ローカルルール


 タイでゴルフをやってると、驚きの連続です。
 日本から来た人たちはけっこうタイ独特のルールに目を見張ります。
 私はタイでしかゴルフした事ないから日本に行ったらビックリするんでしょうね…。


キャディが何でもしてくれる!?

 文字通り、タイのキャディは何でもしてくれます。打つ事を除いては…。
 キャディさんは、バンカーの後始末、ダフった後の始末、グリーン上の整備、マーキング、旗抜き、傘持ち、ライン読みまでやってくれます。へたくそゴルファーである我々は、そこでスイング指導までしてもらえます。ボールのマーク(書いてる文字)をラインに合わせて置いてくれる人もいます。(ラインが読めるキャディもたまにいます)あまりキャディを信用すると痛い目に遭います。キャディはあまりゴルフの勉強をしてない事が多いですから。ライが悪いと勝手にボールを来の良い所に持ってきてしまうキャディもいます(もちろんへたくそに限る)。
 タイではキャディフィーがほぼ200バーツ(600円)なので一人に一人どころか二人も三人も付ける事が出来ます。こうなると、一人は傘持ち、一人はボール拭き、そして後一人がバッグ持ちとかになります。まさに大名行列です。グリーン上に10人以上人がいる姿は壮観です。
 また、タイでは自分でバンカーの始末や、ピンを抜いたりすると怒られます。自分でやってしまうとキャディが経営者に怒られてしまうようです。
 コースによってはオカマキャディもたくさんいます。彼女らは非常にピッタリしたキャディのユニフォームを着ているのですぐ分かります。しかし、たいてい彼女らは仕事熱心ですので、私的には全然OKです。
 そうそう、キャディが何でもしてくれると書きましたが、プレイ中は身体を触り、プレイ後デートしている人もいます。こうなるとゴルフが目的なのか、何が目的なのか…。


休みはお茶屋

 タイでは日本と違って、ハーフが終わってから休憩というものはありません。その代わり、何ホールかごとにお茶屋があって、そこで休憩を取ります。と言うか取らなきゃ死にます。タイの太陽の暑さは日本の夏の比ではないです。熱射病、脱水症状など気を付けないといけません。ゴルフに防止は必携です。


タイ人の早業

 タイ人のゴルフもこれまた驚きの連発です。ティショットの時、4人並んで立て続けに打ったりします。オーナーもひったくれもありません。キャディの話でも書きましたが、ライが悪いとどかして打つ人もいます。グリーンでは、カップの周りに約1メートルほどの白い円があり、そこに入ったらOKです。誰かに「OK」と言ってもらう必要もありません…。ここまではへたくそのお話ですが、上手な人にも変な早業を誇る人がいます。隣のホールから池に打ち込んでしまった人が、家の縁にある私のボールに向かってきて、いきなりバーンと打ってしまって「君のボール池に落ちたよ」とのたまってそのまま消え去りました。うーん、俺の見間違いかと思ったのですが、キャディは間違いなくあなたのボールを打っていったと言ってます。池に沈んでるボールを苦労して取ってみるとそれは紛れもなく私の安ボールではなく、金持ちタイ人の高級ボールでした。悔しいので頂いて来ましたが、彼らはかなり高いレートで賭けゴルフをしているらしく、それでかなりずるいプレーも出てくるとキャディ達は言ってました。ま、これはタイ人に限りませんが…。


やりたい時に行く

 タイではゴルフ場の予約はほとんどいりません。週末や、超高級コースを除いていきなり行ってもすぐスタートです。ゴルフ場に着いたらキャディを選び(自分で選んで良いです)、お金を払ったらもうスタートです。予約が面倒くさいという人にはツアーで行くのもおすすめです。プレイ代、送迎付きです。しかもだいたいレンタルクラブもあります。つまり何もなくてもゴルフをする事が出来るのです。観光客の場合、ゴルフ場に行く手段が問題ですから、かなり便利なシステムだと思います。全部借りてやっても2500バーツくらいで出来るのではないでしょうか。


マナーがない?

 タイでゴルフを始めた人全般に言える事ですが、基本的にタイのゴルファーはマナーが悪いです。遊びとしてのゴルフとしてはそれでいいのかも知れませんが、紳士淑女のスポーツとしてのゴルフとしては、問題が大ありです。まずゴルファー同士がゴルフのマナーというモノを知りません。ティーショットやパットの時しゃべってる人、相手の方が遠くにあるのに先に打ってしまう人。こういうのをタイで見かけてもいらいらせずにやらないと体が保ちません。
 そしてもっとも大きな問題の一つが「ウォーターハザード」の扱いです。本来「ウォーターハザード」は池や川などに落ちたとき、1ペナ付けて打ち直すものですが、タイでは飛球線上ではなく落ちたところの横から打ち直す事が多いです。(これはキャディがそうしろというせいだと思う)ですから水に落ちたらかなり前に進める事になり、けっこう得なのです。タイのコースが一般に起伏や変化が少ないために、池でレイアウトしてる事が多いのでこういうルールにしないと終わらないと言うのもあるでしょうが、これではちゃんとしたルールは覚えませんよね。


にぎり方!?

 ゴルフをやってる方は大なり小なりにぎってる事が多いと思います。私は日本の「にぎり」を知らないので、周りでやってる「にぎり」について説明します。縦・横などはどこでもやってるので説明は省きます。

 オリンピック
 グリーンオンして一番近い人から順に2・3・4・5点と付けていき、1パットで入れるとその点数がもらえる。バーディだと2倍。チップインは7点おまけとしてパーオンとニアピンがある。パーオンしたら2点もらえるケースが多い。ニアピンはPAR3でニアピンだった人がPAR以内で上がると4〜5点もらえる。この点数を全部足して、他人との差し引きで計算する。差し引きなので、人数がいると結構でかい。

 エイズ

 バンカー、池、OBなどのペナルティ、3パットするとエイズが発生する。これはまわった人間全員で点数と加算していく。最後にエイズになった人が保菌者と言われる。これを加算していって、3Hごとに最終エイズ保菌者のオリンピックの点数にそのエイズの点数を減点する。タイのように池バンカーばかりのコースだと、とんでもない数になる事もある。だいたい誰かが3パットしてもらっていく…。

 パタゴラ(別名村長さん)

 お茶屋の前のホールで決めパットが一番近い人が「村長さん」となって、そのお茶屋の払いを持つ。ただし3パットしたらダメ。3パットが何人もいた場合、その人達で割り勘。だいたいエイズと一緒になる事が多いので、とても損した気分になる。

 お友達

 4人でまわった場合、ティーショットを打つ順番が、1と4、2と3がお友達になる。そしてその二人のいいスコアで勝負をする。もちろんお友達は毎ホール変わる可能性がある。たとえば、ABCDさんがいて、今回の友達がABとCDだとする。その時のスコアが、Aが4、Bが5、Cが5、Dが6だとすると、ABは4、BCは5になる。その差が点数になる。この場合は1なので、ABは1点、CDはマイナス1点になる。これを毎ホールやる。同点だと持ち越す場合もある。また、ダブルパー以上を叩くと「ひっくり返り」というルールが発生する。つまりPAR4で、Aが3、Bが4、Cが6、Dが8だった場合、本来ABは3で、CDは4になるのだが、Dがダブルパーなので、ABは8点になってしまう…。こうなるとその差が4点になり、かなりでかくなってくる。まさしくヘタがやるとはまるルール。シングルクラスに近くないとやってはいけません…。