四戦目後編

 1R
 初めてのエキスパートクラス。はじめの1Rは5分です。スタミナには絶対の自信がありました。が、開始早々F山さんの左ミドルをもらってしまいます。
「なんじゃこりゃあああ?!」
と叫びたくなるような重さ、硬さ。さすがチャンピオン。体重差なんてなにもないかのようです。得意の首相撲の体制に入ってもその首、腕の力に圧倒され外掛けで倒れこむのがやっと。立って打撃戦になっても驚異の右ストレートが私を襲います。
 H山コーチと右ストレートをかいくぐり、左フックを当てる、練習を沢山してきたにもかかわらず一回くらいしか実践できませんでした^^;。そんなこんなしているうちに私も体が温まりパンチの連打から首相撲へ、のパターンに強引にもっていきます。
 F山さんが得意の首投げへもっていこうとしたとき!私は腰に手をまわし裏投げへ。
 ばたん!と倒れましたがシュートポイントには至らず。(SBのシュートポイントは柔道でいうところの一本に匹敵するくらいの投げじゃなくては貰えません)
 でも、感触はつかめました!次のチャンスには必ずや!
 チャンスはすぐに訪れました!パンチの連打から首相撲へのパターンにF山さんが持って行き首投げの体勢に!うおりゃっっっと気合を入れて私は後ろへひっくりかえってみました。練習では完全に投げたことがないのでちょっと勇気がいりましたが・・・
 見事シュート!です♪よっしゃあああ♪1ポイントは確実にリード。
 F山さんの表情が少〜し険しくなったような気がしました。
 その後はパンチの乱打戦で1R終了。

 インターバル中ラウンドガールがリングの上を歩いてゆきます。セコンド陣はお姉さんのお尻に釘付け。
 「思ったより強くなかったでしょ?!」とH山コーチ。
 いや、、、すんごく強いっす。。。。

 2R
 このラウンドは4分です。
 F山さんは距離をとりアウトボクシングに徹してきます。打っては離れ、の繰り返し。どうも投げを警戒してる様子。投げだけじゃないよお、この試合にむけてパンチも強化してきたのじゃっ!離れるF山さんに少し近づいてパンチ連打。左アッパーもよく入るようになります。
 そしてロープ際首相撲合戦から私の左首投げ炸裂!シュートか?!と思ったんですがレフェリーは「シュート!」と叫んではくれませんでした。。。
 おかしいなあ。と、思いつつまた同じような体勢に!
 今度はリング中央でF山さんの体が舞いました。
 「シュート!」会心の首投げです。(相撲の「にちょうなげ」のようだったと後で言われました・・・)
 F山さんの表情がさらに険しくなります。
 パンチもさっきより重たくなったみたい・・・本気になったのか?!
 そうこなくっちゃ。でもこわ〜〜〜。
 乱打戦が続きロープ際またしても私の首投げが炸裂。
 でも、シュートポイントにはならず、、、おかしいなあ。。。

 3R
 このラウンドは3分。
 F山さんのセコンドから「倒さなきゃ勝てんぞ!」の声がとびます。
 F山さんは必死の形相で右ストレート左ミドルを叩き込んできます。パンチの打ち合い、やはり技術では少し劣っていたと思いますが私のパンチもよく入ります。そして、首相撲からくいっと、何も考えず体が勝手に動き首投げへ。
 「シュート!」
 F山さんはものすごい怖い顔で立って来ます。
 ああ、憧れのF山さんが私を相手にこんな顔をしてくれている。
 怖いけど嬉しい。そして私はこんな凄い人に今日は勝てるのかも!
 残り10秒乱打戦。
 カーン!ゴングが鳴り本戦終了。
 F山さんは疲れた顔でコーナーへ戻っていきました・・・。

 判定を待つ間
「油断するな!勝ったとは思うけど相手はチャンピオンだからな、延長になるかもしれないぞ!」
とコーチに言われて気をひきしめた私ですが。

 管理人から
SBでシュートポイントを3回取って負ける事なんて、、、ほぼないでしょ。この文面を見ていると圧勝にしか思えないんですけど。。。それにしても二丁投げってのはスゴいですよね。思いっきりひっくり返してるって事じゃないですか。次は呼び戻しですね。。。