な観光地でテロの標的として計画されるくらい名高いところなのかとも思った。
 そういえば、最近警官の姿を近所でよく見かけるとは思っていたが。
 雨期も終わってやっとこれからシーズン到来というのに、世界中に危険と報道されてしまっているので、今年はお客さんも少なく、観光業に従事している人達は我が家も含めて、大打撃だろう。
 テロをしている組織にはそれなりの言い分もあるのだろうが、アメリカやバリの事件でも、全く関係のない人達が巻き込まれただけ。
 どんなに立派な大義名分を並べても、暴力に訴えている時点で賛同は得られないのに。
 プーケットはタイの中でもイスラム教や中国系仏教の信者が多いところだが、対立することなく棲み分けによって共存しているといえる。
 タイという国家が宗教の結びつきを超えて王様のもとに統率されているため、思想の違いによる内戦等の混乱が比較的少なく外国人にも受け入れられてきたように思う。
 20年ほど前まではただの田舎の島だったものが、観光地として名を馳せたことによって旅行者のお金で生活が潤ってきたわけだが、有名になりすぎたために危険と隣り合わせになってしまったのは、とても残念なことである。


 管理人から
まったくそのとおりですよね。バリやプーケットが何をしたって言うんじゃい。テロ行為をするにも目的というモノがあるはずなのだが、それのどこに観光地が含まれるのか?と、熱くなって考えていたら結局今年もプーケットは変らずお客さんが来ているらしい。タイは安全ですか?とよく聞かれるが、どこにいても一緒なんだけどね、ホントは。よっぽど交通事故の方が多いですって。


 10月27日

 だんなの実家に行ったらちょうど占いの人?がきていた。
 タイ人のおばさんなのだが、白装束に頭も白いレースのような布を被っている。  見かけたことはない人なので、少なくとも町内の人ではなくどこか近隣から呼んだ人であるようだ。
 手相とか生年月日かなんかからとか、数種類の占いをしていたが近所の人がいつの間にか聞きつけてわれもわれもと集まってきた。
 基本的にみんな暇なので、ああでもないこうでもないといいながら延々と話を聞いている・・・。
 心から信じているのでもなくて、面白がって話題の一つとしてこういう機会を逃さないのだと思ったりもするが、何でも占いによって納得しようとする傾向もある。
 例えば、体の具合が悪くなると医者ではなく、まずお寺に行ったりする。
 お坊さんに見てもらって、治らなかったら医者に行くため悪化する・・・。
 体が悪いのは、信仰が足りないからだと思ってるのかどうかは不明だが、お寺にお金を払う前に医者に薬をもらえばいいのにという日本人の常識は通用しない。
 いいといううわさを聞きつければ、どんな遠いお寺にでもお参りするためめったに旅行にいかない義両親だが、なんとパスポートを持っている。
 なんでも前にインドのお寺に行くときに作ったのだそうで。
 私の両親もお寺がすきで、子供の頃からたくさんの日本の寺にお参りさせられたが、それでもタイは信仰の度合いが違うと思う。
 強いていうなら、新興宗教にはまっている家庭に近いか。
 戦前の日本(うちの祖父祖母世代)の感覚には近いものがあるかも知れない。
 ただ、お寺にならいくらでもタンブンしてしまう感覚がついていけないというか、信じられない。
 それだけふだんの生活に困らない程度には豊かなのだとは思うが、そんなに贅沢な暮らしをしているわけではないのだから、その分のお金で何か買えるのに、などと感じてしまう。
 日本人の嫁は不信心で困るとか、思われてるのだろうけど。


 管理人から
タイ人のお寺(宗教)に対する姿勢は日本と比べたら失礼になる。そして信仰イコールお金と言ったところもあるのが恐ろしいところ。いいことが起きるのもタンブン(善行、お布施など)のおかげ。悪いことが起きるのはタンブンが足りないから。そして悪いことをしたらタンブンしたら許される。いやあ、なんて都合のいい解釈だこと、って言ったらまた罰が当たってしまいますね…。


 10月28日

 プーケットの人の視力は驚異的である。
 例えば、遙か彼方を歩いている「たぶん2人の人?」くらいにしか私には見えないものを「日本人の女の子2人組」ときちんと認識する。
 客商売という仕事柄、いち早く客となりそうな相手を発見することが大切なのだろうが、こればっかりは地元タイ人の特技といっても過言ではないと思う。
 ぼんやりしているように見えても、実は鋭い視線を常にあちらこちらに送っているのである。
 だから、リゾートの雰囲気にうかれつつぼーっと歩いていると、いつの間にか側に来ていた知らない人に「どこからきたの?」などと巧みな日本語で話しかけられることになるのであった。
 だんなは地元で産まれ育った人なので、やたらに親戚や知り合いが多い。
 もちろん私の知らない人も多いが、相手は私を知っている。
(「日本人の嫁だって〜」などとネタになっているものと思われる)
 だから、そのへんをうろうろしていると、どこからともなく観察されているらしい。
 何しろみんな目がいい上に暇ときているので、「そういえば、さっきどこそこで見たわ」などと井戸端会議の話題になっている。
 私が外出中に知り合いの存在に気づき、数人にあいさつしているとすると、その何倍もの人にこちらの知らない間に見られているのだった。
 日本では存在感の薄かった私も、ここではちょっとした有名人並に認識されているので、人々の視線にかなり疲れる・・・。
 自意識過剰と思うなかれ。必ずだんなかだんなの実家からだめ押しが入るのだ。
 「さっきどこそこにいたようだけど・・・うんぬん」
 もう、ほっといてくれーっていうか、人目を気にせずこっそり出掛けてみたい。
 お忍びでバンコク辺りまでいけば、逃れられるのか。
 (おっかけがきたらどうしようー)


 管理人から
たしかにタイ人は目がいい。って思ったが、単純に考えて目に悪いことをしてないだけな気もする。本やPCを扱わず、毎日遠くを見る生活をしていたらそりゃあ視力は落ちないよね。管理人は0.002位しか視力がないのでもしもタイ人と同じ生活した視力が戻るかも知れない。ちなみにマッピーはしっかり近視。日本人と同じような生活していたらヤッパこうなるんだねえ。みいさん、バンコク来てもたぶんばれますよ〜。だってタイだもん…。


 10月29日

 今朝なんとなく早起きしてしまい、窓から海を眺めると・・・客船が停泊していた。
 これがかなりでかい。
 うちから見て、海沿いに建つ十数階建てのホテルの横幅くらいある。
 客船を見たとたん「今年もいよいよ、乾期になったか」と感慨深いものがあった。
 11月から4月にかけて、プーケットは乾期になる。
 海にはほとんど波がなくなり、ひたすら快晴の日々が続く。
 雨期になると波が荒くなるため、東海岸の港に係留される大型客船だが乾期の間だけ、パトンビーチに停泊するのだ。
 週に2日ほどしか来ないので、来る日がけっこう楽しみだったりする。
 一昨年は1種類だけだったが、去年は2種類(2社?)来ていた。
 夕方にやってきて、翌日の夕方にでていくものと、早朝明け方にいつの間にか留まっていて、翌朝でていくもの。
 夜間はマストや船縁にちりばめられたライトがくっきりと船を浮かび上がらせ、きらきらと輝く様はまるで宝石のようで、うっとりしてしまう程だ。
 中でも毎年やってくるスタークルーズというのは、シンガポールからランカウイ、プーケットをまわるクルーズ船で、たまにタイのテレビでも紹介されている。
 日本でも「豪華客船の旅」のような番組で見たことがあった。
 とても乗れないので近くまで見に行ったことがある。
 その時は雨期で港に来ていたが、えらい騒ぎになっていた。
 乗客を運ぶツアーのバス十数台やトゥクトゥクがひしめき合い、また客引きやなんかでごった返している。
 その上、周りには普段はない屋台村ができていて、食べ物から雑貨からあらゆるものを売っていた。
 そして、たくさんのただ船を見に来た人達もいてお祭りのようだった。
 イベントのない田舎の島では、やはり一大イベントなのだろう。


 管理人から
管理人は元横浜市民。横浜港にはよくクイーンエリザベス号なんかがやってきていて、夜に見に行ったものだ。たしかに船自体もかっこいいのだが、それ以上にその乗船客がに興味があった。今時船の旅をする方が優雅というかブルジョアな感じがするのは管理人だけではあるまい。しかし、いつかその船に乗ったとしても間違いなくオノボリさんになってしまうだろうね、庶民な我々は。


 10月30日

 「いつまでやってるのか??」というほど延々と続いている選挙活動。
 いよいよ、選挙本番まであと2週間ほど。
 あいかわらずだんなは、熱心に支援活動をしている。
 数日前の真夜中に、宿敵候補者Bのこれまでの悪事の数々を告発する文書をまき散らしたらしい・・・。
 なんかこんなの日本でもありましたよね?
 裏金をたくさん使っているとか、他地区から支援者を募り住民票の異動を不正に行っているなどといろいろ書いたらしいです。
 ここで今回の選挙の形式を少し説明しますと、1人の議員の下に補佐が4人、さらにその下に10数人の補佐がつきます。
 それが全部で一つのグループになっていて、各グループが争っているわけです。
 さて、昨日の晩、だんなが支援している候補者の補佐4人の内の1人が暴漢に襲われ重傷を負ったそう。
 襲った人達は、タイ語ではなく別の言葉を話していたらしく、告発文書に怒ったBの陣営がミャンマー人を雇ったのではないかと捜査中とのこと。
 暗闇で待ち伏せされていて、いきなりハンマーで襲われたそうで・・・。
 タイでは銃の携帯は比較的簡単で、普通の人でも家に備え付けることが充分可能なので、撃たれなかっただけましかも知れないですが、
 それでもハンマーで頭殴られたら死ぬこともあるでしょう。
 選挙ってここでは命がけなんだと、ぞっとしました。
 もちろん、こんな事件を起こしたからには、犯人が捕まるか裏で仕組んだ人が特定されれば、候補者B陣営には大打撃のはず。
 かなり捨て身の作戦といわねばならないでしょう。
 こんな思い切った行動にでても、勝算はあるのか、はたまたすでに敗北を認めてのやけ気味な気持ちの表れなのか。
 もはや、私の理解の範疇を超えているため、コメントできません。


 管理人から
かれこれ数ヶ月続いた選挙戦、とうとう後2週間で選挙を迎えます。さてさて相手陣営が暴挙の出たとの向きもありますが、これもタイでは結構当たり前っぽい話です。人を殺して「何千バーツ」って話さえ聞いたことある国ですから。しかしまあ、ここまでやって来たと言うよりは、ここまでさせたという感じですね。両陣営はっきり言って泥仕合としか思えない行動です。さてさてこれ以上の死傷者が出ないことを祈るばかりです。


 10月31日

 だんなのお姉さんは、長年の努力の結晶として白人だんなをゲットしタイ人のあこがれ、玉の輿生活を送っているようだ。
 実はお姉さん、英語が全然話せなかった。
 しかし、やはり白人を狙おうと決めたのかどうか、数年前に突然英会話を習いだし、今まで勤めていたホテルの仕事を辞めて、バーに転職。
 着々と計画通りに人生設計をした、タイ人には珍しくしっかりした人。
 確かにホテルの厨房で働いていては、なかなか白人にはお近づきになれない。 同じ厨房でもバーなら、料理を運んでいって話をすることも可能だし、客のほうもそういう出会いを少なからず求めているのでうまくいく確率は高いだろう。
 そうして、無事にターゲットを絞った後は、習いたての英語を使って遠距離恋愛だ。
 タイでも携帯電話が普及していて、それを使ってのメール攻撃である。
 そのことを知って、なんだか時代は変わった・・・と思う。
 私がだんなと出会ったころは、メールどころか携帯もなくて、プーケットでは国際電話一つかけるにも、わざわざ電話局へ行って国際電話可能のブースに並ばねばならなかった。
 面倒くさがりのタイ人がそんなことを何回もするわけもなく、だんなから電話をもらったのはたったの2回・・・。
 こちらからの連絡手段は、エアメール。
 着いたのか着いてないのか、返事は来ないし、生きてるのか死んでるのかさえわからない。
 当然想いが募って、のこのことプーケットまで出掛けて行くわけだが、考えたらどこにいてもメールで瞬時に連絡とれることは便利だけどそういうわびさび(ちょっと違うか)がなくなったって事だよなと思う。
 義姉は「メール頂戴ね」と旅立っていったが、実は私は自分の携帯のメールの使い方が説明書を読んでもいまだにわからない・・・。
 タイ人よりも遅れている自分って・・・悲しすぎる。


 管理人から
ネットが普及してからの海外は非常に近いモノになった。タイに住んでいてもネットで日本の情報はリアルタイムで手に入り、日本にいる友達との連絡もほぼリアルタイム。下手をしたらチャットもあり。こういうのが出来ない国や地域に行ったときに改めてその便利さを知るのですが、バーチャルすぎません、これ?やはり直接会ったり、直筆の手紙とか送ったりするとか、アナログチックなことも捨てがたいです。たぶん数年以内にそういうところへ回帰するんじゃないかなあ、と管理人は思ってます。便利さだけがいいことではないっす。(メールと携帯のせいで人付き合いが下手になってるね、日本人は。)