正月

正月、正月、また正月…

 日本でお正月といえば1月1日で年に一回しかありませんが、タイには年に3度のお正月があります。おかげでまったく忙しいったらありゃしません。日本で言えば、いつまでたってもおとそ気分が抜けないようなものですから。

 この3度のお正月というのは暦の順番で言うと、西歴(仏歴も一緒か?)のニューイヤー、中国正月、タイ正月となります。

 タイは基本的に仏歴を採用していて、仏歴というのはお釈迦様のお亡くなりなられた日、つまり仏滅された年から数えて何年と言うことで、2002年は2545年になります。たいていのタイ人はこの暦を使うので、西暦で聞いても???になることが多いです。まあ、日本でも年輩の方に西暦言っても分からんのと一緒です。

 西暦のハッピーニューイヤー
 西暦の1月1日は、日本ではもっとも厳粛な日な訳ですが、ここタイではあまり関係ないようです。大体この仏教国にはクリスマスも関係ないはずなのですが、日本同様イベントとして人為的に盛り上がりを見せてきました。楽しければ何でもいいタイ人なので、かなり適当です。12月になると「MERRY X’mas AND HAPPY NEW YEAR」と書かれた看板が町中を飾ります。しょせんこの程度の扱いではあるわけですが、一応大晦日と元旦は、タイの公休日でもあります。観光地だけ盛り上がってる、そんな正月です。

 中国正月(中国陰暦)
 日本で言うところの旧正月にあたると思いますが、日本と違うのは正月が毎年変わることです。大体1月下旬から2月中旬にあります。2002年は2月12日です。ちゃんと干支で祝うのですが、これは日本と同じです。中華系の祭りなので、基本的に中華系しか騒いでません。香港などので見たことがある方もいるかと思いますが、町のいたる所から爆竹の鳴っている音が聞こえてきます。華僑の人達にとってはこの日がまさしく新年のはじまりでしょう。別に休みではないのですが、中華系の人にとってはれっきとした休日なようです。チャイナタウンなどはとくに盛り上がっています。

 タイ正月
 ソンクラーンと呼ばれるタイ正月は、一年のうちでもっとも盛り上がる行事でもあります。ガイドブックなどには、「水かけ祭り」と書かれていますが、ちょっと意味合いを間違えてると思います。水をかけるのはお清めみたいな意味があったはずですが、今ではただの無礼講と化しています。

 ここでソンクラーン自体の説明をしましょう。
 ソンクラーンとは新しい星座になる最初の日のことです。そして4月13日は「マハー ソンクラーン」と言って、12星座の一番目、牡羊座のソンクラーンに当たります。これがタイの元旦と呼ばれる理由です。タイの昔の暦では現在の仏歴ではなく、ただ午年とか酉年とか言われていたようです。そして、「マハー ソンクラーン」を持って暦が変わったと言います。つまり4月12日まではまだ新年を迎えていないことになります。またソンクラーンは元々サンスクリット語で新年の祭を意味するそうで、耕作期への雨乞いの行事として水をかけ合います。これが「水掛祭」の始まりだそうです。また、ソンクラーンは「灌仏節」と言う、仏教の仏像に聖水を注ぐ行事も兼ねています。これもまた水をかける行事であることから、ソンクラーン「水掛祭」としてがタイで浸透していったのでしょう。

 国民の大多数が仏教徒であるタイ人にとってこの日が本当のお正月です。人々は寺院に初詣に行ったり、供え物をしたり僧侶の読経に耳を傾けて新しい1年を向かえます。この4月13日をはさんで約1週間、会社などが休みになるので多くの人が帰省します。この時期のバンコクは渋滞もなく、空気もきれいになって最高です。ソンクラーンでは、水を人に水をかけることがほぼ許されているので、その辺を歩いても、何をしていても水をかけられたり、白いパウダーを塗られたり大変です。なんせ怒っちゃいけないのですから。歩道から走ってくる車に向かって水をかけてみたり(バスは窓を開けっ放しなので大変です)ピックアップカーからは水鉄砲で撃たれるわで、まったくしゃれになりません。特にカオサンのモノは有名で最近はドロやパウダーなどもくわわり年々激しさがレベルアップしてきています。かなりバイオレンスです。軽い気持ちであそこに行くと泣く目に遭います。どさくさにまぐれて女性の体に触ろうという奴らもたくさんいます。痴漢が多いですね。ま〜まさしく無法地帯と言っていい状態です。行くなら男だけで行くことです。また田舎ではチェンマイが大変にぎわっており、この時期のホテルはすべてうまっています。ちなみに一番盛り上がってるのがこのチェンマイで、多くのタイ人が一度行ってみたいと言います。室内であろうとどこでも水浸しになるので、大事なモノは持ち歩かないようにしましょう。

(20/4/03)