お見舞い

 体調を壊して入院ということは、もちろんプーケットでもあること。
 そして、身近な人達がお見舞いに訪れるのも普通の風景だ。
 だが、そのお見舞いが尋常じゃない。
 私だったら、来ないで欲しい。
 なぜなら、親戚一同が大人から子供まで日がな一日やってくる。
 ほとんどピクニック気分。
 普段入れない病室なもんで、はしゃぐ子供、ほほえましくそれを見守る親・・・。
 しんどいから、入院しているのだが、そんな本人にはお構いなしに集まる人達。
 ここは社交場じゃなーい!

 だから、入院の気配があれば、絶対個室。
 これは守らなければ同室の人達の親戚一同からの襲撃にも合うことになってしまう。
 こうなると、かえって疲れてしまい、入院生活は長引くことになる。

 一応、お見舞いということで、いろいろ手みやげを持ってきてくれるが、これがまたすごい。
 安いからということもあるだろうが、手提げのビニールふた袋一杯に詰め込まれたランブータンとか、缶詰の牛乳1ダースとか・・・。
 病人がそんなに食べられるか!と心配するが、勝手にそれらを食べるのはお見舞いに来た他の人達。
(だから、そんなことするところじゃないって・・・)
 たくさん食べて騒ぎまくり、しかも入院している間中、途絶えることのない見舞客。
 常に部屋に5人くらいの人がいて、しゃべりまくり。

 日本人なら「帰ってくれ」といいたいところ、タイ人はうれしいらしく患者自ら、病状を説明し続ける。
 そして、みんなでそれについて延々と議論する。
 つくづく、タイ人ってひとりでいられないんだなーと思う。
 人のお見舞いについていって、この惨状を目の当たりにし、私には耐えられないと思った。
 体に気をつけて、自分はこんな目に合わないようにしたいと思う。