友達とは

 なぜかタイ人には、ものすごくたくさんの友達がいる。
 決して日本人に比べて行動範囲が広いとは思えないけれど、町を歩いていたりすると、何人もの友達に出会いその度に立ち話。
 友達の友達は皆友達とでもいいそうな勢いだ。

 しかし、概してそのつきあいは広く浅く。
 私はなかなか友達ができにくく、うらやましいような気もするが、彼らの友達はけっこう次々変わる。
 この前までいつもエー君とつるんでいたのに、気が付くとピー君になっていたりする。
 たくさんいるから、いろんな人とつきあってるのかもしれないけど、すごく仲よかったのに、急に口を聞かなくなったりして、どこか子供同士みたいなところがある。

 そのうえ、友達同士でも、平気でお金をだまし取ったりする人もいて、それは友達とはいわないと思うのだけど・・・。
 かくいう私もだんなの20年来の幼友達という人にだまされた。
 もちろん、それ以来友達ではないが。

 どうも日本人の私の感覚では、なかなか理解しがたいのだが「その時側にいる人」が友達で、それはどんどん変わっていくのだと思う。
 だから、友達のことはけっして信用はできないという。
 信用できるのは、身内すなわち親戚関係の人のみ、だそうな。
 田舎特有の一族団結の絆が生きている。

 また、友達は同性どうしという不文律もあるようで、異性と口を聞くとすぐ「男好き、女好き」とかいう周りのやつがいて小学生かーっ、と思う。やっぱりそれほど田舎なのだろうか。
 それとも単にタイ人が嫉妬深いからか。
 特に私は日本人なので「日本の女の子ってやっぱり・・・」などと親戚に陰口たかれないように、気を使ってしまうのだった。