ローイエット遠征記 3


(戦闘準備完了)

相変わらず長い前振りですいません。ここから本編です。前の試合が終わり、あわてて呼ばれる我々。管理人は荷物があるので、バタバタとついていきました。まずはおーどりーさんがリングイン。それからお相手のスパッチャー・ルークシーヤーンがリングイン。スペシャルイベントということで、関係者もリングイン。なんか盛り上がってきました。挨拶が終わり、ワイクルー(ムエタイの戦いの前の踊り)が始まります。実は管理人、試合前に、さっさとワイクルー終わらせちゃおうとおーどりーさんと話をしていたので、おーどりーさんは一通り舞ってさっさとコーナーに戻ってきました。ところが相手の方は、まるでこれを見せにやってきたと言わんばかりに踊りまくり。と言うか、管理員がこれまで見た中で最も長いワイクルーを見せられました。あまり長くて、観客のおばさんが「いい加減にやめな〜!」と叫んでおりました。ええ、管理人も同じ気持ちでした、言えないけど。。。


(試合前。見よ!この筋肉!)

そんなこんなでかなり引っ張られましたが、第一ラウンド開始!。一応我々の作戦としては、相手が弱かったときに備えて「1・2ラウンドは様子を見て、相手次第で戦おう」というものでした。1ラウンドKOはあまりオモシロくないですからね、わざわざここまで来て。なんていらん心配をしてたんですが、実際には相手の突進力はスゴいものがありまして、端から見てると押され気味な試合展開。特にタイ人の場合、蹴りが主体でパンチはそれほどでもないのですが、彼女は蹴りはたいしたことない替わりに、パンチが結構あるというタイプで、おーどりーさんもパンチが得意なのにもかかわらず、相変わらず踏み込みの一発目を相手にもらったりして、結構やられてました。おまけに首相撲(ムエタイのクリンチ)になるとほぼ間違いなくロープを背負う羽目になり、かなり足腰が強いことを伺わせます。1ラウンド目、ほぼ相手のしたいことをされて終わった。そんな感じでした。


(本気でやってるのか分からないアナウンサー席。。。)

2ラウンド目。相変わらずいいパンチをもらいます。1メートルくらい後ろに吹っ飛ぶようなものもあって、結構心配になってきます。さらに、相手の一番の武器、それが首相撲からの電車道。わかります、この表現?。つまり、相手と組んでそのままロープ際まで一気に押し込んで倒しちゃうのです。受け身を失敗するとかなりイタイ。。。そんな技です。観客のオヤジがわざわざ管理人の所まで来て、アドバイスを始めます。わかっとるちゅうねん、そんなこと。。。この段階で有効だったのは、パンチの連打。一発目は相打ち、かちょっと負け。なんですが、2発目は相手を揺さぶり、3発目以降は確実にヒットしてました。あまり顔を殴られることがない(キック主体なので)タイ人には、結構きついものがあります。そのせいでますます組み付いての電車道が増えた気もしないでもないかな。。。

3ラウンド目。ここで一応作戦変更。相手が来た所に、カウンターでヒザをあわせることに。あとパンチの連打。ところがこのカウンターがくせ者で、タイミングが悪いと相変わらず一気に持ってかれてしまうんですよね。が、何度目かのチャンスをしっかりとものにするのが経験豊富なおーどりーさん。コーナーで見ている管理人に聞こえるような音をさせて、相手の胸にヒザがドン!と一発。さらに数発、気持ちよく胸とボディに入りました。おーどりーさん曰く「倒れると思った」ほどの一撃です。が、相手はそれにもめげずまだ突進してきます。そうです、この相手、ホントおーどりーさんのそっくりさん。前に前にやってくるタイプなのです。こういうのはタイではほとんどお目にかかれません。スゴい根性の持ち主だったのです。とは言うものの、この攻防のあと、かなり動きが止まったのも事実でした。この後はかなりの確率で捕まえてのヒザが入るようになりました。そのたびに相手の動きが鈍り。。。そしてゴング。3ラウンドが終わります。場内は、「こんなにやるとは思わなかった」という空気が充満。いやが上にもヒートアップしていきます。


(まさに対峙!)

そして4ラウンド。あれだけやられているのにまだ前に出てくる相手。足腰の強さでは彼女の方が上かも知れません。が、いかんせん、何かをする技術とスタミナがないので、前に出てきて押し倒すことしかできません。そしてそれも出来なくなってきた所に、さらにヒザが数発。ここでタイ人トレーナー達から「もう何もしなくても勝ちだからやめなさい」と言う言葉が飛び交う。もちろん、そんなタイ語おーどりーさんにわかるはずもないので、管理人に向いて、「説明して」と言うが、試合中にそんなことを言っても日本人の感覚ではねえ。なかなかやめられるものではないです。手を抜いたら負けるかも知れないし。。。なんて思ってたら、さらに数発ヒザが入った所でレフリーストップ。4ラウンドTKO勝利であります。ケガさせちゃいけないって思ったんでしょうね。さすが彼ら、本職です。ちょっと感心しました。

実際まだやれる雰囲気はありましたが、ムエタイ的にはあれでオシマイなんですね。負けてかなり悔しがってました。ちょっと涙目なお相手。ホント根性と足腰だけはスゴい人でした。おかげでモノスゴクかみ合った試合が見れて、管理人もこれまで見たおーどりーさんの試合の中でベストバウトだったのではないかと思ったほどです。試合が終わり、それからいたる所で撮影会。しかも二人そろって。で、このとき聞いて驚いたのは、彼女、ムエタイ5戦目なのだそうです。しかも、27歳。あれれ、最初に聞いた話では8戦目で20歳だったはず。にしても、このキャリアでこれだけ強いってことに驚きました。我々が帰る頃になっても、かなり悔しかったらしく、「減量で練習できなかった」とか「体調が悪かった」とか言ってました。でもって、実は彼女バンコクからわざわざここまで呼ばれたそうです。だったらバンコクでやればいいのにって思いますが、なかなかこういうイベント自体がないんですね、タイでも。ま、なんにせよ、いい試合を見させてもらいました。マネージャー冥利に尽きますな、おーどりーさん。


(試合が終わって記念撮影!)

ちなみに試合後のおーどりーさんの第一声「チョ〜楽しかった」です。あの緊迫した中で楽しめるあんたはスゴいよ!!!

それから車に乗ってホテルへ。会場を後にするとき、「ノリコ〜」と何度も呼ばれてました。観客の心をがっちりつかんだようです。さすが。ホテルに戻り、祝勝会をしにビアガーデンに着いたのが1時前。それからビールで乾杯!実はこの後、ビール2本くらいしか飲まなかったおーどりーさん、ホテルに戻ってゲエゲエ吐いたそうです。しかも次の日二日酔い。車に乗ってる間、ボロボロでした。曰く、「もうおばちゃんだから…」。そりゃ減量してさらに試合して疲れた所で飲んだらそうなるわな。。。

次の試合のオファーもどき、既に来ております。が、その試合に行けるかどうかはわかりません。さて、ホントの引退試合はいつどこで行われるのか?それはまたHPで発表しますので、お暇な方、是非見に来てね〜!ってことで、ローイエット大会の部、終了とさせて頂きます。