微笑みの国の実態は

 タイといえば微笑み国。
 実際某航空会社のキャンペーンポスターのお姉さんやなんかは、にっこりと微笑んでいるし、フレンドリーな人々がゆったり暮らしている国・・・なんて、想像していたらけっこうつらいものがある。

 単にプーケットがタイの中でも南の方で暑いからなのかも知れないが、こちらの人の顔つきはわりと厳しい。無愛想といったほうが近いような気もする。
 とにかく、微笑んでくれるのは、ビーチボーイとか土産物売りとか、こちらを上客と思っているような人々ばかり。
 大抵の人は、なぜか眉間にしわが寄っていて近寄りがたい雰囲気を漂わせている。

 これはいったい、なぜなのか。
 まず、考えたのはやっぱり暑いから?あまりに眩しい日差しについつい、目つきが鋭くなってしまうのではとも思ったが、たまに訪ねていくクーラーがんがんに聞いた事務所で会計をやっているお姉さんも、めったに笑ってくれない。
 そういえば、郵便局の人も明らかに顔見知りになっているのに、愛想笑いの一つもしてくれない。
 なぜか、みんな「怒ってるのか?」と思えるほどにきっぱりした顔をしている。
 そのわりに仕事中でも、同僚達とくだらない(たぶん)話を始めると客をそっちのけでとても楽しそうに談笑。
 どうせ、こっちにはタイ語がわからないからと思ってるんだろうけど、悔しいというか、なんか自分のことをいってるのか?とか思うとあまりいい気はしないものだ。

 そこで、カタコトのタイ語でこちらから、話しかけてみると、突然
 「なんだ、少しタイ語わかるのね」
 みたいな態度に変わり、とたんになんとなくなごやか〜なムードに。もしかして、緊張?してたんだろうか。
 いやいや、市場とかいっても、なんか緊迫した雰囲気で買っても愛想笑いのひとつもしてくれないし、やっぱりみんななにかに怒っているのか、むっとしている。

 どこにいても、仕事してるときなんてこんな物なのかも知れない。
 南の島にいても、毎日あくせく働かないと食べていけないわけだし、ぼんやりにこにこしている暇はないのかも。
 また、基本的に「客」にサービスするという感覚にも欠けている気がする。

 そんな中、某Mファーストフード店では、信じられないくらいのさわやかスマイルが惜しみなく降り注がれている。社員教育行き届いてるなぁというか、こんなに愛想のない人達をここまでにするには、大変だったろうなぁなどと思ってしまうのであった。