牛と暮らすおばあちゃん

 最近私には新聞を読む時間がなかなかありません。
 けれど、時間がある時は「タイラット」というタイの新聞を読んでいます。
 私の家で定期的に注文しているからです。
 私には必ず決まって読む記事があります。
 それは2ページ目にある「ブート・マーン・ジョーク・オペラ」です。
 これは世界の冗談みたいな変っている出来事についての記事です。

 こないだこういう記事がありました。
 牛と暮らすおばあちゃんの話です。
 60代のトルコ人の女性は牛が大好きで、たくさんの牛を飼っていました。
 ある日、ずっと貯めていたお金であるアパートの部屋を買いました。
 一つではなく二つも部屋を買いました。
 二つの部屋は3階と5階にありました。そして、その女性は自分の飼っていた牛を全部アパートに連れて行って、飼った部屋の中に住ませました。
 アパートの部屋でその女性と一緒に住んでいた牛たちは、部屋の中で寝たり食べたりしていました。それに部屋の中で用も足していました。
 そういう生活を1年間続けていたそうです。
 ところが、さすがに隣の部屋に住んでいた人たちが牛の鳴き声や臭いのことでこれ以上我慢できなくなって、その女性に文句を言いました。
 が、いくら言ってもその女性は聞いてくれませんでした。
 仕方がないのでアパートの管理人に言うことにしました。
 すると管理人はその女性にこう言いました。
「もし牛をアパートから出してもらえなかったら、保健所を呼んで牛を連れてってもらいます」
 その女性は牛を捕られるのがイヤなので、結局アパートから牛を出しました。
 そしてお金を作って違う所に土地を買ってまた牛と一緒に暮らすつもりだ、と言うお話でした。

 私はこの記事を読んでそのおばあちゃんが牛を大好きな気持ちはわかるのですが、どんなに好きでも他人に迷惑をかけてはいけないなと思いました。
 もしそのおばあちゃんがタイに住んでいたら、きっと周りの人たちにいじめられると思います。
 なぜならばタイ人は国のルール(法律)を待っているよりも、自分たちのルールを使った方が早いと思っているからです。
 でもその前に牛を部屋に入れるのはタイのアパートでは無理でしょうね。


 管理人から

 今回のコラムはタイにまつわる話ではありません。が、タイの新聞にはこういう記事が多いと言うことです。ただこの話もある意味実にタイっぽいです。タイなら起きそうですもんね。タイ的には像だとおもしろんですけど。 しかしまあ、だいたい部屋で一緒に牛と住むって言う前にどうやって牛を部屋に入れるんでしょう?全部子牛だったのだろうか?大きくなったらもう出れなくなってしまうような気が…。トルコでもタイでもアパートは石造りだから出来なくはないと思いますが、日本だったら大変なことになるでしょうね。6畳の部屋に牛がいたらどこで寝るんだろう?