電話

 タイで電話をかける場合、教科書どおりにはいきません,バンコクではどうか分かりませんが少なくとも南タイでは。
 会社やお店、ホテルなんかは電話を取った相手が「○○○サワディーカー(カップ)」と言ってくれますが、一般家庭に電話した場合日本みたいに「はい、山本です」とかは言ってくれません。
 タイ人は普段あだ名で呼び合っているし、本名を言う場合も姓名の名の部分だけで苗字を名乗る事はめったにありません、その為友達同士でも苗字や本名を知らなかったりするので、電話を取った時に苗字を名乗る事も無いし、かけた相手も聞きかないのが普通です。
 当然「○○さんのお宅ですか?」と聞くこともあんまりなく、いきなり「○○につないで下さい」とかかって来るか、「そちらは何処ですか?」というのが丁寧な言い方です。「○○ですが、、、、」と最初に自分の名前を名乗らないのも当たり前なので余計混乱します。
 初めは私もビックリしました。
 かけてきた方がいきなり「何処?」と聞いてくるのに対して、何処か分からへんくせに電話してきたんか!と、気分を害したのですが、タイ人にとってはごく丁寧な言い方みたいです。

 ソンクラでは一般家庭の電話の普及率が低く、携帯の普及率が高いので普通の電話に慣れてない人も多いせいもあって電話のかけかた、取り方は人それぞれです。
 特に携帯では名前や番号が表示されるので、かけた方はいきなり相手を確かめようともせずに本題に入ってきます(自分が誰か相手が分かっているという前提で)、困るのが間違い電話。「お母さん何処行った?」とか「○○買ったよ」とか相手を確かめ様ともせずに言います。「あなたは間違った番号にかけていますよ」と言っても聞く耳持たず、「あれ?○○○じゃないの?何処行ったの?」と、勝手に違う人が○○○の携帯をたまたま受けていると思う様です。
 私もつい最近携帯電話を購入しましたが、間違い電話がよくかかって来ます。
 
 1ヶ月程前によく同じ番号から間違い電話がかかって来ました。毎回いきなり本題に入るので「あなたは間違ってかけていますよ、これはまこの携帯電話です。」とその度に言っていました、かけて来るのは大人から子供まで、同じ声もあれば違う声も、その中で一番よくかかってきたのが中年オヤジの声。ある日またそのオヤジが間違ってかけて来ました。
 オヤジ曰く「なんで毎回アンタが電話に出るンや!」こっちの方こそ聞きたい何で毎回間違うのかと、「俺は○○○、、、、という番号に電話してるんや!とオヤジ、それはまさしく私の携帯の番号、「それは私の番号ですが、お友達から聞き間違ったのではないですか?」と言うと、「そこは何処や!」と、聞かれました。
 携帯ですから何処?と問われてどう答えようかと考えていたら、「パッタニーじゃないのか!?」(パッタニーはソンクラの隣の県)と言われたので「ここはソンクラです。」と答えると、しばしの沈黙、、、、その後オヤジは突然ぼやきモードに。日本語で分かりやすく意訳すると以下の感じです。

 「ここんとこ3ヶ月間電話料金の請求書が来ないんで不思議に思ってたら、この前8000バーツ以上の請求が来てびっくりしたんや、見たらほとんどアンタの電話番号ばっかりや!なんでやねん!前はちゃんと○○が電話に出たのに最近はなんでアンタが電話にでるんや?」
「そう言われても私には分かりません」と答えると、
「まあ、アンタに言っても仕方ないな、悪かった。」
と言ってそのオヤジは電話を切りましたが、これはあくまで意訳で省略してあるので実際は20分ぐらいこのオヤジのぼやきに付き合ってました。
 電話代の文句言うんやったらさっさと切らんかい!! と、思うのです。

 この話をウチのスタッフにすると、そういう電話がかかって来た場合、思いっきり文句を言って一方的に電話を切るのが南タイの作法だそうです。
 「なんやねん!オマエが間違ったんやろーが!こっちに文句言うなアホ!頭おかしいんちゃうか?!!!」
 と、言えばいいそうです。
 ちなみにこれを南タイ語で言うと、
 「アッラーイ ヤ! ケー ピット エーン  ロ 、ヤー ワー チャン レ、バー マイ ヤ! メ バーイ ロ?!!!」
 という風になります。

 管理人から
 ええそうです、タイでは電話をかけておきながら「誰ですか?」とか「どこですか?」と聞くのはふつうのことです。おそらく電話が普及してない時代(今でも地方はそうですが)、一つの電話を共同で使っていた名残だと思いますが、携帯でそれをやられると結構ショックです。
 でも、文句をさんざん言って電話を一方的に切るのはおそらく南だけの礼儀?だと思われます…。おまけに最後の南タイ語、サ〜ッパリわかりませんです、はい。いや、正確には何となくわかりますが、モノスゴクきっつい言い方なんだろうな、これ。。。