ワットシャロン

 プーケットには、たくさんのお寺がありますが、その中でも最も大きく伝統のあるお寺がここ、ワットシャロンです。
 プーケットに住む仏教徒のタイ人は、大抵住んでいる場所近くのお寺の檀家のようで、ふだんはそこにお参りしていますが、それ以外にワットシャロンにも、よくお参りに行きます。

 そして、お参りのあと良く物色しているのがお守りで、とても霊験あらたかで御利益があるとか。
 昔のえらいお坊さんの姿を浮き彫りにしたペンダントトップとか、お坊さんの絵の入った指輪、小さいお坊さんや仏様の像など日本人の私から見たら、あまり興味のないものばかり。
 しかも、けっこう値段が高くやたらたくさん種類があるため、だんなが、熱心にお土産コーナーを
 見始めたらまたなにか買うのだろうかと、どきどきします。

 日本人よりかなり信仰心の篤いタイ人ですが、先日新聞にのっていたニュースを知って驚きました。
 交通事故で車は真っ二つ!完全な廃車状態にもかかわらずのっていた3人は無傷で助かったというもの。3人はともに、ワットシャロンで買ったお守りを身につけていたそうです。
 ただの偶然なのか、やはり仏様が守ってくれたのかはわかりませんが、全員がプーケットの人でなく、事故もほかの地域で起こったようなので、こういう話を信じない私でもかなり偶然にしてはすごい話だと思ってしまいました。
 有名なお寺なのでそれだけ訪れる人が多いのでしょうけれど、この話を知ったタイ人がまたたくさん訪れることは確実です。

 ここには、普通のお寺と同じように仏像ならびにお坊さんの像が本堂にありますが、別棟にお坊さんの蝋人形が祭られています。
 これがまた、日本人から見るとただの等身大の人形なのですが、昔のとてもえらいお坊さんのものだということで、タイ人はひれ伏して拝んでいます。
 しかし、その横では白人観光客が記念撮影していたりして、なんだかよくわからない状況です。
 日本人の私にとっては、信仰の対象は仏像であり、ただの人物像ではなんか有り難みがわかないのですが、一生懸命何事かを拝んでいるタイ人を見ていると、これほどまでに何かを信仰できることはうらやましいような気がしてきます。